今日は「Joe Cocker（ジョー・コッカー）」をピックアップします！
ジョー・コッカーはイギリス・シェフィールド出身の歌手です。
公務員の息子として育ちますが、15歳で学校を辞めて働きながらパブで音楽活動を始めます。
当初は「ヴァンス・アーノルド」という芸名で活動し1964年にデッカ・レコードからデビューしますが不発に終わります。
その後、グリース・バンドとともにライヴ活動を行いブルー・アイド・ソウルな唄いかたやライヴ・パフォーマンスが評判を呼び、1968年に「マジョリーン」でA&Mレコードから再デビュー。
同じ年に、ポール・マッカートニーも絶賛した、ビートルズの「With A Little Help From My Friends」のカバーが全英チャート1位の大ヒットとなります。
FM放送局を通じてアメリカ、オランダ、ヴェネズエラなどの国でも脚光を浴びるようになります。
そして1969年にはウッドストック・フェスティバルに出演。エア・ギター・パフォーマンスとパワフルな歌唱でアメリカの聴衆にも強い印象を与え、彼の人気を決定づけさせました。
1970年に再びビートルズの「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」のカバーやトラフィックの「Feelin' Alright」でアメリカのチャートに入るようになります。
さらに同じ年にはレオン・ラッセルが仕掛け人となって行われたアメリカツアー
『マッド・ドッグス・アンド・イングリッシュメン』は、総勢43名のバンドを組織し、57日間で65のステージを行う凄まじいツアーとして話題となりました。
あいにくツアーは商業的には成功しませんでしたが、この模様を収めたライブアルバムは後に名盤として評価されるようになります。
その後レオン・ラッセルは去り、相棒のクリス・ステイントンもジョー・コッカ―の元を離れていきますが、1974年にようやくアルバム「I Can't Stand In The Rain」を制作し、1975年にはアルバムからのシングルでビリー・プレストンのカバー「You Are So Beautiful」がヒットし、シンガーとしてのキャリアを高めて行きます。
1981年にはゲスト・ヴォーカルで参加したザ・クルセイダーズの「Standing Tall」がグラミー賞候補になり、1982年には映画『愛と青春の旅立ち』の主題歌でジェニファー・ウォーンズとデュエットした「Up Where We Belong」が全米1位のヒットを記録、グラミー賞を受賞したことでロックやブルースの世界的な歌手としての地位を確立します。
ジョー・コッカーのハリのある苦みばしったヴォーカルは、ミック・ジャガー、ロッド・スチュワートと並び、「イギリスの3大ソウルシンガー」と称されるほどで、2007年にはイギリスの女王陛下より功績をたたえられて大英帝国勲章を受賞。
アメリカやヨーロッパなどでコンサートを開き、精力的に音楽活動を行っていましたが、2014年12月22日、アメリカ・コロラド州にある自宅で肺がんのため、70歳でこの世を去りました。
ジョー・コッカ―の訃報を聞いたポール・マッカートニーは
「ジョーが亡くなったと聞き、本当に悲しい。彼は愛すべき北の男で、僕は大好きだった。多くの人々同様、僕は彼の歌が大好きだった」
と話しており、またリンゴ・スターは
「ジョー・コッカー、さようなら、そして神様のご加護がありますように。
友達の一人より。ピース・アンド・ラヴ」
と追悼ツイートをしています。
またジョーの友人で元イエスのリック・ウェイクマンは
「すごくいいやつだったし、才能もまた素晴らしく恵まれてたね。
ジョーのことを愛していたご家族や友人のみんなにとっては本当に悲しいことだけど、ジョーみたいな人間の場合には遺してくれていったもののおかげで、
ぼくたちはこれからも何年も何年もジョーと一緒にいられるっていうことが素晴らしいことだよね」
と話しています。
今日は追悼の意を表して、ジョー・コッカ―の残した名曲を3曲お送りしました。
【お送りした曲】
With A Little Help From My Friends / Joe Cocker
You Are So Beautiful / Joe Cocker
Up Where We Belong / Joe Cocker & Jennifer Warnes
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