コンサルティング会社の中のプログラマー

コンサルティング会社の中のプログラマー

ひょんなことからコンサルティング会社に勤める事になったプログラマーの孤軍奮闘記

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コンサルタント、または非エンジニアのマネージャーにエンジニアは育てられない。

会社はコンサルティングファームなのに、エンジニアを採用しようとしている。今のままでは100%、無理。

そりゃそうでしょう。
コードも書けない人がエンジニアを育てられるわけはない。

それよりも根本的な考え方の違いがある。

以前、コンサルタントの上司にこんな事を言われた。
自分のスキルでは足りない問題がある、どうするか?
エンジニア脳の私はこう答えた。自分で勉強しつつ、やるしかない。
上司のコンサルタントの答えはこう。誰かそれをできる人を探して連れてくる。

意地悪な質問だ。
予算のあるなしやそのプロジェクトの規模や立場で答えは変わる。

でも一つ言えるのは、コンサルタントにとって最優先はプロジェクトを成功させること。
自分で手を動かせない職種の発想。誰かできる人いませんか、と。

もちろん、プロジェクトの成功が大前提だし、エンジニアもその考え方をもたなければならない。いや、もっと先の事業の成功、顧客満足、会社の社会への貢献など俯瞰で仕事を見なければいけない。

でも、そのマインドだけではエンジニアとしては失格だ。エンジニアとして問題に直面した時、知らない技術を目の当たりにした時、人のアサインで解決しようとしてはダメだ。それをファーストチョイスにしてはいけない。口先だけで中身が空っぽのエンジニアができあがってしまう。
私はエンジニアなので、コンサルタントの仕事って何をしているのかよく知りませんでした。

経営者と戦略をブレストしたり、企画をプレゼンしたりしているイメージでした・・・。勝手なイメージですが。

例えば、大手のコンサルティングファームだと、何千人も社員がいる。国内の中堅でも何百人いる。



あれ?
経営者ってそんな数いたっけ?
コンサルタントを必要としている企業って、そんなにあったっけ?
数多くいるコンサルタントは普段どういう仕事をしているのだろう・・・。


単純なこんな疑問を、いわゆるコンサルティングファームと呼ばれる会社に入社して、その辺りがわかるのではないか、と思っていた訳です。


で、最近、ひとつの答えが出ました。


一覧にして洗い出す


コンサルタントって、二言目には「一覧にして洗い出してください」って言ってますよね。
何か問題・課題があると「一覧にして洗い出す」という事をしています。


天才的なアイデアマンが優秀なコンサルタントではない。より細かく、より詳細に、より抜け漏れなく洗い出し、分析できる人が優秀なコンサルタントではないか。

・・・と、エンジニアの私は思いました。
わかりますよね、テクニックでしゃべってくる人。
こっちに興味が無いのがすごくわかる。
気持ちがこちらに向いていないのがわかる。

前職の元社長がこんな感じでした。

「部下とのコミュニケーションが大事だからたまには話しかけておくか。」という意図がまるわかり。「ここで期待や信頼を与える様な事を言っておけば、部下のモチベーションは上がるので、そういう言葉をかけておくか。」という意図がまるわかり。

そういえば、現職でもたまにいる。



人をポジションでしか見れないんだろうなあ・・・。
エンジニアには2種類のタイプがいると思っています。

(1)手より先に口が動く人
(2)口より先に手が動く人



(1)手より先に口が動く人

・「自分がそれをできるか」よりも「それを知っているか」が重要
・実現するためには計画立てと予測が重要
・知り得た知識はウソではない、という意識から、自分の発言は断言する
営業側からの評価が高く、開発側からの評価が低い

(2)口より先に手が動く人

・「それを知っているか」よりも「自分がそれをできるか」が重要
・実現するためにはまずやってみることが重要
・正解は一つではない、やってみないとわからないという意識から発言を断言できない
開発側からの評価が高く、営業側からの評価が低い


(1)手より先に口が動く人は、大手ITや社内SEがいるような会社で重宝されますよね。
確実に仕事をこなす、丁寧な仕事。
ただ、実際に手を動かすとなると、遅い。とにかく遅い。
プログラマからすると「頭でっかち」の嫌われ者になりやすいタイプです。
一方、知識があって口が達者なので営業サイドや経営サイドの信頼は厚い。

(2)口より先に手が動く人は、ベンチャーやスタートアップで重宝されますよね。
ただ、無愛想であったり、口べたなので、大きい会社では営業サイドや経営サイドからの評価は低く、口が動くタイプのエンジニアにおいしいところを持っていかれる傾向にあります。
一方、仕事は速い。


自分は完全に(2)です。
ですので、(1)の人の発言を聞くと、イライラします。「偉そうにいいやがって、じゃあ、自分一人でやってみろよ。ベンチャーじゃお前のようなやつは使い物にならないぜ。」と思うのですが、逆に向こうからすると「そんなアマアマな考えじゃ、大きな仕事はできないぜ。」と思っているのでしょう。きっと。


あと、話をすると、この人はどちらのタイプか、だいたいわかります。
そして、同じタイプの人と、ウマが合う傾向にあります(経験談)。
タイトルの言葉は今の会社ではじめて聞きました。
上司が部下に言っているのが横から聞こえてきました。

言っていた方は冗談半分な感じでしたけど。

部下「がんばります!」
上司「がんばらなくていいから結果を出してくれればいいからー。」
部下「はいー・・・」

いやー、「さすがコンサル会社だなー」「こういう意識でやっているのか」と当時はぼんやり思っていただけだったのですが、よくよく考えてみると変な言葉だな、と思いました。
変というか、無駄というか・・・。

この言葉の意図ととしては、
「仕事は、過程(プロセス)はどうだってよい、結果が全てだよ。」
ということをを言いたいのだと思うのですが、であれば、

「がんばって!そして結果を出して!」

でいいと思うんです。

わざわざ、”がんばらなくていいから”という言葉は言わなくていいと思うんです。
”結果を出して”というメッセージを強調するための枕詞だと思うんですが、それにしても不要な言葉だと思います。

ちなみに部下は「がんばりま~す」という軽い感じではなく、まじめな感じで「はい、がんばります。」と言っていました。
その「がんばります」という言葉には、(きっと)「結果を出せるように、精一杯努力します。その努力を継続します。」という意味も含まれていると思うんですが、その意思表示までを否定しなくてもいいと思うんです。

マネージャやリーダーに対して、やれ「モチベーションコントロール」だ「マネージメント」だと言っている割には、”がんばらなくていいから”という言葉はモチベーションを下げる言葉にならないのか?部下のマネージメントとしてはどうなのか?と思います。

もしかしたら、”がんばらなくていいから”という言葉は”気張らずにリラックスして”という意味もあるのかな・・・。(そんな雰囲気には聞こえなかったけど)
であれば、そういう風に言えばいいんですよね。わざわざ、「がんばる」という前向きな発言を否定しなくてもいいと思います。