アリス「…ごめんね…お姉ちゃん…。こんな忙しい時に……」
セリカ「気にすることなんかないわ。それよりもどうしたの?」
セリカ「何だか思い詰めたような表情をしてるわね…。何な悩み事?私に話して少しでも楽になるなら何でも話してみて?」
アリス「…………」
アリス「私…好きな人がいるの…。」
セリカ「好きな人?」
アリス「でもその人にはずっと前から好きな人がいて…私の出る幕なんかどこにもなかった…。」
アリス「…その人を好きになったことを後悔はしていない。想いは実らなかったけれど…」
彼だけを見つめていたあの時間はやっぱり幸せだったから…。
アリス「その時間を自分の中で昇華できるまでは誰かと真剣に向き合うことはできない…。」
そう思っているのに…
アリス「私…その好きな人の1番の親友の人から告白されたの」
セリカ「え?」
アリス「でも返事はいらないって言われた…」
セリカ「どうして……?」
アリス「…高校を卒業したら…関西の大学に進学するんだって……」
セリカ「関西の?」
アリス「…就職先によってはもうこっちには戻らないかもしれない…。だからもうすぐ疎遠になる自分のために悩む必要はない…そう言われたの…」
ユウゴくんが関西の大学に行くこと…もうこの街には戻らないかもしれないということを聞いた時に…どうしようもない寂しさに襲われた…。
ナセルくんの時には嫌悪感を抱いたのに…ユウゴくんに抱きしめられた時には何故だか安心感があった…。
それがどうしてなのか分からない……。
私のことをとても大切に想ってくれていたことが痛いほど伝わった…。その彼が自分自身を大切にしていない…心の拠り所がないと思っていることが分かって…胸が締め付けられる思いがした…。
貴方は幸せになれる価値がある…愛される輝きをいくつも持っている…それなのに…。
マオくんへの気持ちは恋…なら…
ユウゴくんへ感じているこの気持ちはなに?
セリカ「…………」
セリカ「その人のことをアリスはとても大切に思っているのね。」
アリス「…………」
ユウゴくんと一緒にいる時間は…凄く楽しかった…。
私が側にいることで…彼がああやって笑ってくれるなら…あの笑顔を私が守ることができるなら…そうしてあげたい…。
なのに……
どうしたって頭の中に浮かんでしまう…。
貴方の少しはにかんだ笑顔が…
あたたかくて穏やかな…優しい笑顔が…
貴方の優しい言葉や…寂しそうな表情……。
どうしても頭から離れない……。
🔷私としてはかなりのハイペースでストーリーをお届けしております。
ああ…果たしてこのストーリー…無事にソフトランディングできるのでしょうか!
いつもご覧頂きありがとうございます😭✨