伯母「アリスー!エマー!久しぶりね!」
アリス「叔母さま!お久しぶりです!」
伯母「遠くから来てくれてありがとう!」
エマ「伯母さまも式の前日で色々お忙しいんじゃ…よかったんですか?私達ペンションにお邪魔してしまって…」
伯母「いいのよ!式自体も本当に親しい人たちだけのアットホームなものだから、親族もそんなにやることはないのよ」
レア「後でセリカもこっちに顔を出すって言ってたわ」
アリス「セリカお姉ちゃんが?」
レア「式当日は2人とゆっくり話せないからって…。あの子2人が来るの楽しみにしてたのよ」
エマ「嬉しい!!セリカお姉ちゃんとは今回あまり話せないかもって思ってました」
…セリカお姉ちゃんなら…色々分かるかしら…。
…聞いてみたいな………。
エマ「…伯母さま…」
伯母「なに?」
エマ「…セリカお姉ちゃんの結婚の話が出た時って…その…大丈夫…だったんですか?」
アリス「え?」
エマ「…婚約者さんの…その…脚のことで…反対されたりとか…あったんじゃないかって…」
アリス「………あ……」
…考えてもいなかった……
伯母「…エマの言う通り…決して皆がすぐに賛成…というわけじゃなかったわ。…私もそうだったけど…」
伯母「特にあの子の父親がね」
アリス「伯父様が?」
伯母「あの人は1人娘のセリカのことを本当に可愛がっていたから…」
伯母「彼がたとえ誠実で信頼に足る人でも…経済的に自立していても…いざという時にあの身体ではあの子を守れるはずがない…と、心配で堪らなかったみたい…」
伯母「…結婚となれば今までは問題にならなかったことすら一気に懸念材料になってしまう。…綺麗ごとだけでは済まないわ」
伯母「…若い彼にはとても辛い思いをさせてしまったわ……」
伯母「…自分が彼にどれだけ残酷なことを言っているのか…あの人が誰よりもそれを分かっていた」
セリカ『…事故に遭ったのは彼のせいなの?』
セリカ『…脚に障害が残ってしまったのは彼のせいなの?』
セリカ『どうして今のあの人を見てくれないの?』
セリカ『怒りも悲しみも…苦しみも絶望も…あの人は全部受け入れて…それでも前を向いて立ち上がってきたのよ!?どうして今のあの人を見ようとしないの!?』
セリカ『私の幸せを勝手に決めつけないで!!』
アリス「…そんなことが…あったなんて……」
エマ「…………」
…ああ…あれは……
セリカ「偽りの自分が手繰り寄せた運命の相手は本当の運命の相手じゃない…。偽りの相手なのよ」
…そんな背景もあった上での言葉だったのね…。
アリス「…………」
セリカ「あら?どうしたの?皆してそんなところに立ちっぱなしで…」
アリス、エマ「あ!!」
アリス、エマ「セリカお姉ちゃん!!」
セリカ「エマ!!アリス!!来てくれてありがとう!」
セリカ「叔母さまから聞いたわよ!2人ともおめでとう!!」
エマ「ありがとう!」
アリス「あ…セリカお姉ちゃん…」
セリカ「?どうしたの?」
アリス「あのね……」
アリス「後で少しだけ話を聞いてもらってもいい?」
セリカ「?私に?」
💠以前、先生とセリカさんのストーリーを載せた際、このストーリーをご覧頂いているフォロワーさんから「彼氏が事故で足に後遺症が残ってしまった場合、家族には結婚を反対されたのでは」というコメントを頂いたことがあります。
その時、実は先生はセリカさんの、とりわけ父親の方に結婚は反対されていた…という設定を既に考えていたので「あれまー!シンパシー!」と、思っていました。
でもこの設定…多分本編では使用しないだろうなと思っていたのですが…使いましたねー!
いつもご覧頂きありがとうございます😊