エレナ「んーーっ🎵楽しかった〜✨あそこご飯もデザートもすっごく美味しかったな〜✨」
エレナ「こんどアリスと一緒に来ようかなっ🎵あ!その前にマオにいつ集まれるか聞いてみないと!」
エレナ「ルイルイも今日は急遽参加してくれて、本当にありがとうね✨✨バイトの後で疲れちゃったでしょ??」
ルイ「………」
エレナ「?ルイルイ?」
エレナ「ルイルイどうしたの?大丈夫?」
ルイ「え……」
エレナ「何か元気ないわね?やっぱり疲れちゃった??」
ルイ「…疲れてはないっすよ」
エレナ「ほんとに??何か無理してない?」
ルイ「今日はやけに優しいんすね」
タクト「ルイ君はさ、いつからエレナちゃんと親しくなったん?今1年生なら…そんなに2年と絡みはないだろうし…やっぱバイトで仲良くなった感じ?」
タクト「あー…これは探りとかじゃなくて本当にただの世間話だよ!」
ルイ「……ある程度親しくなったのは確かに一緒にバイトやるようになってからですけど…」
ルイ「…あの人のことを知ったのは俺が中3の時っすよ」
タクト「…中3?」
ルイ「はい」
タクト「…白樺の文化祭で知り合ったとか?」
ルイ「…もう少し前っすね」
タクト「あ…それは…」
ルイ「少しくらい話題になってたんじゃないっすか?…そっくりなんすよね?俺と"先生"って人」
タクト「…そうだね。本当によく似てるよ…話には聞いてたけど…俺も今日、直接会ってビックリしたよ」
ルイ「らしいっすね。その"先生"を知ってる人が俺を見た時の反応って」
エレナ『先生!?』
ルイ「こっちもビックリするくらいのものでしたから」
ルイ(あの嘆き方にはかなり引いたけど)
「短い期間だった割に皆に慕われてた人だったみたいっすね」
タクト「…先生を嫌いな奴なんて絶対にいないよ。自信をもってそれだけは言える」
ルイ「…そうっすか」
タクト「…ルイ君は、エレナちゃんにやたらちょっかいかけてくる警戒人物が俺みたいな奴でどう思った?…ぶっちゃけ安心した部分もあったんじゃね?」
ルイ「…随分と自虐的なことを言うんすね」
タクト「これでも謙遜してんだよ〜。俺は」
ルイ「…そんな無駄なことしなくてもいいっすよ」
ルイ「俺に言いたいことがあるんじゃないっすか?ならこんな無駄な長話なんかしなくていいっすよ」
タクト「…君…顔に似合わず本当に負けん気が強いよねー…」
ルイ「…言いにくいなら俺から先に言いますか?」
タクト「…君の性格からして…今までもそこそこ積極的にエレナちゃんにアプローチしてきたんじゃない?多分」
ルイ「………」
タクト「…でも今日の感じだと全く相手にされてないだろ?…相手がエレナちゃんだからってのも大きいかもしれないけどさ」
タクト「ルイ君はさ。本当によく似てるよ…。俺らの先生で…エレナちゃんの初恋の相手に」
タクト「同じ学校で…同じバイト先で…しかも先生に瓜二つだっていうならルックスだって相当なわけだし…ぶっちゃけ俺、最初に話を聞いた時、終わったなって思ったんだよ。だって初恋の人とそっくりな奴が近くにいたら普通意識するじゃん?なのに…」
君たちは未だに仲良しの先輩、後輩の関係なんだろ?」
タクト「君が1番思ってることで…突かれたら1番嫌なことを言わせてもらうと…」
タクト「これだけ恵まれた環境でこの体たらくじゃ、君は俺以上に見込みがないよね」
エレナ「ルイルイ?」
ルイ「あ……すいません。ちょっと遠くに行ってました」
エレナ「…やっぱり疲れちゃったんでしょ?今日上がるの遅かったし…💦」
エレナ「そうだ❤️ルイルイにもあたしがいつも持ち歩いてるにんにく羅王あげるね✨」
ルイ「…いつもそんなの持ち歩いてるんすか?」
エレナ「当たり前でしょー✨✨今日の合コンの前にも接種しておいたんだから❤️」
ルイ「…どんだけ気合い入れてたんすか…」
タクト「……俺ばっかり色々言っちゃったけど…そっちから俺に言いたいこともあるんじゃない?」
ルイ「…あるっすよ…山ほどあるっすけど…1番言いたいのは…」
ルイ「いくらエレナ先輩が他の奴とくっついて欲しくないからって随分なチョイスですよね」
タクト「おいおいおい!!聞き捨てならねーな!俺はいくら何でもそこまで姑息じゃねーぞ!現にいい感じにカップル成立してたとこもあったろーが!」
ルイ「俺の方が先輩の事を好きだから鬱陶しく周りをウロチョロするな…とか?」
ルイ「ビビって本人には何も言えないくせに一丁前に俺を牽制してんじゃねーよ。チキン野郎とか?そんな事言わないっすよ」
タクト「言ってんじゃん!!全部!!」
ルイ「別に俺からあんたに言いたいことなんて特にないっすよ」
タクト「え…嘘だよ…絶対違うよ…!?その感じ!!」
ルイ「何にビビってんのか知らねーけど、俺からあんたに言いたいことなんてないっすね。…ただ一つ言わせて貰えば…」
ルイ「俺がその"先生"に似てることが大きな武器になるみたいな言い方してますけど…そんなの俺からしたらメリットでもなんでもないっすよ」
エレナ「ルイルイ!!にんにく羅王以外にも食す青汁もあった!!これもいる??」
ルイ(…俺から言いたいことなんかない…じゃない…俺から言えることなんかない…が正解だ)
ルイ(腹がたつけど…言ってたことはまあまあ当たってる…)
ルイ「ああやって煽れば俺が尻込みするか…焦って変な行動を起こして玉砕するか…どちらかになるかと踏んだのかもしれねーけど…俺は俺のペースでやらせてもらいます」
タクト「…そんな気はなかったけどね」
ルイ「今日はありがとうございました。タクトさん?」
タクト「…ルイ君」
ルイ「……」
タクト「エレナちゃんの中の先生を超えることは難しいよ」
ルイ「先輩は……」
エレナ「?なに?」
ルイ「あの相手側の幹事とは中学からの付き合いだって言ってましたよね?」
エレナ「タクト君?うん!そうだよ?」
ルイ「…今まで何か思ったことはないんすか?」
エレナ「??面白いし良い人だと思ってるよ!」
ルイ「……はーーー…」
エレナ「ルイルイも仲良くなれると思う✨」
ルイ「…仲良くは…無理っすけどね…絶対」
ルカ グスッグス…「今日までにいくらかかったと思ってんのよ!!なんで私ってこう男運ってものが……」グスッグス
ルカ「ん??」
ルカ「ギャアアアアアア!!!」
ルカ「何やってんのよ!!あんた!!地縛霊かと思ったじゃないのーっ!!!」
タクト「………かった……」
ルカ「は!?」
タクト「スッゲー怖かった……」
ルカ「今この場においてあんた以上に怖くて不気味な存在はないわ!!」
ルカ「あんた何言ってんの?」
タクト「……ギリ声が違うから何とか正気を保っていられたけど…。もう先生に凄まれてる感覚でしかなかった!!顔とかマジで怖くて見られなかった…。俺…ずっとあいつの眉間しかみてなかったもん!!」
※眉間を見ることで目を合わせてる風を装ってた。
ルカ「?あんた何かルイ君を怒らせるようなことしたの?」
タクト「俺もここまで言うつもりはなかったんだよ!!ただ…あまりの迫力に俺…縮み上がっちまって……」
タクト「テンパればテンパるほど…どんどん煽り文句がでちまって…」
タクト「そうしたら当然向こうもどんどん凄んでくるし…」
※攻撃こそ最大の防御…の理を持って今日まで生きてきた。ただしひっそりと…。
ルカ「…あんた…弱っちいくせに…昔からそういうとこ…あるわよね…」
タクト「マジで生きた心地がしなかったよおおおーっ!!!」
ルカ「…っていうか…そんな死ぬ思いしてまで何がしたかったのよ?」
タクト「………」
ルカ「あんたいつまでそこにいるの?」
エレナ「ルイルイは今日は出会いがなかったって言ってたけど…これを機に色々参加していけばきっと出会いが…✨…あ!!でもルイルイって…確か年上が好きなんだっけ!?」
ルイ「年上が好きなんじゃなくて…好きな人が年上なんすよ」
エレナ「…………❗️」
ルイ「それはどーいう反応なんすか?」
エレナ「ルイルイ好きな人いるの!?」
ルイ「あんた前に俺が話してた事ちゃんと聞いてなかったっすね?」
エレナ「えー!?どんな人なの??同じ学校!?それかうちのバイト先の人??」
ルイ「…学校もバイト先も同じ人です」
エレナ「え〜…学校もバイト先も一緒?そんな人いたっけかな〜?」
ルイ「いるじゃないっすか。1人」
エレナ「ルイルイと学校もバイト先も一緒の年上の人でしょ〜?そんなのあたしぐらいしかいなくない?」
ルイ「そーですよ」
エレナ「?ん?」
ルイ「俺が好きなのは」
ルイ「エレナ先輩、あんたのことですよ」
『エレナちゃんの中の先生を超えることは難しいよ』
ルイ『…俺はその人を超える気なんてもともとないっすよ』
タクト『…そこはすんなり諦めるんだ?』
ルイ『…"その人の思い出の中の人に自分を寄せても所詮その人にはなれない"って。前に言われたことがあるんですよ』
ルイ『誰かと比べても自分は自分にしかなれないなら…俺はあの人に別のことで自分を見てほしい
…それに、俺やあんたにとってはその人は超えたい壁なのかもしれねーけど…先輩にとっては大切な宝物みたいなものなんだろうから…』
ルイ『否定するんじゃなくてその"宝物"ごと抱えていきたいって思ってるんですよ。…まあ、俺の甘い意見だから…聞き流してくれていいっすけどね』
タクト『…色々テンパって変に煽ってばかりだったけど…あの言葉だけは平常心で言ったものだったよ。"ルイ君"』
タクト「これでも割と近くで見てきたから分かるんだよ…。短い間だったけど先生がエレナちゃんにとってどれだけ影響を与えた人だったか…」
タクト(お前が予想以上にエレナちゃんに惚れ込んでるのがよく分かったよ…。ただ…)
タクト(全部抱えていくには…なかなか厳しいものが多いと思うけどなぁ…)