中部天竜駅【静岡県】(飯田線。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
静岡県浜松市天竜区北西部、天竜川沿いの山間部に存在した旧・佐久間町の中心市街地に位置する飯田線の主要駅で、かつては駅構内に鉄道保存施設「佐久間レールパーク」があった、
中部天竜駅 (ちゅうぶてんりゅうえき。Chubu-Tenryu Station) です。
  
  
駅名  
中部天竜駅 (駅番号なし)  
 
所在地    
静岡県浜松市天竜区 (旧・磐田郡佐久間町)   
 
乗車可能路線  
JR東海:飯田線 (豊橋方面飯田・辰野方面)
 
隣の駅  
豊橋方……下川合駅  
辰野方……佐久間駅    
  
訪問・撮影時  
2022年1月、7月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1934年11月11日開業)。
駅舎………………西側に古い平屋建て木造駅舎があり、改修しつつ使用しています。
出入口……………西側のみ。東からは約240m南の踏切or約500m北のガードを通って西側へ。
バリアフリー……×(構内踏切~ホーム間は階段のみ。車いすの場合は事前にJR東海へ連絡を)。
点字ブロック……駅出入口~改札~ホーム間に設置。
駅前広場…………△(駅舎前にやや広いスペースがあります。バス停が設けられています)  
 
 



駅舎です。東方向を望む。
1934年の開業時からの木造駅舎で、1992年にリニューアルされて現在も使用され続けています。
出入口に段差はありませんが、改札内に段差があるため中部天竜駅はバリアフリー非対応となっています。
出入口前には郵便ポスト、東海交通事業が管理する飲料自動販売機、バス停留所があります。
正式な駅前広場はありませんが、駅前にはやや広いスペースがあります。但しバスの転回に使用する事から、一般車の長時間待機はできません。
また、駅舎左側のスペースはロープが張られており、一般車は利用できません。
 
 

駅前です。北西を望む。
駅前は飯田線と天竜川に挟まれた狭い地区で、民家・商店とも少ないです。
 
 

上写真奥の半場交差点を左折すると写真の中部大橋に差し掛かります。西を望む。
この橋はかつて当駅から分岐し、天竜川対岸の佐久間周波数変換所へ向かっていた資材輸送用専用線の廃線跡を転用していると思われます(Wikipediaの本文を一部引用)。
 
 

中部大橋で天竜川を渡ると、対岸の中部(なかべ)地区に到達します(駅から約700m)。かつて「中部」は「なかっぺ」と呼ばれていましたが、現在は「なかべ」と呼ばれているようです。
中部地区は旧・佐久間町の中心市街地で大きな集落が形成されており、商店街も形成されていますが、過疎化などにより残念ながら閉店してしまった店舗が多いです。
中部地区には浜松市国民健康保険佐久間病院、静岡県立浜松湖北高等学校佐久間分校(旧・静岡県立佐久間高等学校)、浜松市佐久間協働センターなどがあります。
また、駅の北約3.6kmの山中には天竜川の佐久間ダムがあります。昔の飯田線は中部天竜駅を発車後、天竜川に沿って北上していましたが、佐久間ダム建設により線路が水没してしまうため、水窪経由の東寄りルートへと移設されました。
写真は南西を望む。
 
 

駅前です。南を望む。左手に駅舎とJR東海の詰所があります。
かつてはこちらの南への道路が中部地区へのメインルートで、駅裏の東側へ行く場合もこのルートが使えます。
沿道には商店跡が見られます。
 
 

南へのルートを道なりに進むと、吊橋(中部橋)で天竜川を渡り、対岸の中部地区へアクセスできます。
但しこの吊橋は自動車(四輪車)が通れず、二輪車は降りて通行する必要があります。
写真は西を望む。
 
 

ホームより東を望む。
「駅裏」の駅東側は山の斜面に茶畑と住宅が混在しています。
奥には山林が広がっています・。
 
 


駅舎内・改札口です。上写真は東を、下写真は南を望む。
 
駅員配置………あり(直営駅かつ管理駅。早朝・夜間は無人)。
窓口……………あり(改札窓口と出札窓口【JR全線きっぷうりば】)。
自動改札機……なし(有人改札です。入場時・出場時は駅員にきっぷを提示して下さい)。
ICカード………エリア外(ICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
幅広通路………改札ラッチを撤去しているため車椅子通行可能。点字ブロック設置。
自動券売機……なし(出札窓口でお求め下さい。指定席特急券も購入可能。
          但し無人時間帯は乗車後に車掌に申し出るか、
          ワンマン列車の場合は乗車時に整理券をお取り下さい)。
自動精算機……なし(乗車列車の車掌に申し出るか、
          ワンマン列車の場合は下車時に運賃をお支払い下さい)。
その他設備……待合室(駅舎に入って左側。空調なし)、飲料自動販売機(出入口に設置)。
その他設備……ホーム側出入口前に集札箱(無人時間帯に使用)。
トイレ…………あり(改札を通って左側。多機能トイレ無し)。 
売店……………なし。  
コンビニ………なし。
  
 

そして改札口を通って直進すると、構内踏切に差し掛かります。東を望む。
下り線を渡りますが、その手前の側線は踏切部分の線路が撤去されています。
踏切の先にはホームを切り欠く形で階段が設置され、登るとホームに到達します。
スロープが無いためバリアフリー非対応です。車いすの場合は事前にJR東海へお問い合わせ下さい。
 
 

ホームより駅舎を望む。西を向いて撮影。
階段を下って構内踏切を渡ると改札口です。
駅舎手前で右へ曲がるとトイレです。
 
 


上写真は吊下式駅名標(1番線)、下写真は建植式駅名標(2番線)です。いずれも非電照式です。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、飯田線において、豊川駅より北(辰野方)の各駅においては駅ナンバリングが導入されていません。
 
ちなみに、当駅は1934年に「佐久間駅」として開業し、翌1935年に「中部天竜駅(なかっぺてんりゅうえき)」へと改称されました。そして1943年の国有化と同時に現在の「中部天竜駅(ちゅうぶてんりゅうえき)」へと再改称され、現在に至ります。そのせいで、天竜川西側の中部地区(なかっぺちく。現・なかべちく)が中部(ちゅうぶ)地区と読み間違えられる事態が頻発していると思われます。
国鉄が普通の読みではない「なかっぺ」を嫌ったのでしょうね…。
 
 

こちらは縦型の駅名標です。
JR東海とJR北海道においては国鉄時代を彷彿とさせる書体の縦型駅名標が見られます。
 
 




駅構造……地平駅(概ね南北方向)。ホームはカーブを描いています。
配線………島式ホーム1面2線(交換可能駅)。側線も複数あります。
 
左(西)が1番線で下り飯田・辰野方面、右(東)が2番線で上り豊川・豊橋方面です。
当駅折り返し列車は一度本線や側線へ引き上げた後に所定の方面のホームヘ入線します。
1番線の左に側線2本、2番線の右に側線1本ありますが、すべて手前の豊橋方が行き止まりになっています。
  
ホーム有効長……1番線4両分、2番線5両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的にやや狭いですが、飯田線の駅としては広い方です。
上屋(屋根)………中ほどの約1両分に設置。 
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機、待合室(空調なし)。
        
1番線豊橋寄りの一部を切り欠く形で構内踏切の階段が設置されており、構内踏切の左には駅舎・改札口があります。
そのため、1番線は実質のホーム有効長が短くなっています。
 
2枚目は2番線より、その他は1番線より、全て辰野方を望む。
 
 


2枚とも2番線より豊橋方を望む。右が1番線、左が2番線です。
上屋の手前には全室型の待合室がありますが、空調はありません。
 
 

待合室内です。細長いです。
写真は辰野方を望む。
 


また、駅舎の南側(豊橋方)には貨物ホーム跡が残っていますが、線路は撤去されています。
写真は西を望む。
  
 



上写真と下写真は1番線より、中写真は2番線より、いずれも豊橋方を望む。
1番線豊橋寄りの右手に構内踏切と駅舎・改札口があります。
また、ホーム端には係員通路のスロープがありますが、これが駅員付き添いの上でのバリアフリールートとして使用されているかもしれません。
 
この先、左へカーブして右を流れる天竜川に寄り添いつつ断崖区間をトンネルの連続で走り、右へカーブして進路を南西に変えます。その後は天竜川が右へ離れますが、代わりに(?)支流の大千瀬川が並走するようになります。そして谷が少し広がると下川合駅へと至ります。
 
 

1番線より辰野方を望む。
ホーム端の先で上下本線(1番線・2番線)と左右の側線が全て単線に収束します。左前方には保線用側線と車庫もあり、その側線も本線に合流します。
また、佐久間ダム建設に伴う水窪経由の東回り新線に付け替えられましたが、旧線は大嵐駅まで天竜川沿いをそのまま北上していました。
この先、住宅地の中を右へカーブして、進路を北東に変えると天竜川を渡りますが、旧線は少し左側で天竜川を渡っていたと思われます。天竜川を渡る途中~渡り終えるまで左手に電源開発(J-POWER)の佐久間発電所を見ながら走り、やがて右へカーブしますが、旧線の佐久間駅は現在の佐久間発電所の敷地内にありました。そして左に住宅地を見ながら進路を東寄りに変えると、佐久間駅へと至ります。
 
 


最後に、1番線西側、駅舎の北側には部天竜機関区があり、線路側に事務所が、事務所の西側に留置線がありましたが、1985年に廃止され、その跡地に1991年、鉄道車両企業博物館「佐久間レールパーク」がオープンしましたが、2011年の「リニア・鉄道館」オープンに伴い保存車両の大半がそちらへ移設することになったため、2年前の2009年に閉館しました。
跡地は住宅や駐車場に転用され、空地も結構残っています。
上写真は1番線より西を望む。下写真は駅舎西側より北を望む。
 
 







在りし日の「佐久間レールパーク」の様子です。全て2009年撮影。

ちなみに下から2枚目の、東海色の東海形車両は営業用では存在しませんでした。
 
  
あとがき  
下車(乗車)時・・・2022年          
 
運転上の主要駅で、島式ホーム1面2線ですが複数の側線を有しています。西側に木造駅舎があり、有人駅(直営駅)として営業しています。駅前は住宅・商店とも多くありませんが、西側を流れる天竜川の対岸にある中部(なかべ)地区には大きな集落が形成されており、旧・佐久間町(現・天竜区佐久間地区)の事実上の中心部として機能しています。
  
鉄路のみで(ルートは一例です)  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       東海道新幹線~豊橋から飯田線(中部天竜以遠行き)へ乗継。

       特急『伊那路』も停車。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       東海道新幹線~豊橋から飯田線(中部天竜以遠行き)へ乗継。

       特急『伊那路』も停車。 
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし (1km圏内に店舗なし)    
飲食チェーン店・・・なし (1km圏内に店舗なし)  
 
東京、大阪とも到達難易度はさほど高くありません。飯田線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は中部天竜駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:JR東海のHP、さいきの駅舎訪問、地理院地図、Google地図、Wikipedia)