黒磯駅【栃木県】(東北本線【宇都宮線】。2008年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
栃木県北部、那須塩原市北東寄りの市街地に位置する東北本線(東京方の愛称:宇都宮線)の主要駅で、直流電化区間と交流電化区間の境界駅であるため、定期列車で直通する場合は必ず乗り換えが発生する駅である、
黒磯駅 (くろいそえき。Kuroiso Station) です。
 
尚、写真は2008年撮影で、古いです。現在は電力設備改良工事により駅構内が完全直流化されるなど変化が生じています。ご了承下さい。
  
 
駅名  
黒磯駅 (駅番号なし)  
 
所在地    
栃木県那須塩原市 (旧・黒磯市)   
 
乗車可能路線  
JR東日本:東北本線 (東京方面【愛称:宇都宮線】盛岡方面)    
 
隣の駅  
東京方……那須塩原駅  
盛岡方……高久駅   
 
訪問・撮影時  
2006年5月、2008年8月、2013年4月、2014年8月  
 
 

黒磯駅は地平駅で、西側を並行する東北新幹線の高架下に駅舎があります。出入口に段差はありません。
東側からは駅の南側(右)にある改札外跨線橋で連絡しています。跨線橋にエレベーターが併設されているかどうかは不明です。
2008年当時は中途半端な感じの駅前広場がありましたが、後にロータリーが整備されました。バス停留所とタクシー乗り場が併設されています。
写真は南東を望む。
 
 

駅前です。北西を望む。
駅前は旧・黒磯市の中心市街地が広がっていて商店も多いですが、空洞化により寂れてしまっています。商業の中心地は郊外の幹線道路沿いに移動しています。
約2km南西には那須塩原市役所があります。
 
一方、改札外跨線橋で結ばれた東口側は住宅地が広がっています。東口にもロータリーが設置されていて、路線バスも発着します。
 
 

分かりづらいですが、2008年当時の改札口です。黒磯駅は有人駅(直営駅)です。
交通系ICカード『Suica』などに対応の自動改札機が2通路あります(幅広通路なし)。窓口に面した右端には点字ブロック設置で車いす対応幅の有人通路があります。
尚、『Suica』は宇都宮・東京方面のみ利用可能で、郡山・仙台方面はエリア外です。仙台エリアとまたがっての利用もできません。ご注意下さい。
改札口の右手前には『みどりの窓口』、指定席券売機、ICカードチャージ対応自動券売機があります。改札内には自動精算機(ICチャージ可)と精算所窓口があります。
改札口の左側には待合室があります。かつては立食い蕎麦店がありました。左後方にはJR東日本系のミニコンビニ「ニューデイズ」があります。
そして改札口の先は1番線ホームです。1番線に出て右側にトイレと多機能トイレがあります。
1番線に出て左手には2・3番線と4・5番線に通じる跨線橋があります。階段のほかにエレベーターの設備もあり、バリアフリーに対応しています。
また、黒磯駅は那須御用邸の最寄駅であるため、駅舎内には皇室専用の出入口と待合室がありますが、現在は新幹線利用が主である事からほとんど使用されていません。
 
 

1番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトはLEDです。2013年撮影。
JR東日本の標準デザインで、1番線は東京方面専用ホームなので矢印の中央には宇都宮線のラインカラーであるオレンジ色が表示されています。
尚、黒磯駅に駅ナンバリングは導入されていません。
 
 

少々見づらいですが、こちらは4番線の吊下式駅名標です。
矢印の中央は仙台方面のラインカラーである緑色です。
 
 

こちらは1番線に設置されている建植式駅名標です。非電照式です。2008年撮影。
国鉄デザインを踏襲していますが、書体が新しいです。2005年の那須塩原市発足後に更新されました。
しかし、現在この駅名標が残っているかどうか…。
 
 

駅構造……地平駅。
配線………単式ホーム1面、島式ホーム2面、計3面5線(南西~北東方向。中線・側線あり)。
 
左端ホーム(西)が1番線、中央ホームの左から2番線、3番線の順で、いずれも宇都宮線上り宇都宮・東京方面列車が発着しますが(全て折り返し)、主に駅舎に面している1番線を使用します(その1番線が下り本線です)。
そして右端ホーム(東)が左から4番線、5番線の順で、いずれも下り郡山・盛岡方面列車が発着します(全て折り返し)。主に4番線を使用します(5番線は上り本線)。
4・5番線ホームは盛岡方(奥)にずれて配置されています。
ホーム幅は主要駅ゆえ全体的に広いです。
 
ホーム有効長……1番線、2・3番線が12両分(1番線は推測)、4・5番線が14両分。  
ホームドア………なし。
上屋(屋根)………1番線、2・3番線が東京寄り約6両分、4・5番線が東京方約7両分。 
ホーム上設備……空調完備の待合室(各番線)、ベンチ(各番線)、飲料自販機(1~3番線)、トイレ・多機能トイレ(1番線のみ)。
 
1番線の左側(西)を東北新幹線の高架橋が並走しています。那須地区の主要駅である黒磯駅や西那須野駅には駅が設置されず、結局、両駅の間にある東那須野駅(現・那須塩原駅)に併設される事になりました。駅名決定の際は揉めたそうですが、後に那須塩原の駅名が平成の大合併により市名にまで上り詰めました。
1番線の東京寄りに改札口があり、その盛岡方に各ホームを結ぶEV併設の跨線橋があります。
 
写真は1番線より盛岡方を望む。
 
 

1番線の東京方には貨物ホーム跡が残っています。
廃止後、側線跡やホーム跡の直上に東北新幹線の高架橋の橋脚が建設されました。
写真は盛岡方を望む。
 
 

こちらは4番線より東京方を望む。
以下は手抜きですが、ほぼWikipediaの本文を引用しています。
 
黒磯駅は交直接続の駅で、1959年~2017年の長きにわたり構内に地上切替方式の交直接続設備が設置されていました。3番線と一部の側線を除き、直流・交流の切替が可能でした。地上切替時代は、上野駅と東北を結ぶ夜行列車などの機関車けん引列車は原則的に当駅に停車し、直流・交流の機関車の交換作業を実施していました、双方の電源に対応できる交直両用車両・気動車使用列車も、設備が車両側で乗務員操作により交直切り替え操作を行う車上切替に対応しておらず、信号取り扱いが電源切り替えに連動していた関係上、一旦停車し、交直両用車両については停車後パンタグラフを降下、地上側での電源の切り替え後にパンタグラフを再上昇させ発車する形をとっていました。ただし、1968年(昭和43年)10月改正(ヨンサントオ)以降、1番線の東京方と5番線の青森方に無電区間(デッドセクション)を設け、自動列車選別装置を装備する車両は地上子との連携により、1番線(下り)・5番線(上り)を停車せず通過し、車上切り替えを行うことが可能となっていました。
 
しかし地上側の設備が複雑となること、2008年に作業員の感電死事故が発生したことから、JR東日本では「保守管理の課題解消を目的」として、当駅構内をすべて直流電化とすることを決定し、2013年に工事を開始し、2018年1月1日から3日にかけ、構内の直流化を完了しました。これに伴い、構内の盛岡方にデッドセクションが新設され、交直流電車・機関車は通過中に電源の切り替えを行う方式とした(車上切替方式に変更)。
 
このため、工事完了後の当駅への交流専用車両の乗り入れは不可能となりましたが、機関車交換が必要となる貨物列車は2012年にED75形交流電気機関車の定期運用が終了し、2016年3月26日以降は直流電気機関車の乗り入れも終了したことで、同駅を通過する貨物列車は交直両用のEH500形が直通で牽引する列車のみとなっていました。旅客列車についても、切替直前の2017年10月14日に実施したダイヤ改正で、当駅以北で運行されていた交流専用電車の運行を新白河駅まで(関東地方への交流専用車両の乗り入れは消滅)とし、当駅~新白河駅間で運行する車両をE531系交直流電車とキハ110系気動車(キハ110系は2020年3月14日ダイヤ改正で撤退)に置き換えています。尚、理論上は交直流電車・気動車の黒磯駅以南(宇都宮線区間)への乗り入れも可能であるが、2021年現在は回送列車の設定があるのみで、営業列車としての直通運転は行われていません。
 
現在は1~3番線にE131系が、4・5番線にE531系が発着します。
 
 

1番線より東京方を望む。2008年撮影。左前方の側線で直流機関車が休んでいますが、今は撤退しています。
この先、右側の東北新幹線の高架橋と完全並走状態で住宅地の中を南西へ走り、やがて農地が目立ってきます。その後は地平にある新幹線の車庫(那須電留基地の留置線)の脇を走り、あまり民家などの建物が増えないまま新幹線との乗換駅である那須塩原駅へと至ります。
 
 

1番線より盛岡方を望む。2008年撮影。右前方の側線で交流機関車と交直流機関車が休んでいますが、今は当駅での機関車付け替えはありません。
また、これより先は福島県との県境区間となるため、宇都宮方面と比較して列車本数が半減します。
この先、左側を通る東北新幹線の高架橋と完全並走状態で市街地を北東へ走り、茨城県の大洗と那珂湊の間で鹿島灘に注ぐ、深い谷を形成している那珂川を渡ると那須町に入ります。その後は右へカーブして東北新幹線と分かれ、起伏に富んだ農村風景や林の中を走ると高久駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が黒磯駅で駅の外に出たのは2008年の1度きりです。那須ロープウェイに乗車するため、路線バスに乗り継ぐべく下車しました。直流と交流、2つの電化方式の境界駅であり、2008年当時は駅構内で直流と交流の切り替えが可能な珍しい駅でした。駅舎は西側の新幹線高架下にあります。駅前は旧・黒磯市の中心市街地ですが、たの地方都市と同じく空洞化が進行していて活気に欠ける印象でした。
  
東京からですと東北新幹線『なすの』『やまびこ(各駅停車タイプ)』に乗車して那須塩原駅で下車、宇都宮線普通列車に乗り換えて当駅下車です。宇都宮駅で新幹線から在来線に乗り換えてもOKですし、全区間在来線でもOKです。余裕で日帰り訪問が可能です。
一方、大阪からですと新大阪駅から東海道新幹線で東京駅まで行き、以降は上記と同じルートで到達できます。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
(飛行機の利用は考慮していません)
  
食料・飲料について、コンビニは駅構内にミニ店舗があるのみです。スーパーは約300m南西に「ヨークベニマル」があります。一方、飲食店は店舗自体が少ないです。最寄りのチェーン店は約450m西、お好み焼き店の「道とん堀」になります。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
  
大阪からの到達難易度がやや高いですが、東北本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は黒磯駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:JR東日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)