中瀬古駅【三重県】(伊勢鉄道伊勢線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
三重県中北部の工業都市である鈴鹿市南端部の丘陵地帯に広がる住宅地に位置する伊勢鉄道伊勢線の駅で、複線区間と単線区間の境界駅、そして鈴鹿大学(旧・鈴鹿国際大学)への最寄駅である、
中瀬古駅 (なかせこえき。Nakaseko Station) です。
 
 
駅名  
中瀬古駅 (駅番号:8)  
 
所在地  
三重県鈴鹿市   
 
乗車可能路線  
伊勢鉄道:伊勢線  
 
隣の駅  
河原田方……徳田駅   
津方…………伊勢上野駅   
 
訪問・撮影時  
2021年10月  
 
 

 

中瀬古駅は立体交差が主体の伊勢線の中でも意外と珍しくない地平駅で、西側のみに駅舎・出入口があります。
東側に駅舎・出入口はなく、東側から駅へアクセスするには約400m北にある陸橋を渡って西側へ回る必要があります。
 
開業時は駅舎が存在しなかったようですが、鈴鹿国際大学(現・鈴鹿大学)が1994年に駅近くに設置された事に伴い、同年に新築されました。
駅舎は三角屋根が特徴的で、駅舎すらない駅ばかりの伊勢鉄道線において非常に優遇されています。但し、無人駅ですが…。この駅舎のおかげで中瀬古駅は「中部の駅百選」に伊勢鉄道単独駅として唯一選ばれています。
また、駅舎はホームと同じ高さに設置されており、駅外とは段差があります。段差は左右2ヶ所の階段と右側1ヶ所のスロープで解消しており、車いすも自力で駅舎や河原田方面上り線ホームへ到達可能です。但し、東側の津方面下り線ホームへの跨線橋には階段しかないため、バリアフリー非対応の駅となっています。車椅子で中瀬古駅をご利用の場合は伊勢鉄道へお問い合わせ下さい。
駅舎内右側には水洗トイレがあります(出入口は駅外側。多機能トイレはありません)。
そして、駅舎の左側には駅舎を通らずに直接上り線ホームへアクセス可能な階段があります。駅舎ができる前はこの階段が正式な出入口だったと思われます。階段出入口右側の駅舎沿いには飲料自動販売機が設置されています。
駅舎前には立派なロータリーを有する駅前広場があります。しかし、バス停留所やタクシー乗り場はありません。最寄りのバス停は駅前を南北に縦断する幹線道路沿いに設けられています(南行…駅の北側、北行…駅の南側)。
上写真は東を、下写真は北東を望む。
 
 

 

駅前です。上写真は駅前広場より、下写真は駅の跨線橋より、いずれも西を望む。
駅西側一帯には「太陽の街」と呼ばれる新興住宅地が広がっています。商店は少ないです。
約600m南西の丘陵上には鈴鹿大学と鈴鹿大学短期大学部のキャンパスがあります。
そして、鈴鹿大学の南側には鈴鹿市と津市の境界があり、南の津市側には「杜の街」や「千里ヶ丘」のニュータウンが広がっています。
「杜の街」の最寄駅は1駅南の伊勢上野駅となります。
また、遠方には経が峰(標高819m)などの山々がそびえています。
 
 

駅前です。上り線ホームより東を望む。
東側は未開発で、雑木林や田園が広がっていましたが、田園の部分には近年、太陽光発電のソーラーパネルが置かれています。
また、昔は西側の駅前から東側へ抜けられる地下道があったそうですが、今は埋められたそうです。
 
 

駅舎内の様子です。出入口より東を望む。
有人駅化を見越して建築され、改札口や出札窓口、駅事務室が存在するのですが、結局無人駅のままで、これらの設備は無用の長物になっています。
改札口にはラッチ(柵)があります。右端の通路は車いす対応幅です。左側ラッチのホーム側にはきっぷ回収箱があります。
自動券売機や乗車駅証明書発行機はありません。インターホンもありません。ICカードも利用できません。
中瀬古駅では車内収受方式が採用されているため、乗車時は車内の整理券を受け取り、降車時は運転士に運賃を支払います(またはきっぷを渡します)。伊勢鉄道線ではJRの『青空フリーパス』は利用できますが、『青春18きっぷ』は利用できません。
改札口の左手前には未使用の出札窓口があります。トイレは前述の通り駅舎外にあります(多機能トイレはありません)。
そして改札口を通ると河原田・四日市方面上り線ホームです。ホームに出て左へ進むと津方面下り線ホームへの跨線橋があります。
また、駅舎の左側には前述の駅外と上り線ホームを直接結ぶ階段があり、階段を登ってすぐ左に跨線橋があります。
尚、駅構内に売店・コンビニはありませんが、駅前にコンビニ「ファミリーマート」があります。
 
 

また、駅舎内の改札外右側(南側)は待合スペースとして利用されており、中央には八角形のベンチが置かれています。
右が出入口、左がホームです。駅舎中央部は屋根が高いです。
 
 

下り線ホームに設置されている建植式駅名標です。非電照式です。
国鉄タイプをベースとしたデザインで、書体が現代化されています。
左上には駅番号「8」が表示されています。
尚、中瀬古駅には「鈴鹿国際大学前」という副駅名があるそうですが、駅名標には反映されていません。現在は副駅名が存在しないかもしれません。
ちなみに鈴鹿国際大学は2015年に鈴鹿大学へと名称が変更されています。
 
 

 

中瀬古駅は相対式ホーム2面2線の地平構造ですが、地形の関係で東側から見ると一段高い位置にあります。南北方向にホームが延びています。
番線は設定されておらず、駅舎に面した右ホーム(西)に上り河原田方面・四日市方面列車が発着し、反対側の左ホーム(東)に下り津方面列車が発着します。複線区間にある駅のため、方向別で発着ホームが固定されています。
ホーム有効長は上り線ホームが4両分と長いものの、後から増設されたと思われる下り線ホームが2両分と短いです(線路有効長は4両分あります)。上り線ホーム中ほどの反対側に下り線ホームがあります。ホーム幅はどちらも狭いです。特急『南紀』や快速『みえ』が頻繁に通過しますので、すぐ南側に複線と単線の境界となる分岐器があるため速度がさほど高くないものの、注意が必要です。
上屋は上り線が駅舎に面した約0.5両分(一部線路際まで上家が伸びていない部分があります)、下り線が跨線橋前のわずかな部分にしか設置されていません。雨天時に乗降の際は傘が必要です。
各ホーム上屋下にはベンチがあります。
上り線ホーム河原田寄り(手前側)に駅舎があり、その手前に駅外とを結ぶ階段、さらに手前には両ホームを結ぶ階段のみの跨線橋があります。
上写真は上り線ホームより、下写真は跨線橋より、いずれも津方を望む。
 
 

こちらは上り線ホームより河原田方を望む。左が上り線ホーム、右が下り線ホームです。
下り線ホームの短さがお分かりかと思います。
左側には駅舎があります。
 
 

 

2枚とも上り線ホームより河原田方を望む。ホーム端近くに跨線橋があります。
また、これより先は複線区間で、起点駅である河原田駅まで続きます。
この先、丘陵地帯の中を北上します。掘割区間も存在します。そして丘陵地帯を抜けると盛土高架になり、右へカーブしながら中ノ川を渡って田園地帯の中を北北東へ走ると徳田駅へと至ります。
 
 

下り線ホームより津方を望む。
河原田駅から続いてきた複線区間は当駅で終了し、当駅以南は単線区間になります。そのため、下り列車は当駅のすぐ先にある片渡り線で上り線側に転線します。下り線の延長上は安全側線として少しだけレールが延びています。尚、当駅以南も複線分の路盤が確保されていますが、複線化が実現する可能性は低そうです。もし複線化したとしても名古屋方の関西本線に単線区間がまだまだ残っているため、効果が薄いと思われます。
この先、丘陵地の森の中に入り、津市へと変わります。その直後に掘割区間になり、伊勢線唯一のトンネル(複線分の広さ)で丘陵地をくぐります。トンネルの直上には千里ヶ丘ニュータウンの住宅街が広がっています。そしてトンネルを出ると盛土高架で田園風景の中を南へ走り、伊勢上野駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が中瀬古駅で下車(乗車)したのは2021年の1度きりです。伊勢鉄道線を乗り鉄時に下車しました。子供の頃に津市に住んでいたのですが、下車したのは2021年が初めてでした。2面2線の小駅でしたが、立派な駅舎があり、伊勢鉄道線においては主要駅に位置づけられているかもしれません。但し、無人駅でした。また、当駅を境に河原田方が複線区間、津方が単線区間になっていますが、当駅を始発・終着とする列車は設定されていません。駅前は「太陽の街」と呼ばれるニュータウンで、南端部の一角には鈴鹿大学があり、中瀬古駅を利用する学生も少しは存在すると思われます。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、関西本線の特急『南紀』、快速『みえ』、快速、区間快速、普通のいずれかに乗り換えて四日市駅下車(特急は別途特急料金が必要)。さらに伊勢鉄道線の普通・津行きに乗り継いで当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、以降は上記のルートで到達できますし、大阪難波駅、大阪上本町駅、鶴橋駅から近鉄名阪特急(甲乙不問)に乗り、津駅で伊勢鉄道線の普通列車に乗り換えても到達可能です。さらに関西本線経由で河原田駅まで行って伊勢鉄道線に乗り換えてもOKですし、関西本線~紀勢本線ルートで津駅まで行って伊勢鉄道線に乗り換えてもOKです。まぁ、大阪からですと近鉄経由が一番現実的でしょうか。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、意外にも(?)、駅前にコンビニがあります。しかし、駅前に気軽に入れる飲食店はありません。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京からの到達難易度がやや高いですが、伊勢鉄道伊勢線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は中瀬古駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)