第1487回('22) 中国山地をドライブ。芸備線超閑散区間の駅を訪問(1)   | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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2022年4月23日、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きつつあったため、久しぶりにドライブに出かけました。
行先は中国山地で、芸備線の中でも超閑散区間である東城~備後落合を中心に駅訪問をしました。
まぁ、実際はドライブより駅訪問の方が主目的で、芸備線閑散区間は列車本数が少なすぎるために効率的な降り鉄が不可能で、私も仕事の関係などで何度も現地に足を運べないため、東城~備後落合の全駅を一気に訪問することにして、時間に余裕があれば周辺の駅も訪問することにしました。また、ゴールデンウィークですと高速道路のETC割引がないため、この日を選びました。
私は3月に3回目のワクチンを接種済みでしたが、もちろんマスク・手洗い・アルコール消毒といった感染対策を徹底した上で、今回のドライブを決行しました。
 
今回は序盤の内容です。
早朝に自宅を出発し、高速道路(中国自動車道)で一気に広島県の庄原市東城へ。東城駅と内名駅を後回しにして、備後八幡駅から広島方面へ進む形で各駅を訪問していきました。
備後落合駅訪問後は木次線の油木駅にも立ち寄ってから備後庄原方面へも足を延ばし、途中の備後西城で昼食を済ませました。
  
今回の日程 2022年4月23日  (土)   【その1】  
 
自宅450(自動車・加古川BP→姫路BP→播但道→中国道→国道314号)735備後八幡748(広域農道→県道448号)802小奴可814(国道314号)820道後山840(国道314号)849備後落合913(国道314号)924油木938(国道314号→183号)954比婆山1011(国道183号)1016備後西城    
  
【その2へ続く】  
 
この日は4時に起床して、朝食と準備を済ませてから4時50分頃に自動車で自宅を出発しました。まだ暗かったですが、少しずつ明るくなってきました。
 
加古川バイパス→姫路バイパスのルートで西へ進み、姫路ジャンクション(JCT)から有料道路の播但連絡道路で北上。そして福崎インターチェンジ(IC)から中国自動車道に入り、山間部を西へと進みました。佐用から先は姫新線に並行します。中国道は大阪府~兵庫県東部こそ交通量が多いものの、山陽道や舞鶴若狭道が分かれてからは交通量が極端に減少します。元々中国道が関西~中国地方~九州のメインルートでしたが、姫新線や芸備線に沿って中国山地を走るルートで沿線人口が少なく、またカーブも多く冬季は降雪のリスクが高いため、南側の瀬戸内海沿い、山陽本線に並行した山陽自動車道が全通すると長距離の車がごっそり山陽道へと移動してしまいました。その結果、中国道の山陽自動車道との並行区間である神戸JCT~山口JCTは交通量が激減し、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)も売上が減少したため売店やガソリンスタンドの閉鎖が相次ぎました。JRで言えば有人駅の無人化に相当し、中国山地ではJRだけでなく高速道路も過疎に苦しんでいます。
 
交通量の少ない中国道は走りやすい面がある一方、カーブやアップダウンが多いため、今ひとつスピードが上がりません。また、長時間運転は危険なため、約1時間ごとに数分の休憩を入れました。最初に休憩したのは岡山県に入ってすぐの楢原PAで、最初からトイレのみ(売店なし)のPAです。少し南に姫新線の楢原駅があります。
 
 

 
楢原PAを出発後も引き続き姫新線に並行して西へ走ります。津山を過ぎて落合IC辺りで一旦姫新線と離れ、姫新線は山地を北の中国勝山方面へ迂回しますが中国道は南の北房方面へ迂回します。その北房ICを過ぎるとアップダウンやカーブがきつくなり、60km規制が敷かれていますが、実際はそれ以上で流れています。大佐SA(丹治部駅付近)から再び姫新線と並行するようになり、長い下り坂が終わると新見です。そして私は伯備線と芸備線の分岐駅である備中神代駅近くにある神郷PAで2回目の休憩をとりました。ここもトイレのみのPAです。かつては高速バスのバスストップが併設されていましたが廃止され、地上へ下りる階段が残っていたものの、閉鎖されて利用できませんでした。
 
 

 
神郷PAを出発後は芸備線と並走して里山風景の中を南西へ進みます。芸備線は利用客が激減しましたが、過疎化、少子高齢化とともにマイカーへの転移や中国道の存在がその要因として挙げられています。しかし中国道も片側2車線が確保されているにもかかわらず交通量が非常に少なく、中国山地区間の中国道も芸備線と同じく利用が非常に少ない状態です。そしてローカル風景の中を走り続けるといよいよ広島県へと入り、すぐに現われた東城ICで下車しました。
 
ここからは一般道を通って最初は東城駅ではなく備後八幡駅を目指します。東城の市街地を通ってから国道314号に入り、芸備線と並行して北西へ走りますが、国道も交通量が少ないです。そして途中で横道に逸れて、車のすれ違いが困難な細い道路を進むと、7時35分頃に備後八幡駅に着きました。当然ながら無人駅で、木造駅舎が残っていましたが、減築されて待合室部分のみが残っていました。JR西日本では古い駅舎を減築する動きが各所で見られますが、駅舎を残してくれるだけでも感謝しなくてはなりません。ホームは1面1線ですが、過去は2面2線でした。また、乗車人員は少なくとも2011年以降はゼロ行進を続けていて、JR北海道であれば廃止されるレベルです。それにしても、東城~備後落合で最も利用が少ない駅は内名駅かと思いましたが、内名駅でも2020年の1日平均乗車人員は1人いるため、現状は備後八幡駅が最下位タイです。駅前には民家がそこそこあり、簡易郵便局もあるのですが…。
 
 

 

 
備後八幡駅を後にして、次は2駅先の小奴可駅(おぬかえき)を目指します。1駅先の内名駅はアクセス道路が狭く、1車線区間が長すぎて運転するのがしんどいため、今回はパスで、午後に列車で訪問する事にしました。小奴可駅へは快適な2車線の広域農道を北上し、山間部を抜けると高原風景に変わりました。そして広域農道から県道448号線へと入り、少し西へ進むと小奴可駅に到着しました。こちらは木造駅舎がしっかりと残っていましたが、駅事務室部分はタクシー会社の事務所として使用されていて、窓口での近距離きっぷ販売も行っています。したがって小奴可駅は簡易委託駅です。しかしながら2020年の1日平均乗車人員は2人で、簡易委託駅を維持できているのが凄いです。ホームは1面1線で、やはり反対側にホーム跡がありました。
また、駅前には食料品を販売している商店が朝から開店していて、現場系の仕事の車がひっきりなしに出入りして、おそらく朝食や昼食を購入しているのでしょう。コンビニ代わりとして利用されています。駅前は比較的賑やかなのですが、鉄道は忘れ去されているようです…。まぁ1日3往復では全く使えないです。
 
 

 

 
小奴可駅からは次駅の道後山駅を目指し、国道314号を北西へ走ります。芸備線と並走する箇所が多かったです。今度も最後は横道にそれて、小奴可駅から数分で道後山駅に到着しました。高原にある駅で、古い駅舎が減築されずフルで残っていましたが、こちらは完全な無人駅です。 単式ホーム1面1線でしたが、当駅も反対側にホーム跡が残っています。また、かつては駅前にスキー場があったのですが、約10年前に廃止されて、リフトなどの設備が撤去されてしまいました。芸備線の超閑散区間は冬になると雪景色にもなります。
 
 

 

 
道後山駅の次は備後落合駅を目指します。引き続き国道314号線を西へ進み、ものの10分以内で備後落合駅に着きましたが(8:49着)、芸備線は大きく北へ迂回して、国道の倍以上の距離を費やしています。これは両駅の標高差が100m以上あり、直線距離が約3kmであるため、国道と並行する直線ルートにすると30‰の急勾配が連続してしまうことになるからです。電車だったら何とか大丈夫なレベルですが、蒸気機関車ですとスイッチバックやループ線が必要なレベルで、それならと迂回ルートに落ち着いたと思われます。
 
 

 
備後落合駅に到着すると結構な数の人がいました(それでも10人程度ですが)。8時16分に三次からの芸備線列車が到着しており、9時09分発の三次行きで折り返す人や9時20分発の木次線・木次行きに乗り換える人が駅構内を撮影していたり休憩したりしていました。ほぼ全員が「乗り鉄」の人といった感じで、うち数人は高齢のガイドの人の案内で駅舎内などを探検していました。
私も9年ぶりとなる備後落合駅で撮影をしました。駅の雰囲気は9年前とは変わりありませんでしたが、国鉄時代と比較すると規模が小さく、寂しくなっています。
 
 

 
9時を過ぎて木次線宍道方面からの列車が到着し、乗客数人の大半が09分発の三次行きに乗り換えて、一部は滞在していました。その一部の人と私が備後落合駅に到着した時点で駅構内にいた人の大半が木次線の20分発折り返し列車に乗り込んでいきました。両列車に乗らなかった人は私のように車で来た人たちです。本当は列車に乗って応援したいのですが、いかんせん列車の本数が少な過ぎます…。
 
 

 
09分発の三次行きを見送ってから私も備後落合駅を後にしました。次の目的地は一旦芸備線を外れて、木次線における広島県内唯一の中間駅かつ広島県最北端の駅である油木駅を目指します。木次線に沿って延びる国道314号を北上しました。山道でしたが、2車線道路で快適走行でした。そして10分少々で油木駅に着きました。油木駅は駅舎が撤去されており、島式ホームの駅舎側も使用停止になり線路もなくなっていました。ホームで撮影していると、9時20分に備後落合駅を発車した木次行き(キハ120形単行)がやって来ました。油木駅での乗降はゼロでした…。
 
 

 

 
油木駅の次は芸備線に戻り、再び西へと進みます。国道314号を備後落合駅前まで戻り、今度は国道183号を南下します。こちらも2車線道路です。芸備線では風光明媚な車窓風景を眺められる長い渓谷区間を通り抜けると狭い盆地に入り、比婆山駅に着きました。駅名からして謎の生物「ヒバゴン(実在しないと考えられている)」がいそうな深い山奥のイメージですが、実際は先ほど訪問した道後山駅より開けていて駅前には民家も数件あり、駅名のイメージとはほど遠い明るい駅でしたw 単式ホーム1面1線で、やはり反対側にはホーム跡がありました。立派な木造駅舎も残っていて、地元の方が駅構内を手入れしていて綺麗な状態でした。
 
 

 

 

 
比婆山駅を後にして、次は備後西城駅を目指します。やや開けた盆地風景の中を南下し、途中で左折して国道183号を逸れ、西城川を渡って集落を通る細い県道57号線を走ると5分ほどで備後西城駅に到着しました。旧・西城町の代表駅だけあり立派な駅舎を有していますが、大半がテナントになっていて、駅コンコースは建屋右側の一部だけでした。小さな駅前広場があり、駅前もそれらしい風景でした。また、備後西城駅は簡易委託駅ですが土曜日だからか窓口が閉鎖されていました。そのままホームに進んで私は撮影しましたが、2面2線で交換設備が生きていました。しかし芸備線の苦しい状況が続くと次回紹介する東城駅のように主要駅でも棒線化の可能性はあり得ますので、予断を許さない状況には変わりありません。
 
 

 

 
備後西城駅からはまだまだ西へ進みますが、ここらで腹ごしらえをします。西城の市街地を走り、駅南側の踏切を渡って国道183号に戻ります。そしてすぐ右側にある「セブンイレブン」に入り、パンを買って車中で食べました。田舎では自動車ですと容易にコンビニにありつけるのですが、本来は駅前にもあってほしいですね…。まぁ、鉄道利用客が少ないので駅前にコンビニを作ってもすぐパンクしてしまいますし、西城の場合は駅前に山地が迫っていて土地が狭く、その狭い土地に住宅が密集しているため、コンビニを作る余地自体がありませんが…。ちなみにこのセブンは備後西城駅の約700m南西にあります。尚、セブンの約200m東(駅の約500m南西)には「ファミリーマート」があり、小さな町の中にコンビニが2軒もあります。これは他の地域の例からの推測ですが、ファミマの近くにセブンが意図的に出店した可能性があるのではないでしょうか。他地区ではこうしてセブンが既存のコンビニの近くに出店する事により、既存のコンビニが撤退に追い込まれるケースを多々見かけました。まぁセブンに規模で劣るファミマやローソンがセブンのすぐ近くに喧嘩を売るような出店をする可能性は低いと思われますが…。田舎でも競争するなんて、コンビニ業界は凄いです…。ちなみに、ファミマを擁護するような記述をしてきましたが、ファミマとセブンが並んでいたらセブンへ入る私ですwww それ以前に田舎では気軽に入れる飲食店すらありませんが…。
 
この後もまだまだ芸備線の駅を訪問しました。
 
 
(つづく)
 
 
今回の新規踏破路線、新規探訪廃線跡はありません  
 
 
(参考:Wikipedia)