第1422回('21) 若桜鉄道を乗り鉄・降り鉄 | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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2021年4月3日、この日は自動車で鳥取県へ。目的は若桜鉄道でした。『1日フリー乗車券』(760円)を利用して、若桜鉄道若桜線の全駅を降り鉄しました。そして帰りの道中はドライブがてら因美線と智頭急行線の小駅を数駅訪ねました。
 
今回は前半の内容です。
相当早く自宅を出発して、国道29号線で戸倉峠を越えて若桜入りしました。
そして若桜鉄道の乗り鉄・降り鉄を始めましたが、本数が少ないため行きつ戻りつの駅訪問になり、場合によっては近隣の駅まで徒歩移動もしました。
 
今回の日程 2021年4月3日  (土)   【前半】
 
自宅415(自動車・加古川BP→姫路BP→播但道→中国道→国道29号)625安部635(自動車)650若桜704(若桜鉄道若桜線)726隼753(下り)809丹比833(上り)836徳丸852(徒歩)920八東940(若桜線上り)955八頭高校前1005(下り)1007因幡船岡1040(徒歩)1120郡家  
 
【後半へ続く】
 
この日は目覚まし時計で3時30分に起床し、朝食を済ませてから4時15分頃に自宅を出発しました。当然ながらまだ夜明け前で暗かったです。コンビニで買い出しをしてから加古川バイパスに乗り、いずれもガラガラだった姫路バイパス~播但連絡道路を経由して福崎インターチェンジから中国自動車道へと入り、5時頃に山崎ICへと差し掛かりました。実は、この先のルートは出発直前まで迷いました。若桜駅に駐車する事は決まっていたので、山崎ICで高速を降りて距離的には最短となる国道29号の戸倉峠を越えるか、迂回にはなるものの河原IC(郡家駅の近く)まで鳥取自動車道で行って若桜へ戻るルートを取るか、の二者択一でしたが、まだ早朝で交通量が少ない事から一般道である国道29号もスムーズに流れている事、距離が短いのでガソリンを節約できる事、鳥取自動車道は対面2車線で前に遅い車がいたら追い越しできる箇所が限られている事、そして何よりこの日は気温が高く、山越え区間である戸倉峠付近の路面が凍結していない(と思われる)事が決め手となり、戸倉峠越えルートを選択しました。尚、高速料金ですが、鳥取道経由を選択したとしても鳥取自動車道は無料区間なので、山崎~佐用の分がプラスされるだけで山崎下車時と大差ありません。
 
という事で、私は山崎ICで中国道を降りて、山間部の揖保川沿いを遡る国道29号をひたすら北上しました。予想通り交通量は少なく、一部工事区間があったもののスムーズに走れました。尚、昔は兵庫と鳥取を結ぶ大動脈だった国道29号ですが、鳥取自動車道の開通で交通量が激減しています。沿道にあったドライブインもほとんどなくなり、道の駅だけが賑わっている状態です。
 
 

 
まだ店舗が営業しておらずガラガラだった「道の駅みなみ波賀」でトイレ休憩をして、北上を続けますが、段々と山深くなってきました。ダム湖である音水湖畔を走る際は霧が心配でしたが、視界は良好で速度を落とさずに済みました。付近にはチェーン着脱場が点在していました。そして一番の難所である兵庫・鳥取県境の戸倉峠に差し掛かり、延長1,730m戸倉トンネルを抜けてあっさりと鳥取県に入りました。戸倉峠の標高は731mもありますが、兵庫県側は何十キロもかけてじわじわ高度を上げていくので、いつの間にか730mの高さになっている感じでした。一方、鳥取県側は一気に高度を上げていく感じで、坂道が連続してヘアピンカーブもあります。私は兵庫側から来たので一気の下り坂となり、エンジンブレーキを利用して慎重に下りました。私の車はノーマルタイヤなので、もし凍結していたら一巻の終わりだったでしょう…。
 
 

 
そして峠越え区間が終わると山あいのローカル風景が広がる緩い下り坂区間を進み、6時10分頃に若桜駅近くにある「道の駅若桜」に差し掛かりました。急げば若桜駅6時14分発の始発列車に乗れたかもしれませんが、4分だと余裕がないため始めに予定していた7時04分発の列車に乗る事にして、空いた1時間弱は、下車すると大幅に時間をロスしてしまう駅である安部駅を訪問する事にしました。そのまま国道29号を走り続け、ある地点で左側への横道にそれると6時25分頃に安部駅に到着しました。駐車場があったので車を停めて、駅の改札内外を撮影しました。安部駅は無人駅でしたが、駅舎内には映画「男はつらいよ」のロケで使用された旨の掲示があり、渥美清さんが写っている安部駅の写真が飾られていました。そしてホームを撮影していると若桜駅を6時14分に発車した郡家行き列車が入線しました。到着直前にやって来た女子高生1人が乗車していきました。本当はこの列車に乗って安部駅で下車したかったのですが、間に合わなかったので仕方ありません。また、本当は列車で郡家駅まで行って若桜鉄道を乗り鉄したかったのですが、最速でも郡家駅到着が8時29分で、しかも10時02分発の若桜行きまで1時間半も待たねばならず、ロスが大きすぎるため、パークアンドライド型の乗り鉄を選択した次第です。
 
 

 

 
安部駅を訪問後は来た道を戻り、6時50分頃に若桜駅前の駐車場に到着しました。駐車後は若桜駅へと直行し、桜吹雪が舞う中、駅舎と駅前を撮影してから改札口へ。『1日フリー乗車券』を購入して即入場し、既に入線していた7時04分発の郡家行き列車に乗車しました。車両はイベント用のWT3300形単行で、車内は転換クロスシートでした。車体にはスズキの大型バイク・隼のラッピングが施されていました。車内は1/3ほどの席が埋まる程度で、高校生が数人いたものの、用務客が多い印象でした。また、ワンマン運転ではなく車掌が乗務していました。
 
 

 

 
道中は車窓風景を眺めていました。次の丹比駅までは山間部を走りますが、丹比駅からは八東川の谷に広がるのどかな田園風景の中を走ります。また、駅ごとに乗客が少しずつ増えてきましたが、満席には程遠いレベルでした。そして私は終点まで乗り通さずに、途中の隼駅(はやぶさえき)で下車しました。下車したのは私だけで、乗車客はいませんでした。
 
 

 
隼駅はスズキのバイク・隼と表記が同じ事から、ライダーの聖地として以前より知名度が高いです。駅自体はバイクに染まった感じはありませんでしたが、駅舎内の駅事務室跡には鉄道グッズ、スズキ公認のハヤブサグッズを販売する売店「把委駆(バイク)」があります。
また、私の訪問時には車で撮影に来た撮り鉄の人が1名いただけで、バイクで来た人はいませんでしたが、昼に隼駅を通った際はライダーがいました。しかし、町おこしにはなっても列車で隼駅を訪れる人は少ない印象です。何か若桜鉄道がもっと潤うような策はないでしょうか…。
 
 

 
昼になると観光客が増えて撮影しづらくなる事を恐れて、隼駅は早目に訪問しました。次は来た道を戻り、丹比駅を目指します。乗車したのは7時53分発の上り若桜行きで、車両は先程と同じWT3300形(WT3301)でした。車内はガラガラで、朝方の乗客の流れが鳥取に向いている事が分かりました。私は着席して水分補給をしつつ車窓風景を眺めて道中を過ごし、4駅目の丹比駅(たんぴえき)で下車しました。丹比駅は現在、読みが「ぴ」で終わる国内唯一の駅ですが、以前は北海道にもあったかもしれません。駅は1面1線ですが、反対側に貨物ホーム跡らしき構造物がありました。駅舎は美容室が併設されていて、駅前は旧・八東町の中心部としてそれなりに整備されていました。
 
 

 

 
丹比駅では8時33分発の普通・鳥取行きに乗車しました。私の他に若い女性も乗車しました。WT3301で、車掌が乗務していました。車内は比較的空いていて、転換クロスシート窓側席に座りました。乗車後すぐに、丹比駅から乗車した客に対して車掌が検札に来ました。私は『1日フリー乗車券』を提示しました。道中はしばし車窓風景を眺めて過ごし、今度は次駅の徳丸駅で下車しました。徳丸駅は単式ホーム1面1線の駅で駅舎がなく、若桜線の駅では唯一、駅前に民家がありませんでした。また、駅南側にはJAの施設があり、ひっきりなしに農家の軽トラックが出入りしていました。 
 
 

 
次の列車まで時間があり、徳丸駅で待っていても時間の無駄なので、徒歩で隣駅の八東駅を目指します。距離は2kmほどで、下調べで概ね平坦かつ危険すぎる道路でない事を確認できたため、30分程度での徒歩移動が可能と判断しました。まずは駅から南下して例のJA施設の横を通り、八東川を渡りました。河川敷は桜並木になっていますが、既に葉桜になりかけていました。橋からは若桜線の橋梁も見えました。




その後は歩道が設置されている県道6号線を西へ歩きましたが、小畑川を渡って八東の市街地に入ると道路が狭くなって歩道がなくなりました。しかし交通量が少なかったので危なげなく市街地を通過して、予定通り徳丸駅から30分程度で八東駅に着きました(9:20頃着)。八東駅は木造駅舎を有しており、また構内の貨物側線跡には有蓋緩急車ワフ35597が静態保存されていました。そして八東駅は駅舎と反対側に新しい線路とホームがあり、調べると前年の2020年に交換設備を設置したとの事です。私の地元・兵庫県の北条鉄道でも2020年に法華口駅に交換設備を設置しましたが、輸送力が増強されるのはありがたい事です。
 
 

 

 
八東駅からは9時40分発の鳥取行きに乗車しました。私のほかに女性2人組も乗車しました。車両は緑色のWT3004「若桜」号でした。一発で水戸岡デザインと分かる外装・内装でした。乗客は10人程度でしたが、私は空いているボックスシート進行方向窓側席に座りました。乗客の年齢層は様々で、若い人もそれなりにいました。まぁ、若桜鉄道は鳥取直通列車が多いので、それも今まで存続できている一因かもしれません。道中は車窓風景を眺めましたが、途中の隼駅では観光客の姿がちらほら見られました。私はまだ乗り続け、今度は郡家駅の1駅手前にある八頭高校前駅で下車しました。乗降客は私だけでした。また、八頭高校前駅到着時点で乗客は17~18人程度まで増えていました。
 
 

 
八頭高校前駅は三セク転換後に設置された新駅で、駅開業当時は郡家駅からの片道運賃が60円と、当時は日本一安い運賃として話題になりました(現在は100円に値上げも、北大阪急行電鉄の1区運賃と並び日本一安い運賃になっています)。駅は掘割にホームがあるのみで、陸橋からホームへ階段が延びていました(ホーム裏にスロープ状の道路あり)。そして駅のすぐ西側に鳥取県立八頭高等学校があります。八頭高校は野球部が夏の甲子園にも出場した事があります。
 
 

 
八頭高校前駅の駅前散策はそこそこにして、すぐやって来た10時05分発の若桜行きに乗車しました。車両はWT3301でした。鳥取駅からの直通列車で、観光客が多くほぼ満席でした。なので、私は最後部での立席を選択し、道中は後方展望を楽しみました。そして私は八東川を渡ってすぐの因幡船岡駅で下車しました。因幡船岡駅は開業当時からの駅舎とホームが残る駅で、簡易委託駅になっています。駅舎のある南側が旧・船岡町の市街地で、反対の北側には田園風景が広がっていました。
 
 

 

 
ちょっと早いですが、時間の関係で私はホームのベンチで早朝に買ったパンを取り出し、昼食を済ませました。
昼食後は、ここで次の列車を待っていると1時間以上間隔が開いてしまうため、徒歩で郡家駅を目指す事にしました。10時40分頃に駅を出て西へ向かい、県道32号線に入るとひたすら北へ歩きました。
 
 

 
八東川の橋梁からは若桜線の橋梁が見えました。さらに向こう側には因美線の橋梁もあるのですが、ここからは見えませんでした。その後は丘へと登り、丘の頂上で八頭高校前駅を通り過ぎました。ここからは丘を下り、住宅地の中を通りますが、やがて沿道に商店が増えてきて、市街地に入りました。そして11時20分頃に目的地の郡家駅に到着しました。40分かかりましたが、八頭高校前駅から郡家駅まで15分ほどでした。徒歩で行けない距離ではなく、私の歩行時も両駅間を歩く高校生が見られましたが、雨の日などは若桜線が重宝されそうですね。
 
 

 
郡家駅は古い木造駅舎だったはずが、いつの間にか大きくて綺麗な駅舎へと生まれ変わっており、驚きました。駅舎には八頭町のコミュニティ施設が併設されており、観光案内所やコンビニがありました。駅自体も有人駅で、特急も停車するため『みどりの窓口』もありました。これにて若桜線の全駅を制覇しました。
 
駅舎を観察後、私は『1日フリー乗車券』を提示して入場し、ホームを観察しつつ若桜線の次の列車を待ちました。
 
 
(つづく)
 
 
今回の新規踏破路線、新規探訪廃線跡はありません
 
 
(参考:Wikipedia)