室蘭駅【北海道】(室蘭本線支線。2016年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
北海道南部、胆振総合振興局の振興局所在地である工業都市・室蘭市の旧市街に位置する室蘭本線支線の終着駅で、かつては貨物輸送が盛んで広大な構内を有していた
室蘭駅 (むろらんえき。Muroran Station) です。
 
 
駅名
室蘭駅 (M 36)
 
所在地
北海道室蘭市  
 
乗車可能路線
JR北海道:室蘭本線 (支線)  
 
隣の駅
東室蘭方……母恋駅 
 
訪問・撮影時
2016年4月、2005年5月(旧駅舎のみ)  
 
 

室蘭駅は地平駅で、終端部には1997年のホーム移転時に完成した立派な駅舎を有しています。
正面に出入口があります。駅外と駅舎の間に段差はありません。
駅舎裏手にホームがあります。
かつては旅客ホームが右側(南)にあり、左側(北)には貨物ヤードが広がっていました。1985年までは左後方(北西)約1.4km先の西室蘭駅(貨物駅)まで室蘭本線貨物支線が延びていましたが、現在は廃線跡の他用途への転用が進んでおり、面影はほとんど残っていません。
また、駅舎西側にはロータリーを有する駅前広場が整備されていて、タクシー乗り場が設けられています。バス停留所はロータリー内にはなく、ロータリー外の港大通(道道699号線)沿いに設けられています。
写真は東を望む。
 
 

駅前の様子です。西を望む。
後方に駅舎があります。ロータリー内にはモニュメントがあります。
駅前は室蘭市の旧市街地で、ビルが多くて一見賑わっているように見えますが、商店も人通りも少なく、約270m西を南北方向に通る室蘭中央通沿いに形成されている商店街はシャッター通りと化しています。室蘭市は港湾都市、「鉄のまち」として発展してきましたが、近年は重化学工業の斜陽化などにより人口が激減し、また実質的な中心市街地も東室蘭駅周辺へとシフトしたため、旧市街の衰退が著しいです。
また、約250m北西の貨物ヤード跡地には胆振総合振興局(旧・胆振支庁)があります。
そして絵鞆半島の先端部と対岸の陣屋町を結ぶ観光名所・白鳥大橋は約4km先で、徒歩ではしんどいです。橋のたもとには室蘭市立室蘭水族館や「道の駅 みたら室蘭」(室蘭市白鳥大橋記念館)があります。
正面奥に見える山は測量山(標高199m)で、山頂にテレビとFMラジオの送信所が置かれています。
 
 

写真は室蘭駅の北西約600mには、旧室蘭駅舎(3代目駅舎)が保存されています。
中には観光案内所があり、鉄道関係の備品が展示されています(入館可能日、可能時間は事前にご確認下さい)。
以前はこの旧駅舎の裏手を、室蘭駅と西室蘭駅を結ぶ室蘭本線貨物支線が延びていました。
 
 

改札口の様子です。東を望む。後方に出入口がありますが、その手前は待合所になっています。
室蘭駅は有人駅(業務委託駅)で、早朝と夜間は無人になります。有人時間帯は列車別改札(発車10分前に改札開始)を採用しています。
自動改札機は未設置で、交通系ICカード『Kitaca』はエリア外です。改札口は車いす対応幅になっています。
改札口の右側には窓口(兼精算所)があり、その右手前には『みどりの窓口(営業時間7:20~17:30)』があります。
また、改札口の左手前には自動券売機が1台あります(指定席特急券は購入不可)。
トイレ・多機能トイレは改札外の右側に設置されています。
そして改札を通ると屋根付きのスロープがあり、登り切った先にホームがあります。駅舎保温のため、改札口とスロープの間には扉があります。
尚、かつては右側に売店があり、駅弁「母恋めし」を販売していましたが、惜しまれつつ2020年9月30日に閉店となりました。
 
 

1番線側の吊下式駅名標です。電照式で、バックライトはLEDと思われます。
2005年訪問時は新デザインでしたが、写真の2016年訪問時は旧デザインに戻されていました。
駅ナンバリングも併記されています (M 36)。
 
 

現在の室蘭駅は頭端式ホーム1面2線の地平構造で、概ね東西方向にホームが延びています。かつての旅客ホームはより南側(右)にあり、現ホームや駅舎の位置には貨物側線が広がっていました。
右(南)が1番線、左(北)が2番線で、ともに東室蘭方面です。電車・気動車などの区分による発着番線固定はされていません。
ホーム有効長は8両分で、ホーム幅はやや狭いですが乗降人員の少なさを考慮すると十分な広さでしょう。
上屋は終端方(手前側)の4両分に設置されています。特急『すずらん』の785系、789系電車を使用する5両編成の普通列車は最後部5号車が雨ざらしになりますので雨天時に下車される際は室蘭駅到着前に前4両へお移り下さい。
室蘭駅は列車別改札を採用しているため、ホーム上にベンチ、飲料自動販売機は設置されていません。
そして後方には改札口とを結ぶスロープが延びています。
写真は東室蘭方を望む。
 
 

東室蘭方(東)を望む。
かつてはホームの場所はもとより、左右のマンションの場所も室蘭駅構内でした。
また、室蘭本線支線は東室蘭駅まで全線複線です。現在は単線でも十分な列車本数ですが、この複線は貨物列車が頻繁に運転されていた名残でもあります。
この先、国道36号をアンダーパスしてすぐに短いトンネルへと入り、山越えをします。そしてトンネルを抜けると左手に日本製鋼所室蘭製作所の工場が見えてきて、右側を走る国道36号(室蘭新道)が室蘭本線をオーバーパスして左側に回ると母恋駅へと至ります。
 
 

1番線より終端方(西)を望む。
ホーム終端部には駅舎・改札口に向かって屋根付きのスロープが延びています(ホーム側、改札口前とも扉があります)。
スロープの左右外側には線路(過走余裕距離)が延びていますが、約30m先の駅舎前に1番線、2番線とも車止めがあります。
車止めの先には駅舎があり、中央部には改札口があります。
尚、国鉄時代は右前方まで構内が広がっていて、側線が収束した後も約1.4km北西の西室蘭駅まで貨物支線が延びていました(1985年廃止)。
 
 
あとがき
私が室蘭駅で下車(乗車)したのは2005年、2016年の計2度です。2005年は室蘭本線支線の乗りつぶしのため、そして2016年は室蘭本線支線の車窓風景撮影のため、いずれも終着駅ゆえに必然的に駅の外に出ました。2005年訪問時は駅が既にスリム化した後で、新しい駅舎になっていました。駅前は市街地ですが、各所から指摘されているように寂れっぷりが凄く、人通りもほとんどありませんでした…。
 
東京からですと東北新幹線・北海道新幹線で終点の新函館北斗駅まで行き、函館本線・室蘭本線の特急『北斗』に乗り継いで東室蘭駅で下車します。そして室蘭行きの普通列車に乗り換えて終点下車です(東室蘭~室蘭の列車は特急形車両使用の列車を含めて全て普通列車です)。相当タイトな日程になりますが、何とか日帰り訪問は可能です(最大滞在時間1時間40分程度)。
一方、大阪からですと新大阪駅から東京まで東海道新幹線を利用して、東京駅から先は上記と同じルートで到達できます。但し日帰りでは無理です(最速で16時台室蘭着)。最低1泊は必要です。
(飛行機の利用は考慮していません→飛行機利用ですと大阪からでも日帰り訪問可能)
 
食料・飲料について、駅の売店は閉店してしまい、また駅前にコンビニ・気軽に入れる商店はありません。最寄りのコンビニは南約300mの「セブンイレブン」で、最寄りのスーパーは約200m南の「コープさっぽろ」になります。一方、市街地ゆえに飲食店は点在しているものの、気軽に入れる店舗はないかもしれません。事前に用意しておいた方が無難でしょう。
  
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、室蘭本線支線を乗り鉄の際は、室蘭駅ですぐ引き返さずに一度は駅を観察されてみて下さい!
 
(参考:JR北海道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)