今回の【駅】コーナーは、
愛知県名古屋市東区北部の、北区との境界部分に広がる市街地に位置する名鉄瀬戸線の駅で、徳川園や徳川美術館への最寄駅、そして以前は大曽根地区の中心部への最寄駅で準急も停車していた時代があったものの大曽根の中心が現・大曽根駅前に移ったため普通のみ停車駅へと格下げされてしまった駅である、
森下駅 (もりしたえき。MORISHITA Station) です。
尚、東京都江東区にも同名の森下駅(都営新宿線・都営大江戸線)があります⇒記事はこちら。
そして福岡県北九州市にも森下駅(筑豊電気鉄道線)があります。
駅名
森下駅 (ST 05)
所在地
愛知県名古屋市東区
乗車可能路線
名古屋鉄道：瀬戸線
隣の駅
栄町方…………尼ケ坂駅
尾張瀬戸方……大曽根駅
訪問・撮影時
2019年8月
森下駅は高架駅で、1990年に高架化されました。
駅舎機能は高架下2階にあり、ホームは3階にあります。高架下1階は名鉄協商の月極駐車場として利用されています。
駅外と2階の駅舎・改札口の間には階段とスロープがあるものの、改札階とホーム階の間には階段しか設置されておらず、森下駅はバリアフリーに対応していません。
車いすで当駅をご利用になる場合は前日までに名鉄に連絡するか、約1km北東にある大曽根駅へ回る必要があります。
写真は北口です。南西を望む。瀬戸線の側道から出入りする形になります。南口側へは階段横にある通路により容易に通り抜け可能です。
尚、森下駅に駅前広場は整備されておらず、写真右の北口西側に歩道を拡張したスペースがあるのみですが、この場所には公衆トイレ(多機能トイレなし)とベンチがあります。
右前方(西)では国道19号線が瀬戸線をアンダーパスしています。
駅前(北側)の様子です。北北東を望む。右後方に森下駅北口があります。
手前(南南西)～奥(北北東)の道路は国道19号で、後方で瀬戸線をアンダーパスしています。
撮影地点の交差点を境に手前側(南)が東区で、森下駅も東口に所在します。交差点より先は北区になります。
また、国道19号には以前、名古屋市電が通っており名鉄瀬戸線と平面交差していました。市電にも電停があり、往時の森下駅は市電との乗換客で賑わっていたようです。
駅北側はかつての大曽根地区の中心部で、歓楽街が広がり映画館もあったそうですが、地下鉄名城線の開業や市電の廃止などもあり大曽根の中心部は次第に大曽根駅のある東側へ移っていき、こちらの西側地区は衰退してしまいました。その結果、森下駅の利用客も減少して、かつては準急停車駅だったものの現在は普通のみの停車駅に甘んじています。
現在も森下駅北側は市街地で、銀行が複数立地していますが、商店は少なくマンションが多い印象です。一戸建て住宅も見られます。
こちらは南口です。北西を望む。
右側に北口と共用の階段がありますが、南口は左側に国道19号(写真左奥)を跨ぐ歩道橋直結の出入口があり、駅外とはスロープで結ばれています。スロープの傾斜は緩く、車いすでも通行可能ですが、同時に自転車も通行可能になっていますので、通行の際は自転車にご注意下さい。
階段の出入口前には飲料自動販売機と公衆電話が設置されています。
尚、南口も駅前広場はなく、階段出入口前の飲料自動販売機前にやや広いスペースがあるのみです。
駅前(南側)の様子です。南を望む。後方に森下駅南口(階段の出入口)があります。
こちらは駅前まで一戸建て住宅主体の住宅街が広がっています。商店は少ないです。但し、約80m東を南北方向に延びる幹線道路沿いには商店が点在しています。
また、森下駅や駅南側の地名は「徳川」で、町内に尾張徳川家の屋敷があった事によります。尾張徳川家の屋敷跡には日本庭園の「徳川園」があり、園内には徳川美術館や名古屋市蓬左文庫(なごやしほうさぶんこ)があります。森下駅から徳川園へは南東へ約600mで、森下駅は徳川園への最寄駅ですが、残念ながら徳川園のホームページでは森下駅利用のアクセス経路は示されていません…。名古屋市街では瀬戸線の存在感が薄いようですね……
高架下2階にある改札口の様子です。西を望む。森下駅の改札口はこの1ヶ所のみです。
後方右手に北口(階段)、後方左手に南口(階段)があり、左手に南口の国道19号歩道橋直結出入口(スロープ)があります。
駅集中管理システムが導入されており、無人駅になっています。窓口すらありません。改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『manaca』などに対応の自動改札機が2通路あり、右はICカード専用、左は幅広通路です。
改札口の左手前には『manaca』のチャージができない自動券売機が1台あります。この自動券売機では瀬戸線内のきっぷしか購入できません。本線系統のきっぷやミューチケットなどは本線系統の駅でお求め下さい。
改札内には飲料自動販売機、ICカードチャージ機、磁気券用の自動精算機があります。
入場時、ICカードの残額が不足している場合はICカードを改札機にタッチして入場し(残額0円でもタッチの上で入場可能)、改札内または下車駅のチャージ機でチャージする必要があります。
そして3階にある各ホームとの間には階段が設置されていますがエレベーターはなく、バリアフリー非対応です。
駅構内にトイレは存在せず、北口駅前に公衆トイレがあります(多機能トイレはありません)。
尚、森下駅構内に売店・コンビニはありません。駅近く(北口の東側、南口の東側)にコンビニがあります。
尾張瀬戸方面下り1番線ホーム側壁に設置されている駅名標です。電照式ではありません。
名鉄標準のデザインで、駅ナンバリングも表示されています (ST 05)。
駅ナンバリングの「ST」ですが、瀬戸線の「瀬」の「S」と「戸」の「T」の合成です。
森下駅は相対式ホーム2面2線の高架構造で、東西方向にホームが延びています。
右(北)が1番線で下り尾張瀬戸方面、左(南)が2番線で上り栄町方面です。
ホーム有効長は4両分で、もし6両分に延長するには結構大掛かりな工事が必要になります。ホームドアは未設置で、ホーム幅につきましては上屋部分こそ一定の広さが確保されているものの、両端は狭いです。上屋は中央の2両分に設置されており、両端各1両分は雨ざらしになります。雨天時に当駅で降車される場合は中間車両にご乗車になって下さい。
各ホーム上にはベンチが設置されており、2番線には待合室(冷暖房は？)も設置されています。
写真は2番線より栄町方を望む。
1番線より栄町方を望む。すぐ先で国道19号をオーバーパスします。
この先、住宅街の中を西へ走り、左側の住宅街が台地状になると左へカーブして尼ケ坂駅へと至ります。この間、東区→北区→東区→北区と目まぐるしく行政区が入れ替わりますが、尼ケ坂駅は北区に所在します。
2番線より尾張瀬戸方を望む。すぐ先に上り線から下り線への片渡り線があり、非常時は尾張瀬戸方面からの列車が当駅2番線で折り返す事が可能となっています。
この先、住宅街の中を東へ走り、しばらくすると大きく左へカーブして、右手にJR中央本線の大曽根駅が見えてくると程なくして大曽根駅へと至ります。中央本線のほか、名古屋市営地下鉄名城線、名古屋ガイドウェイバス・ガイドウェイバス志段味線【愛称：ゆとりーとライン】と乗換可能です。
あとがき
私が森下駅で下車(乗車)したのは2019年の1度きりです。名鉄全駅訪問計画の一環で下車しました(2019年8月に全駅制覇済)。市街地にある高架駅ですが無人駅で、大曽根駅に近い事もあり利用客は少なかったです。冒頭に記したようにかつての大曽根地区の中心部に近く、大曽根駅方面へ向かって商店街が延びています。徳川園・徳川美術館へは駅から南東へ約750mです。
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、中央本線の快速または普通に乗り換えて大曽根駅へ(名古屋市内行きの乗車券で大曽根駅まで行けます)。そして名鉄瀬戸線上りの栄町行き普通電車に乗車して当駅下車です。あるいは名古屋駅から名古屋市営地下鉄東山線で栄駅まで行き、隣接する栄町駅から名鉄瀬戸線の普通電車に乗車して当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からは東海道新幹線で名古屋駅、または近鉄で近鉄名古屋駅まで行き、名古屋駅からは上記のルートで到達できます。こちらもじゅうぶん日帰り訪問可能です。
食料・飲料について、駅近くに複数のコンビニがありますが、気軽に入れる飲食店は少なく、最寄りのチェーン店は約400m北東の「マクドナルド」になります。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
東京、大阪とも到達難易度はやや高いですが、名鉄瀬戸線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は森下駅でも途中下車されてみて下さい！
(参考：徳川園のHP、Google地図、Wikipedia)