北陸鉄道小松線の廃線跡(石川県小松市。2014年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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(鵜川遊泉寺駅跡にある案内板の写真を引用)  

  

今回は、石川県南部の小松市内を東西に走り、小松駅と鵜川遊泉寺駅との間を結んでいたものの
1986年に廃止された北陸鉄道小松線の廃線跡について簡単に紹介します。

  

北陸鉄道小松線は、前身の白山電気鉄道により1929年に全線が一挙に開業しました。尚、鵜川遊泉寺駅近くには銅山があり、遊泉寺銅山専用鉄道が1907年に小松~遊泉寺~鉱山口で開業しましたが、鉱山閉山に伴い1918年に廃線となっています。小松線がこの専用鉄道の廃線跡を活用したかどうかは定かではありません。
1929年の開業後は、1937年に白山電気鉄道から小松電気鉄道へと社名が変更され、終戦前の1945年7月には戦時統合により北陸鉄道の路線となりました。戦後は利用客が減少の一途をたどり、1986年に惜しまれつつ廃止となりました。

  

廃線跡は大半が一般道路に整備されましたが、遺構が残る放置区間もわずかながら存在します。

  

今回は小松~鵜川遊泉寺の順に廃線跡探訪レポートを超簡単に紹介致します。

  

尚、今回の区間は徒歩でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げますm(_)m

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  備考  
北陸鉄道:小松線  小松~鵜川遊泉寺  5.9km   1986年6月1日廃止  
(※)全線単線、直流600V電化。軌間1,067mm。      

  
  

探訪・撮影時   2014年7月  

  

  

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(1)小松駅にて。再開発により小松線の駅跡は駅前広場になり、痕跡すらなくなっています。
小松線はほぼ一直線に東(画面奥)へ延びていました。

  
  

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(2)駅前広場が途切れると廃線跡は「ひととものづくり科学館」と「こまつの杜」の間を通る歩道になっています。
その向こう側からの廃線跡は実質2車線の車道に転用されています。

  
  

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(3)国道305号線を渡ってしばらくすると市街地は途切れ、田園地帯へと入りますが、この付近に沖駅跡がありました。
しかし遺構は存在していません。

  
  

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(4)沖駅跡を過ぎても廃線跡は実質2車線の状態で東へ進みますが、
小松工業高校の辺りで左手から4車線の国道360号線が接近し、やがて廃線跡は国道に完全に取り込まれてしまいます。

   
   

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(5)国道360号線となった廃線跡の歩道を少し歩くと打越駅跡に着きました。
国道の幅員が広すぎるので遺構は消えてしまっています。

  
  

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(6)打越駅跡からわずか約400m先にあった若杉駅跡に着きました。痕跡はないです。
この付近には現在、郊外型のロードサイド店舗が多いです。

  
  

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(7)若杉駅跡を過ぎると田園風景の中を東へ進みます。右側(南側)には集落が見えます。廃線跡は相変わらず国道に転用されています。
そして国道8号線の高架橋が見えてくると加賀八幡駅跡に着きました。線内の中間駅唯一の交換設備を持つ駅で、保線施設もありました。
駅舎と保線区の建物があった場所はバス停留所に使用できるように道幅が広くなっていますが、
路線バスは南側の集落を通るためにここに路線バスの停留所はありません。

  
  

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(8)国道8号線を過ぎるとほどなくして佐々木駅跡に着きます。
駅跡南側に小松市立高校と小松商業高校があり、現役時は通学利用が多かったそうです。

  
  

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(9)なおも国道転用区間が続きますが、軽海西交差点を過ぎると国道は右へカーブして直進する廃線跡から分かれます。
廃線跡はファミリーマートの裏手を通った後、2車線道路に転用されています。

  
  

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(10)そして、すぐに軽海駅跡に着きます。遺構はありません。
軽海駅跡のすぐ先で道路転用区間が途切れます。

  
  

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(11)道路転用区間が途切れると草に覆われた築堤が姿を現します。
そして廃線跡は左へカーブしながら高度を上げ、梯川を渡って終点の鵜川遊泉寺駅を目指していました。
将来的には2車線道路に転用されそうな気もしますが…。

  
  

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(12)築堤区間は草だらけで歩けないので北側を迂回します。
すると、水路を渡るガーター橋が残存しているのが見えました。

  
  

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(13)築堤の高度が上がると道路をオーバーパスしていましたが、こちらは橋梁が撤去されていました。

  
  

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(14)そして廃線跡は梯川を渡りました(川が分かりにくいですが…)。
梯川の対岸には鵜川遊泉寺駅跡が見えますが、橋梁跡の遺構は橋台・橋脚を含めて撤去されています。

  
  

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(15)再び迂回して梯川を渡り、鵜川遊泉寺駅跡に着きました。
駅跡は写真中央辺りにありました。痕跡はありませんが、駅跡があった事を示す案内板が設置されています。
尚、駅跡から先には能美線の加賀佐野駅跡を目指して路線延伸工事が実施されていましたが中止となり未成線になりました。
駅から先に築堤が延びていますが、これは未成線の遺構です。

  
  

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(15)鵜川遊泉寺駅跡より小松方を望む。
やはり梯川の橋梁跡には遺構が残存していませんでした。

  
  

(おしまい)  

  

  

廃線跡探訪の注意点  

私が北陸鉄道小松線の廃線跡を探訪したのは2014年の1度きりですが、2016年5月に付近を車で通ったので少しだけ廃線跡を見ています。遺構は少ないながらも築堤や橋梁が残っていました。また、大半の区間が道路に転用されていて、概ね廃線跡を忠実に辿る事ができました。

  

小松~鵜川遊泉寺の距離は約6kmでやや長いです。自転車ですと楽ですが、徒歩ですと最低でも片道2時間ほど必要で、往復ですと4時間です。但し、小松線の代替バスとも言える小松バスの路線「ハニベ線」が運行されていて、片道はバスを利用できますし、途中リタイアも可能です。尚、バスの本数は少ないので、事前にホームページなどでご確認を。

  

食料・飲料について、コンビニは小松駅付近と佐々木~軽海に数軒ありますが場所が偏っています。スーパーも打越~若杉にバローがあるのみで、飲食店もありません。事前に用意しておいた方が良いでしょう。

  

石川県加賀地方南部へご旅行の際は、ぜひ北陸鉄道小松線の廃線跡も歩いてみて下さい。

  

  
接続路線  

接続駅   接続路線  
小松駅   JR西日本:北陸本線  
  
(参考:地理院地図、Googleマップ、Wikipedia)