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流体力学演習問題
例題1.
半径r₁=40mmの表面が滑らかな鋼製のロットが半径隙間ε=500μmで粘度μ=300mPa・sの油で満たされた長さl=20cmの穴に挿入されている。今このロットを一定速V=0.6m/sで移動させる時に必要な力Fを求めよ。
解答
γ':ずり速度=V/ε=600/0.5=1200s^-1
F:抵抗力=2πr₁lτ=2πr₁l(μγ')=2π・40・10^-3・20・10^-2・300・10^-3・1.2・10^3=18.1N
例題2.
20℃の水の中に内径7mmのガラス管を垂直に立てた。ガラス管内の水面よりどの位上昇するか求めよ。接触角θ=9°として計算せよ。
解答
ρg((π/4)d^2)h=πdσcosθ h=4σcosθ/(ρgd)より
σ:表面張力=72.75mN/m
ρ:密度=10^3kg/m^3
g:重力加速度=9.8m/s^2
d:内径=7mm
θ:接触角=9°
上式に代入すると、h=4・72.75・10^-3・cos9°/(10^3・9.8・7・10^-3)
=4.18・10^-3m=4.18mm
例題3.
遠心圧縮機の羽根車出口で、圧力0.5MPa,気温450K、流速400m/sの空気流をただちにディフューザ出口での静圧及び全圧を求め、損失がないものと比較せよ。
i₁=CpT₁=1007・450=453000J/kg
損失がない場合
i₃'=400^2/2+i₁=533000J/kg T₃'=529.3K
i₂'+150^2/2=i₃' i₂'=521750J/kg T₂'=518.1K
P₃'/P₁=(T₃'/T₁)^(κ/(κ-1))=1.765 P₃'=0.882MPa
P₂'/P₁=(T₂'/T₁)^(κ/(κ-1))=1.638 P₂'=0.819MPa
損失がある場合
i₂s+150^2/2+0.2・400^2/2=i₃ i₂s=505750J/kg T₃=502.2K
i₂+150^2/2=i₃ i₂'=521750J/kg T₂=518.1K
P₂s/P₁=(T₂s/T₁)^3.5)=1.468 P₃=0.734MPa
P₂/P₁=(T₃/T₂)^3.5)=(T₃'/T₂')^3.5=1.078 P₂=0.791MPa
例題4.
温度100℃、1気圧に於ける炭酸ガスCO₂の密度を一般気体定数を使って求めよ。
解答
CO₂分子量は44
R=8312/44=189J/kg・k
ρ=p/RT=1.44kg/m^3
例題5.
池の中の水はその中に含まれる泥の為、池の底に近づくに従い密度が増加しており、水面下h[m]の点では、それはρ=ρ₀+0.04h^3[kg/m^3]で表される。ρ₀=1000kg/m^3の時、深さ10mの池の底の水圧はいかほどか。
解答
dp/dh=ρg=(ρ₀+0.04h^3)g
∫₀P・dp=∫₀h・(ρ₀+0.04h^3)gdh
p=(ρ₀h+0.04/4・h^4)g=(1000+0.04・10^3/4)10・9.81=9.91・10^4[pa]
=99.1[kpa]
例題6.
羽根車の外径D₂=200mm、ウェアリングリングの径Dr=100mmの揚程H=12m、吐出量Q=9ℓ/s、回転数n=1450rpmの渦巻ポンプがある。ウェアリングリングの隙間を0.2mm隙間長さを28mmとしたら、ウェアリングリングからの漏れ量qはいくらか。但し、計算に必要な定数Ks=0.42、λ=0.015とする。
解答
ΔH=H(1-K₃^2)-(1/4)((u₂^2-ur^2)/2g
u₂=π・0.2・1450/60=15.15m/s、u₂^2=230(m/s)^2
ur=π・0.1・1450/60=7.83m/s、ur^2=56.6(m/s)^2
ΔH=12(1-0.42^2)-(1/4)((230-56.6)/(2・9.8)=7.68m
a:隙間断面積=πDrb=π・10・0.02=0.2π[cm^2]=2π・10^-5[m^2]
q=a/√(0.015・(0.028/(2・0.0002)+1.5)=√(2・9.8・7.68)=48.25・10^-3[ℓ/s]
=0.48[ℓ/s]
例題7.
羽根車の外径D₂=200mmで、回転数n=1450rpmのポンプがある。常温の水を取り扱う場合の円板摩擦損失は何馬力になるか。
解答
L∱:円板摩擦損失=1.2・10^-6・γu₂^3・D₂^2
γ=1000kgf/m^3
u₂=πD₂・n/60=π・0.2・1450/60=15.15[m/s]
u₂^3=15・15^3=3.48・10^3[m^3/s^3]
D₂^3=0.04m^2
代入すると、L∱=1.2・10^-6・1000・3.48・10^3・0.04=0.167[ps]
例題8.
次のような要項のポンプ羽根車の設計をする。
H=220m、Q=1.5m^3/minで駆動は2極3相誘導電動機50c/sとする。
解答
n=60・2∱/N
滑り3~4%とし、n=2900rpmとする。
i:段数=4
ns:比速度=n(√Q/(H/i)^(3/4))=2900・(√1.5/(220/4)^(3/4))=176[m,m^3/min、rpm]
L:軸動力=Lω/η=γHQ/(75・η)=1000・220・1.5/(60・75・0.72)=102[ps]
Md:捻じれモーメント=71620・110/2900=2719kgf・cm
σt=150kgf/m^2
d:軸径=3√(5Md/σt)=3√(5・2719)/150=4.48cm=45mm
漏れ量を5%として、ηυ=Q/Q'≒0.95、Q'=1.58m^3/min
Km₀:目玉の速度定数=0.1+0.00023・176≒0.14
υm₀:目玉部分の流速=0.14・√(2g・55)=4.6m/s キャビテーションを考慮して4.3m/s
軸スリーブ厚さ8mmととると、ボス径Db=45+(8・2)=61mm
Ds=√((4Q'/πυm₀)+Db^2)=√((4・0.0263/(π・4.3)+0.061^2)=0.1067=0.107m
=110mm
υ₁=4.4m/sとし、D₁=Ds=110mmとすると、b₁=Q'/(πD₁υ₁)からb₁=17.3mm=18mm
羽根入口では旋回流がなくα₁=90°とすると、υ₁=υm₁としての概略のβ₁は(κ=0.9として)
tanβ₁=υm₁/κu₁=4.4・60/(0.9・π・0.11・2900)=0.293
これからβ₁=16.3°となり、17°とする。出口角β₂=25°とすれば、β₁+β₂=42°
D₂/D₁=2ととるとD₂=220mm
z:羽根枚数=6.5(sin((β₁+β₂)/2)((D₂+D₁)/(D₂-D₁))=6.5・sin21°・(0.33/0.11)≒7
t₁=πD₁/z=π・0.11/7=0.0494m=49.4mm
s₁:入口羽根厚さ=2mm
σ₁=s₁/sinβ₁=2/0.2588=7.7mm
b₁=Q'/(πD₁υm₁(t₁-σ₁)t₁=0.0263・0.0494/(π・0.11・4.4・(0.0494-0.0077)
=0.0204m、b₁=20mmにとる。従ってυm₁=4.4・0.0204/0.02=4.5m/s
tanβ₁=4.5/(0.9・16.7)≒0.3
これから、β₁=17°と最終決定する。
揚程係数φと比速度ns図より、ns=176、β₂=25°を用いてφ=0.52と読む。しかし安全をみてφ=0.5とする。
u₂=√(gH/φ)=√(9.8・55/0.5)=32.8m/s=33m/s
D₂=60u₂/(πn)=60・32.3/(π・2900)=0.217m、s₂=2mm
σ₂=2/sin25°=2/0.4226=4.74mm
t₂=πD₂/z=π・0.217/7=98mm
定数0.6として、ψ=0.6+0.6sin25°=0.854
S=1/2(r₂^2-r₁^2)=1/2(0.1085^2-0.055^2)=0.00437m^2
P=ψ/z・(r₂^2/S)=0.854/7・0.0114/0.00437=0.315
ηm=0.9と仮定して、ηκ=η/(ηυ・ηm)=0.84
υm₁=0
υm₂/u₂=(1-((1+0.315)/0.84)・(9.8・55/33^2)=tan25°=0.1054
υm₂=33・0.1054=3.48m/s
b₂=Q't₂/(πD₂υm₂(t₂-σ₂)=0.0263・0.098/(π・0.217・3.48(0.098-0.0047)=0.0116m=11.6mm
例題9.
単段ボリュートポンプの、揚程H=30m、吐出量Q=4.5m^3/min、回転数n=1450rpmである。この場合の軸方向推力はいか程となるか。但し羽根出口角β₂=23°とする。
解答
ns:比速度=1450・√(4.5/30^(3/4))=240[m,m^3/min、rpm]
L:軸動力=γHQ/(75・η)=1000・30・4.5/(60・75・0.82)=36.6ps 40psとする。
η:効率は、ポンプ効率図(効率と比速度)より、82%と読む。
Md:捻じりモーメント=71620・L/n=71620・(40/1450)=1976kg・cm
σt=150kg/cm^2にとる。
d:軸径=3√(5Md/σt)=3√(5・1976/150)=4.04cm=41mm
ηp:体積効率=96%に見込んでQ'=Q/0.96=4.69m^3/min(=78.1ℓ/s)
Km₀=0.1+0.00023・ns=0.155
目玉のメリジアン速度υm₀
υm₀=Km₀√(2gH)=0.155√(2・9.8・30)=3.76m/s 3.7m/sにとる。
ボス径
軸スリーブ厚さ8mmとし、Db=41+(8・2)=57mm
Ds=√((4Q'/πυm₀)+Db^2)=√((4・4.69/(π・60・3.7))+0.057^2)=0.173m
=173mm=180mmとする。
揚程係数φと比速度ns図より、ns=240、β₂=23°を用いてφ=0.49と読む。
u₂=√(gH/φ)=√(9.8・30/0.49)=24.5m/s
ウェアリングリングの直径DrはDsにほぼ等しいから
A₁=π/4・Ds^2=π/4・18^2=254cm^2=0.0254m^2
軸スリーブの断面積As=π/4・Db^2=π/4・5.7^2=25.5cm^2=0.00255m^2
K₃^2は、渦形室の設計定数の図(縦軸ボリュート速度係数K₃横軸比速度ns)より、K₃^2=0.15とする。
ウェアリングリングのところの周速urは、
ur=πDrn/60=π・0.18・1450/60=13.66m/s
T:推力=(0.0254-0.00255)・1000・(30・(1-0.15)-1/4((24.5^2-13.66^2)/(2・.8))=462kgf
F=γQ'υm₀/g=1000・4.69・3.7/(60・9.8)=29.5kgf
例題10.
揚程H=60m、吐出量Q=2m^3/min、回転数n=2890rpmを定格とする片吸込みポンプがある。取り扱う液体が80℃の清水であるとしたら、キャビテーション発生を防止するためには吸込条件をいかにしたらよいか。但し吸込管における流動のための損失を1mとする。
解答
Δh=7.88・10^-5・2890^(4/3)・2(2/3)=5.15m
80℃の水の比重量及び飽和蒸気圧を求める表より、
γ=0.9718kgf/ℓ
Hυp=4.83m
-Hs:キャビテーション限界における吸込み高さ=10/0.9718(1.03-0.48)-1-5.15=-0.5m
例題11.
揚程2.5m,吐出量125m^3/minの立軸軸流ポンプを設計せよ。羽根車の中心位置は吸水面が最低水位の場合でも水面下1mであるとする。揚程については案内羽根に於ける損失ヘッド及び安全を見込んで2.8mとする。尚、吐出量についても漏れ損失を含めて4%を多くして130m^3/minとする。
解答
ns:比速度=1500として回転数を求める。
ns=1500=n(130^0.5/2.8^(3/4))より、
n=286rpm
電源が50c/sで、4極3相誘導電動機を使用するとして、滑りを見越すと1450rpmであり、これを1/5に減速すると、ポンプ回転数n=290rpmとなる。n=290rpmとして改めてnsを求めてみると、ns=1535であるからn=290rpmをとることとする。
羽根車外径Dは、D=(1.8~2.2)√(2gH)・60/(π・n)より、
D=2・√(2g・2.8)・60/(π・290=0.975m
υ∱=Q/((πD^2/4)(1-(Db/D)^2)・60)=130/((π/4)(1-0.55^2)/60)=3.97m/s
これはυ∱=0.537√(2gH)の関係にあるので、以上のように定めた諸値を採用することとする。ボス比=0.55、外径D=1mからDb=0.55となる。翼素図を表し、外径とボスを含めて4個の径の所についてそれぞれ計算を進めることとする。
①まずηh=0.95と仮定して、υu₃=gH/(ηhu)=9.8・2.8/(0.95・15.2)=1.9m/s
tanβ∞=υ∱/(u-(υu₃/2)=3.97/15.2-(1.9/2)=0.279
これからβ∞=15°35'となる。λ=1°と仮定すると、
ηh=1-υ∱/u(sinλ/(sinβ∞sin(β∞+λ)=1-(3.97・0.017/(15.2・0.268・0.285))=0.94
翼形を定める式
CL(l/t)=2υu₃/υ∱((cosλsin^2・β∞)/(sin(β∞+λ))=2・1.9・0.298^2/(3.97・0.285)=0.249 (cos1°=0.9998≒1として)
l/t=0.6ととったから、CL=0.415となる。
4枚羽根を採用すると、t=πD/4=0.785m、従ってl=0.47m、さらに翼型をNACA4406に採ればα=0°20'を得る。
翼の取付角βは、β=α+β∞=15°55'
②前と同様に
u=π・0.85(290/60)=12.9m/s
υu₃=9.8・2.8/(0.95・12.9)=2.24m/s (ηh=0.95として)
tanβ∞=3.97/(12.9-1.12)=0.337、β∞=18°38'
sinβ∞=0.319 sin(β∞+λ)=0.336 (λ=1°として)
ηh=1-(3.97・0.017/(12.9・0.319・0.336))=0.95
CL(l/t)=2・2.24・0.319^2/(3.97・0.336)=0.343
t=π・0.85/4=0.67m t=0.43m l/t=0.66
CL=0.343/0.66=0.52
翼型NACA4409にとり、α=1°10'、β=19°48'
③u=π・0.7・(290/60)=10.6m/s
υu₃=9.8・2.8/(0.95・10.6)=2.73m/s (ηh=0.95)
tanβ∞=3.97/(10.6-1.37)=0.43 β∞=23°16'
sinβ∞=0.395 sin(β∞+λ)=0.411 (λ=1°として)
ηh=1-(3.97・0.017/(10.6・0.395・0.411))=0.96
CL(l/t)=2・2.73・0.395^2/(3.97・0.411)=0.522
t=π・0.7/4=0.55m l=0.395m l/t=0.72
CL=0.522/0.72=0.725
翼型NACA4412にとり、α=3°30' β=26°46'
④u=π・0.55・(290/60)=8.35m/s
υu₃=9.8・2.8/(0.97・8.35)=3.38m/s (ηh=0.97として)
tanβ∞=3.97/(8.35-1.29)=0.562 β∞=29°20'
sinβ∞=0.49 sin(β∞+λ)=0.505 (λ=1°として)
ηh=1-3.97・0.017/(8.35・0.49・0.505)=0.81
t=π・0.55/4=0.432m l=0.36 l/t=0.834
CL=0.81/0.834=0.97
翼型をNACA4412にとり、α=5°50' β=35°10'
以上を要約すると、
D[m] 翼型NACA β l[m] CL l/t ηh
1 4406 15°55' 0.47 0.415 0.6 0.94
0.85 4406 19°48' 0.43 0.52 0.66 0.95
0.7 4412 26°46' 0.395 0.725 0.72 0.96
0.55 4412 35°10' 0.36 0.97 0.83 0.97
次にキャビテーションに対する検討を行う。
翼に沿っての流れ内で最も低い圧力Pmin(絶対圧力で)
Pmin/γ=Ha+Hs-(1+∱)(υ^2/2g)-C(ω∞^2/2g)
Ha:大気圧(絶対圧力で)
Hs:吸込高さ
∱:吸込管に於ける流動損失係数
C:翼に於ける圧力降下係数
υ:吸込管内の平均流速
ω∞:翼に対する相対速度
C(ω∞^2/2g)は、翼種類ならびに迎え角αによって定まる圧力降下である。
要求吐出量における翼先端の断面を当たってみる。
題意によりHs=1m、また∱=0.1と仮定し、C値は揚力係数の関数として与えられた翼の圧力降下係数の表より、CL=0.41に対する読みとしてC=0.4を得る。これらを用いてPmin/γ=10.3+1-1.1(3.97^2/(2・9.8)-0.4(14.8^2/(2・9.8)=5.95m
ω∞=√(υ∱^2+(u-υu₃/2)^2)=√(3.97^2+(15.2-(1.9/2))^2)=14.8m/s
常温の清水の飽和蒸気圧をHυpとすると、
Pmin/γ>Hυpなる関係があるから、キャビテーションの恐れはない。
降下係数Cの値は大であるが、ω∞が小である為、局所的な圧力降下Cω∞^2/2gの値は翼先端のところより小である。したがって、全部の径に対してキャビテーションの心配はない。
次に案内羽根を考える。
tanβ∞v=υ∱/(υu₃/2)であるから、まず翼先端の径のところから計算を始めて
tanβ∞v=2υ∱/υu₃=2・3.97/1.9=4.17 β∞v=76°36'
また、sinβ∞v=0.972
そこで翼型NACA6309を採用し、案内羽根数7枚とする。
tv=π・D/7=π/7=0.449mである。案内羽根の損失ヘットhvはtanλvに比例して大きくなるので、tanλvはできるだけ小さい方が良い。迎え角αvを4°とったとして、NACA6309性能及び翼形の表より、CLv=0.95 CDγ=0.01 従って、tanλv=0.01/0.95=0.0105となる。
υu₃=CLv(lv/tv)(υ∱(1+tanλv/tanβ∞v)/(2sinβ∞v))より、
1.9=0.95(lv/0.449)((3.95・(1+0.0105/4.17)/(2・0.972)
これから、lv=0.417m
案内羽根取付角βvは、βv=β∞v+αv=76°36'+4°=80°36'
損失ヘットhvは、
hv=CLv(lv/tv)(υ∱^2/2g)(tanλv/sin^3β∞v=0.95・0.417・3.97^2・0.0105/(0.449・2・9.8・0.972^3)=0.008m
他の径に対しても同様の計算を行いその結果を表にすると、
D[m] 翼型NACA βv lv[m] hv[m]
1 6309 80°36' 0.417 0.008
0.85 6309 79°03' 0.375 0.011
0.7 6309 76°47' 0.35 0.014
0.55 6309 73°41' 0.305 0.019
例題12.
単動のピストンポンプで2個のシリンダ(位相差180°)の形式のもので、吐出量500ℓ/minとする。主要寸法及び空気室の大きさを決定せよ。
解答
体積効率ηυは普通0.9~0.97の範囲であるが、ここではηυ=0.93にとる。
qmean=Qt=Q/ηυ=500/(60・0.93)=8.95ℓ/s=0.00895m^3/s
平均ピストン速度umを、往復ポンプの平均ピストン速度表からum=0.4m/sにとるとする
qmaen=2ALn/60 um=2Ln/60から
D=√(4qmaen/(um・π))=√(4・0.00895/(0.4・π))=0.169m
A=(π/4)D^2=π・0.169^2/4=0.0224m^2
L/D=1.5とすると、
L=1.5・0.169=0.254m
n=um・60/2L=30um/L=30・0.4/0.254=47.3rpm
V=AL=0.0224・0.254=0.00569m^3
β=0.03 δ=0.11 往復ポンプの過剰吐出体積比δと排水曲線の山の数κの表より、ℓ/r=4
として、υ₀=δAL/β=0.11・0.00569/0.03=0.0207m^2
吸込管内流速υs=1.1~1.3m/s 吐出管流速υd=1.5・1.2=1.92m/sとすると、
吸込管断面積=0.00895/1.2=0.00746m^2
吐出管断面積=0.00895/1.92=0.00466m^2
この装置の吐出管長さld=20m、空気室の平均圧力p₀=3kgf/cm^2abs
N=1/2π√(0.00466・9.8・3・10^4/(0.0207・20・1000)=0.289[1/s]
N/(κn/60)=√(0.289・60/(2・47.3)=0.183
例題13.
風量が180m^3/minで吐出全圧30.5kpaの2段ブロワの電動機出力、羽根車、口径を計算する。60Hz2極の誘導電動機を直結で使用する。
解答
大気圧23°の空気はρ=1.188kg/m^3
(κ-1)/κ=0.4/1.4=0.286
p₂/p₁=(101300+30500)/101300=1.3
((p₂/p₁)^0.286-1)=0.0779
had=p₁/(0.286・g)((p₂/p₁)^0.286-1)1/ρ₁=2370m
1段当りの断熱ヘッドは
had=∑had・st/2=2370/2=1185m
ブロワの吐出及び平均風量
ΔT=T₁/ηad((p₂/p₁)^0.286-1)=(273+23)/0.736・0.0779=31.2
T₂=296+31.2=327.2k
Q₂=Q₁/(p₂/p₁)・(T₂/T₁)=180/1.3・(327.2/296)=153m^3/min
Qm=√(Q₁+Q₂)=166[m^3/min]
ns=nQ^0.5/had^(3/4)=3560√166/(1185)^(3/4)=234
羽根出口角を40°とすると、周速係数Ku=1.01と与える。
u₂=Ku√(2ghad)=1.01√(2・9.8・1185)=1.01・152.4=154[m/s]
D₂=60・154/(π・3560)=0.826[m]
例題14.
大気中(大気圧=1kg/cm^2)に開放されている断面の大きなタンク内の植物油(μ=0.3poiseρ=0.9g/cm^2)を4m^3/hの流量で脱臭塔の塔頂(絶対圧力2.6kg/cm^2)へ、2"鋼管を通してポンプでくみ上げる。床面からタンク内液面までの高さは1m、床面から塔頂までの高さ9mである。輸送管路には4個のエルボと2個の球形弁が取り付けられており、全長は40mである。何馬力のモータを使用すればよいか。但し、エルボと球形弁の直管相当の長さは其々、管径の30倍,200倍とし、ポンプとモータの効率は45%とする。
解答
V:容積流量=4/3600=1.11・10^-3[m^3/sec]
u=1.11・10^-3/(0.785(5.29・10^-2)^2)=0.505m/sec
∴Re=5.29・10^-2・0.505・900/(3・10^-2)=801<2100(臨界レイノルズ数)
層流であるから、∱=16/0.801=0.02
全相当管長Le=40+(4・30+2・200)(5.29・10^-2)=68m
∴∑F=4・0.02・68・0.505^2/(2・9.8・5.29・10^-2)=1.34
タンクの液面1、塔長を2とすると、u₁=0であり、力学的エネルギ収支の式から
W=1・(9-1)+((2.6-1)・10^4/900)+(0.505^2/19.6)+1.34=27.1kg・m/kg
P=VρW/75η=1.11・10^-3・900・27.1/(75・0.45)=0.8ps
例題15.
遠心ポンプ羽根車が回転速度n=1800rpm、吐出量Q=0.4m^3/minで運転されている。羽根車入口、出口の速度三角形及び羽根車の全揚程を求めよ。水の動粘性係数は、ν=1・10^-6m^2/sである。
羽根車出口:半径r₁=85mm 羽根角度β₂b=23° 羽根幅b₂=10mm
羽根車入口:半径r₁=40mm 羽根角度β₂b=14° 羽根幅b₂=25mm
羽根長さ l=105mm 羽根枚数z=6 羽根表面粗さe=0.05mm
解答
Q=0.00667/m^3/sより羽根車入口および出口のメリディアン速度は、
υm₁=Q/2πr₁b₁=1.06m/s υm₂=Q/2πr₂b₂=1.25m/s
回転速度n=1800rpmより羽根周速度は、
u₁=r₁ω=7.54m/s u₂=r₂ω=16.02m/s
羽根車に予旋回がない(υu₁=0m/s)ので、流入角は
β₁=tan^-1(υm₁/u₁)=8°
滑り係数は、κ=√(sinβ₂b)/z^0.7=0.178(ε=0.587>r₁/r₂)
従って羽根車出口に於ける絶対速度の周方向成分υm₂は、
υm₂=(1-κ)u₂-υm₂・cotβ₂b=10.23m/s
∴β₂=tan^-1(υm₂/(u₂-υm₂))=12.2°
全揚程Hは、υu₁=0を考慮して
H=u₂υn₂/g-hs-h∱
hs=Δωu₁^2/2g=(u₁-υn₁-υm₁cotβ₁b)^2/2g=0.55m
平均相対速度ωは速度三角形から、
ω₁=7.61m/s ω₂=5.92m/s
∴ω=√((ω₁^2+ω₂^2)/2)=6.82m/s
水力半径m₁及びm₂流路面積をぬれ縁長さで割ったものであるから、
m₁=((2πr₁/z)・b₁)/2(2πr₁/z+b₁)=0.0078m
m₂=((2πr₂/z)・b₂)/2(2πr₂/z+b₂)=0.0045m
∴m=(m₁+m₂)/2=0.0062m
レイノルズ数Re=4mω/ν=1.7・10^5、相対粗さe/4m=0.002であるからムーディ線図より等価円管の管摩擦係数はλ=0.025となり、摩擦損失はh∱=3λ(l/4m)ω^2/2g=0.74m
∴H=16.72-0.55-0.74=15.43m
例題16.遠心羽根車の吸込部にインデューサを取付たロケット用ポンプについて、水槽に於ける吸込性能試験を行い回転速度n=10000rpm、流量Q=3.95n^3/minの時、必要有効吸込ヘッドNPSHℜ=6.2mを得た。使用流体を水としてこのポンプの吸込比速度を標準的な値S=1400とすれば、同一の回転速度で同一の流量を得るには、必要有効ヘッドをいくらにし無ければならないか。
解答
S:吸込比速度=10000・3.95^0.5/6.2^(3/4)=5060[rpm,m^3/min,m]
NPSHℜ:インデューサ無の場合の必要有効吸込ヘッド=(nQ^0.5/S)^(4/3)=(10000・3.95^0.5/1400)^(4/3)=34.4m
例題17.次元解析による空気力の表現式の導出
空気力が何に依存するかを考えると、力は流体密度、物体の大きさ、2つの間の相対速度に依存する。そこで、揚力L=Kρ^a・V^b・l^c(比例定数K、空気密度ρ、速度V、長さl)で表した時、a,b,cの指数を次元解析の手法より求めよ。
解答
kg・m/s^2=(kg/m^3)^a(m/s)^b・m^c
∴kg・m・s^-2=kg^a・m^(-3a+b+c)・s^-b
この式の両辺の次元は等しいので
a=1、-3a+b+c=1、b=2
の関係が成り立ち、これらの指数が次のように得られる。
a=1、b=2、c=2
即ち、揚力Lが一般的に次のように表される。
L=KρV^2・l^2
例題18.円筒型遠心分離機を用いて、密度1500kg/m^3の固形物を0.1wt%含んでいる粘度1.15cpの果汁を処理し、固形物を分離する。分離機の寸法は内径0.12m、有効高さ1m、液層の厚さ0.04mで回転数10000rpm,処理量0.144m^3/hで操作するものとする。理論的に何ミクロンの粒子まで除去することができるか。但し、η=1とする。
解答
Dp=√((18μut)/(g(ρs-ρt))、 ut=Vgln(r₂/r₁)/(πLω^2(r₂^2-r₁^2) より、
V=0.144/3600=4・10^-5[m^3/sec]、r₂=0.12/2=0.06[m]、r₁=0.12/2-0.04=
0.02[m]、l=1、ω=(π/10000)/30=1047[rad/sec]を代入すると、
υg=(4・10^-5・981・ln(0.06/0.02)/(3.14・1・(0.06^2-0.02^2)・1047^2)
=3.91・10^-8[m/sec]
従って、
Dp=√((18(1.15・10^5)(3.91・10^-8)/((1500-1000)981))=1.65・10^-8[m]
=1.65[μ]
例題19.直径d=10mmの滑らかな水平円管内を20°の水が流量Q=471cm^3/minで流動している。今、水の代わりに空気を流動させてその流動条件を力学的に同一にする為には、空気の平均流速をいくらにすればよいか。
解答
水の平均流速υ=4Q/πd^2=4・4.71・10^-4/(π・10^2・10^-6・60)=0.1[m/s]
この時のレイノルズ数Re=0.1・10・10^-3/(1・10^-6)=10^3
空気の場合
空気の動粘度νa=15.28・10^-6[m^2/s]
Re'=υa・(10・10^-3/(15.28・10^-6)=10^3
υa=10^3・(15.28・10^-6/(10・10^-3)=1.53[m/s]
例題20. 20℃の空気を高さ、幅ともに1m、長さ25mの長方形のダクト内を2.5m/sの速度で流す時の送風機の動力を求めよ。但し、20℃の時の粘度、μ=18.34[μpa・s]とする
解答
d:相当管径=4・A/U=1[m]
ρ:空気密度=1.293・(273/(273+t))=1.2047[kg/m^3]
Re=1.2047・1・2.5/(18.34・10^-6)=1.642・10^5
λ:抵抗係数=0.0032+0.221Re^-0.237=1.603・10^-2
h:摩擦による抵抗=λ(l/d)(u^2/2g)=0.127[m]
hd:速度頭=u^2/2g=0.3189[m]
L:所要動力=ρgHQ=13.18[w]