最近色々なブログを徘徊しておりますと外こもりというキーワードを目にします。
「物価の安い海外でのんびりくらして行こうぜ!(要約)」というものです。
これって昔は沈没とか言われていて、タイとかカンボジアとかでよく聞きましたね。
まだバブルの余波がある頃は、日本に帰って2~3か月重労働すれば東南アジアで節約すれば2年くらいは暮らせたという話も聞きますが、東南アジア諸国の物価上昇と日本の景気の悪さが重なり容易ではなくなったようです。
しかしニューウェイブの外こもりではブログやネットビジネスで稼ぐという方法が使え、事情も変わってきたようです。まあ普通の人はなかなかブログなどオンラインで収入を得るのは難しいかと思うのですが…
海外で収入を得ながら生活するという事は基本的にはその国で就職する事だと思っています。
私は今現在中国で働き収入を得ているわけですが、海外暮らしの入門編として上海は実は適しているのではないかと思っています。
これからその理由を説明します。
1、日本から近い。
当たり前やんけ、そう思った方ちょっとお待ち下さい。
実は日本の19空港から上海の直航便が飛んでいるのをご存知でしたか?
旅行会社の方から聞いた事がありますが、これ上海だけだそうですね。
つまり全国どこからでも行こうと思えば行けるのが上海なわけです。
2、ビバ!春秋航空
ご存じLCCの春秋航空が就航しています。空港も北は北海道から南は九州まで網羅。
時期に寄りますが、格安で往復できる環境があるわけです。上海生活に疲れても、やろうと思えば土日を使って一時帰国でリフレッシュ!なんてこともできるんですね。
3、日系人材会社が豊富
上海で職探しをしようと思ったら、一般的には人材会社に登録して紹介してもらいます。
上海にはそんな人材会社が複数あり、日本人を手ぐすね引いて待ち受けています。
きちんと調べたわけではありませんが、他の都市でそんなに人材会社が多いところも珍しいのではないかなと思います。
4、求人が豊富で、語学不問も多い
海外就職で一番ネックなのが語学です。
もちろん中国語か英語ができるのが一番いいのですが、日系会社への対応が多い関係上語学不問の求人も結構あります。最右翼はコールセンター系ですが、バンコクのように給料が異様に安いわけではなく、上海の現地採用平均です(もちろん安いところもありますが…)。
また、日本に比べると早く重要なポジションを任されることがありますし、数年勤務すれば日本採用に切り替えてくれたり日本へ異動させてくれる事もあります(必ずじゃないですが)。
5、日系のお店が多い
これ重要。
居酒屋もあるしラーメン屋もある。スーパーもあります。
日本人が皆常に中華料理だけで生きていられるわけではないのです。
日本料理屋は高いですが、吉野家とかすき家とか牛丼屋チェーンが比較的安めで結構使えます。(個人的にはすき家のカレー丼がお勧め。)
あとDVD(自主規制)がありますので、週末は自宅で映画三昧なんて生活もできます。
6、日本人が多い
最近は減少傾向にありますが、それでもまだ数万人の日本人が上海で生活しています。
積極的に出れば趣味のサークルなどで友達を作ることもできます。また、恋人を作って結婚までたどり着く事も珍しくありません。
「海外に来て日本人同士でつるむなんて」というご意見もあるかと思いますが、海外で同胞と話せるのは非常にありがたい事かと思います。
上海に駐在されている方が、中国の地方へ出張して上海へ戻るとホッとするなんて話もよく聞きますね。
どうですか?
「なんか上海いけんじゃん!」と思って頂けましたか?
とは言えメリットの裏にはデメリットがあるのが世の常。
デメリットもご説明しましょう。
1、家賃上昇が激しい
上海に暮らしていて一番思うのがこれ。
例えば私が初めて中国で部屋を借りた時、ちょっと北の虹口区というところで1500元(これも当時安いねと言われるレベルでしたが)。今ではこんな価格帯はかなり郊外に行かないとありません。
最近比較的西の方に引っ越しましたがそれでも3500元(これも安いと言われるレベル)、近所に住む友人の部屋は比較的新しいということもあってか5000元です。
考えたら日本で同じ値段出したら都内23区でも住めそうじゃないですか?
しかもがめつい大家が多いので、更新の際にびっくりするような値上げを告げてくる事も多いようです。そのせいで毎年引っ越している人もちらほら。
駐在員ならともかく、現地採用組にとって家賃は決して負担が軽いものではありません。
2、ビザ発給が年々厳しくなっている
北京オリンピックの頃から外国人へのビザ発給は厳しくなってきています。
「何をやってるんだかわかんない外国人はいらないアル!」というのが中国政府の本音で、ただでさえ失業率が高くなってきているのに中国人でもできるような仕事は外人にはさせないぜ!という事でしょう。
中国で働いて収入を得る為には外国人就業許可を必ず得る必要があります。
取得には4大卒で就業経験2年以上あることが条件です。それでも上海は比較的条件が緩く、色々手を尽くせば何とかなっていました。(ビザ代行業者に頼むとか)
それが4月からは取得条件を明確化し、手続きも厳格化する方向のようです。
その為新規取得がかなり難しい・・・とも言われていますが実際はどうなるかまだ不明です。
就職しようとする業務内容が職歴に合致し、年齢も比較的若く、4大卒以上の学歴をお持ちであればそれほど心配する必要はないかなと思うのですが、何せ新制度が始まったばかりですのでどう転ぶか誰にもわかりません。
更に今すでに就業許可を得ている人の更新にどう影響するのかも分からず、周りの人もびくびくしています。私もびくびくしています(笑)
3、中国人にイラつく
これは中国在住の日本人は多かれ少なかれ感じていることだと思います。
当たり前の話で、日本人とは違う国の人に囲まれて生活する訳ですから「日本だったらこんなことは無いのに!」と知らず知らずイライラしてしまう事もあるでしょう。
ここを「まあ中国だからしゃーない」と流せるか「だから中国人って駄目なんだ!」と怒るかで変わってくると思います。
中国人の行動全てにイライラして四六時中怒って、日本人同士で集まれば中国人の悪口大会という人もいますが、こういう状態になると中国の生活は全く面白くないです。(というかそんなに不満があるなら帰国すればいいじゃんと思いますが・・・)
まあでも実際イライラするのは仕方が無いので(笑)、一応デメリットとしましょう。
4、空気汚染
PM2.5の問題もそうですが、「中国って空気汚いんでしょ?」という印象ですね。
ただ、上海はそれでも比較的マシな方です。街中もマスクをしている人は殆どいません。
PM2.5の濃度は平均80前後でしょうか(それでも日本基準から考えれば相当ひどいですが)。
それは事実ですので気管支が弱いという方にはお勧めできないかもしれません。
しかし不思議と花粉症の症状が出ないという人が多いですね。杉の木が無いからかな?
5、食事
ローカルの食堂は勿論ですが、中華料理は油の使用量が多いです。
また、日本人の口に合わない料理もあるかと思います。
そうなると日本食とか選ばざるを得ないのでエンゲル係数がどーんと跳ね上がるかと思います。中華独特の香辛料がダメって人もいたなあ。
一時期騒がれた廃油の問題は、地元の人間もバカではないのでそんなものを使ってそうな店には近寄らなくなります。お客さんが多い店なら比較的関心かなと勝手に思っています。
さて長々と書きましたがいかがでしょうか。
上海で働こうと考えている方の参考になれば幸いです。