主体性保育を推し進めたい当時の園長や主任クラスの先生方…。
「まずは試してみて」と言われても、実際に毎日動くのはクラス担任です。
正直、大変さばかりが増え、主体性保育の良さを感じる余裕はありませんでした。
多くの保育園では、0歳児クラス、1歳児クラスと年齢ごとにクラス分けされています。
そんな中、「クラスを仕切っている壁を開けて、好きな時に自由に行き来できるようにしましょう」という提案が出ました。
担任たちの心の声は、
「無理、無理、無理…」でした。
もちろん、縦割り保育の良さは理解しています。
異年齢で関わることで育つ力もあると思います。
でも、0歳児はまだ生活リズムが安定しておらず、1人ひとりに合わせた生活が必要な時期です。
午前睡をする子、
ミルクを飲む子、
離乳初期で早めに食事をする子…。
まずは生活リズムを整えることが大切な段階です。
そんな中で、好きな時間に違うクラスの子どもたちが自由に行き来する。
落ち着いて過ごせる空間の確保が難しいのではないかと、担任たちから声が上がりました。
ですが主任の先生は、
「やってみないと分からない」と言います。
まだ寝返りの子どもと、
走り回れる子どもが同じ空間にいる。
安全確保のためには、大人の目も必要です。
保育園は、ただ見守っていれば良い場所ではありません。
発達に合った活動の時間もあります。
部屋をすべてオープンにしなくても、
子どもたちの様子を見ながら上のクラスへ遊びに行く形でも良いのではないか。
今までのように、年長さんがお手伝いとして小さいクラスへ遊びに来る形でも良いのではないか。
自由な行き来には、どうしても難しさを感じていました。
子どもたちが好きなように動いていたら、
「今、誰がどこにいるのか」が分からなくなる。
それは危険ではないのか。
保育士の仕事は、
子どもを元気に保護者のもとへ返すこと。
私は、安全安心が一番大切だと思っています。
どれだけ気を付けていても、
通常保育の中でも怪我は起こります。
引っ掻きや噛みつきもあります。
そんな中で、
安全安心を十分に確保できない主体性とは何なのだろう…。
ずっとモヤモヤしていました。
そして次第に、
「もう疲れた」
という気持ちの方が大きくなっていきました。
頑張っても頑張っても救われない。
保育士という仕事自体が嫌になっていく感覚がありました。
なぜ保育士や教職員が続かないのか。
それを考えるきっかけにもなりました。
また聞いてください。