それがどんなに美しいか、きっと誰にですぐにもわかるはずだ。
見えるわけではないのに、きらきらと内側から漏れ出しひとを引きつけて止まないやさしい光のようだ。
それは他人に告げたら或いは馬鹿みたいに恋に落ちただけだと決め付けられるだけかもしれない。
けれどそれは違う、とまた、彼女は心の内で呟く。
独り占めしたいわけでもない、ずっと一緒にいたいというわけでもない。
ただ、みているだけで幸せになる。
あたたかい思いに胸が詰まりそうになって、どうにもじれったい。
大きな声で叫んで、その存在の価値を知らないひとにふれまわりたい。
冷たい哀しみの欠片も、底に蟠るゆううつも、もしかしたら抱えているのかも知れないけれど、それを相手に悟らせることはけしてない。
あたたかい光だけで構成された、その色はオレンジ。
夕陽の色でなく、朝焼けの色でもない。
色づく熟れた果実か、熱帯の花の色。
きっとみんなそんなものを想像するに違いない。
ただ目にしたものを幸福にする
オレンジ。
BY Blue