前回寄稿してから2ヶ月空いてしまいましたが、数学コラム2回目となります。
前回のコラムはこちら
前回は公式,定理は暗記するものではなく自ら導いて理解するという内容でした。今回はその延長戦のような形で理解した公式,定理を使って別の公式,定理を導ける(難しいかもしれませんが)という内容です。
これをすることで次から次へと関連付けて理解する事が出来ますし、未知の問題に対してどうアプローチをするか考える事が習慣となる訳でいわゆる応用問題に対してもアプローチしやすくなると思います。(解法のアイデアが浮かびやすくなる)
ということで今回も早速実践してみます。
今回は『2次方程式の一般解(解の公式)』にチャレンジしたいと思います。難しいテーマですがゆっくり読みながらトライしていきます。
ところで2次方程式は何かというと
例えば「2回掛けて4になる数は何?」という文章を、「X^2=4」という風に表すように未知数の2乗の項が含まれる方程式です。
ちなみに、今の答え解りますでしょうか?「2回掛けて4になる数」なので正解は±2(2と-2)です。
(ここでつまづいてしまったら、正負の数の概念を振り返って頂ければと思います…💦)
もう少しレベルの高い方程式をやってみましょう。
「(X+2)^2=4」…(※)
左辺が#1で登場した乗法公式で平方の式の形になっていると気づいた方は鋭いです。この後の突破口になるので頭の片隅に留めておいて下さい。「ある数を2加えて2乗したら4になりました。ある数は何?」という意味なので正解は
X+2=±2→X=0,-4 となります。
ただ世の中これらや因数分解で簡単に解ける係数の方程式ばかりではありません。そこでどんな係数でも解が出せる様に以下のような一般解が存在します。
でも実は前回のコラムの内容をヒントに導くことが可能なのです。
まずはa≠0なので式を分かりやすくするために両辺をaで割ります。


今回のポイントである無理やり平方の式を作る③から④にかけての作業を「平方完成」と言います。実をいうとこれは2次関数を理解する時に使う武器でもあるのです。
ここまで2回に掛けて幾つかの公式等を導いて理解を深める事を実践してきましたが、
このように1つの事を理解すると次から次へと繋がって理解のスピードが上がってるのではないかと思いませんでしょうか?
ただ単に暗記するだけでは理解の欠如による負の連鎖が止まらず、自力で着実に理解する事を繰り返す事で逆に良い循環となるかと思います。
今回かなり難しいテーマを選択してしまい、申し訳ない(とはいっても現役の学生の皆様には避けて通れない…(苦笑))ので、次回以降もう少し軽く楽しめるような風にしていきます…
それでは今回はここまで、長らくお付き合いいただきありがとうございました。次回以降もお楽しみに。
〈了〉



