LUCY/ルーシー | 想像と好奇心でできている

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野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

人間の脳の機能は10パーセントしか使われていない。

 

体内に埋めこまれたドラッグが漏れ出し、それによって脳機能が活性化され、

最後に脳の機能が100パーセントになったルーシーは、どうなったか。

 

脚本、監督はリュック・ベッソン。

 

ネタバレしてます。

 

 

 

まだ1週間しか付き合ってない彼氏のリチャードに、マフィアの組織にトランクケースを運ぶように頼まれ、断ったのにそのケースについてる手錠をかけられてしまったルーシー。手錠のカギは、マフィアのトップのチャンが持っていると言われ、もう、会いに行くしかない状態に。

 

最初、ルーシーがいるのは台北(タイペイ)なのに、韓国人のマフィア組織。

 

密輸のため、おなかに麻薬(青い粉のようなもの)の入ったビニール袋を手術で埋め込まれたルーシー。

中国に行ったら、取り出されることになっていた。

 

ルーシー以外に運び屋になったのは、男性が3人。飛行機に乗せられ、中国に行くと、部屋の中で片手を手錠と鎖につながれた。

中国人の、刺青の入った、見た目で悪い人だってすぐわかる男が入ってきて、ルーシーの服の胸もとに手を入れてきた。嫌がったルーシーに暴行した男は、ルーシーのおなかを蹴った。それにより、麻薬が体内に漏れ出した。

 

すると、ルーシーに異変が。無重力になったかのように空中に浮き上がり、鎖がピンと伸びてしまった。

ルーシーの脳は覚醒し始め、脳機能が20%、30%……、と、どんどん上がっていく。それにより、特殊能力が使えるように。

 

と同時に、表情が失われ、普通の人間ではなくなっていく。

 

ルーシーの体に溶けこんだ新種の麻薬は、「妊娠6週目の妊婦の体内」でつくられるもので、「わずかな量でも胎児には核爆弾並みのエネルギー源となって全身の骨を形成する」という、CPH4を合成したもの。

 

特殊能力が開花していく描写がすごい。

ルーシーが飛行機の中でパソコン2台使って、両手で同時に2台のキーボードをたたくスピードがすごすぎる。

『攻殻機動隊』に出てくる、公安9課にいる、ポニーテールのガイノイドの女性ぐらい速い。

 

磁力や電磁波を操れるようになり、ラジオ電波を遠隔操作したり、テレビ画面に自分の映像を送ったり。

 

指から電気?のような黄色い光を出して、脳内の記憶細胞につながり、他人の記憶をのぞき見したり、

女友達の背中に触れただけで、レントゲンやMRIのように、透視するかのように体内を見る。この前知り合った男性と性行為をしたことまでわかってしまう。

 

マフィア組織の複数の構成員にピストルを向けられても、一瞬で意識不明にして倒してしまう。黄色い光がシュッって飛んでいった、みたいなシーンはないんだけど、たぶん、床に電流を流し、気絶させた?

 

ただ、脳機能が覚醒し、ストーリーが最後に近づくにつれ、ルーシーの特殊能力がすごすぎて、ついていけなくなる。

 

後半、韓国人のマフィア組織のボス、チャンが、ルーシーの命を狙って、自ら銃を持ち動き出す。

ルーシーのいる建物に乗りこんできたマフィア組織の男たちが、サブマシンガンとか武器を手にその場にいた人をバンバン撃ちまくって、「SF」から一気に「韓国アクション」に。

 

それに、チャンの部下のジー。

この人、病院でほかの運び屋の男性から手術で麻薬を取り出そうとして、恐怖でいっぱいの白人男性を、なにもしてないのにサイレンサーで撃ち殺した。それを見た隣にいた男性にも銃口を向ける。

すると向けられた人は両手をあげ、「俺は……、大丈夫です」と言うと、それを見てふってかすかに微笑むんだけど、その微笑みが怖い。

 

この映画、Googleで検索してみると、そんなに評判が良くない。

 

1ルーシー、70%になると、体の細胞が黒い液体のように変化。

80%になると、急に空間が『マトリックス』の、上下左右白い空間に、自分以外の科学者、ノーマン博士たちも瞬間移動させる。

 

100%になると。

 

チャンに頭を撃たれてしまったルーシー。すると、瞬時にその場から消えたルーシー。

でもそのあと、チャンを後ろからデル・リオ刑事が撃ち、科学者たちは無事だった。

 

最後は、人間の姿ではなくなって、真っ黒な新しいコンピュータの姿になり、ノーマンの前に黒い細長い物体が伸びてきて……、ノーマン博士が受け取ったのは、黒いUSBメモリー。

それ以外は、すべて黒い粉と化し、その場から消えてしまった。

 

ただ、消えたのではなく、どうやら目に見えないなにかになったようで、

フランス警察のデル・リオ刑事の持っていた携帯電話の画面に

「I am everywhere.(私はどこにでもいる)」という言葉が。

 

最後は、コンピュータ内部の世界に入って、現実の世界から消えてしまった、ということらしい。

 

 

個人的に好きな特殊能力は、ルーシーがパリの街を見ていると、街にいた人々が持っている携帯電話から、空に向かって大量にいろいろな色の電波が線のように飛んでいくのが見えて、ルーシーがそれに触れて、親指と人差し指で拡大すると、その音声が聞こえてくるシーン。

さらに、指で受信した音声を、社内のカーラジオで聞けるように移動させる。

 

『LUCY/ルーシー』のウィキペディアを見たら、リュック・ベッソン監督は、『攻殻機動隊』を知ってるそうで。

最後のオチを考えると、ルーシーは、『攻殻機動隊』素子のように、ネットの世界を自由に動き回れる存在になった、という言い方をしても良さそう。

 

それにしても、なんでマフィアってみんな、黒いスーツ着てることが多いんだろう(笑)。まあ、確かに赤いスーツとか着てたら目立つし、変だけどさ。