セブン | 想像と好奇心でできている

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日々、思ったことを書いてます。
野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

「セブン」を観たの、たぶんこれで2回目か3回目なんだけど、でも、いまだに最初から最後まで、ちゃんと観ることができていない。

今回は半分ぐらい観られず。

 

ネタバレしてます。

 

 

キリスト教の「七つの大罪」になぞらえて、被害者がすごい残酷で猟奇的な状態で殺害された遺体。

事件を追いかける、ベテランの刑事のサマセット(モーガン・フリーマン)と、若い刑事ミルズ。(ブラッドピット)

 

サマセットがミルズに、世の中の人たちがこの事件も含め、無関心なのは罪だ、というようなことを言ってるけど、

この猟奇的な連続殺人事件の犯人も、人々が関心がないことに対して、それは罪だとサマセットとミルズに一方的に話すシーンがある。

ベテラン刑事のサマセットと、連続殺人事件の犯人が、世間に対して同じような怒りや不満があったっていう、嫌な一致。皮肉。

 

自分から犯人だと名乗り、逮捕された犯人。

 

が、この犯人は最後、刑事に自分を殺させ、すべてを終わらせようと計画していた。

 

最後に、ミルズが妻を殺害されたことを知り、犯人にピストルを向ける。

被害者になった妻は、犯人の言ったことも含めて推測すると、もしかしたら性的な暴行を受けたあと、バラバラにされた。映画の中には出てきてないけど、あの箱の中に刑事の妻の頭部が。

 

さらにひどいのが、妻が妊娠していることを知らず、犯人の口から、妻が妊娠していたことを知らされたこと。

自分の計画に好都合だと思ったのか、ミルズがショックを受けているのを見て、ほんの少しだけ嬉しそうなリアクションをする犯人。気持ち悪い。

 

結局、犯人の言葉を聞き流すことはできず、サマセットの静止の言葉も、止めることはできなかった。

ほんの一瞬画面に映る、ベッドに寝ている、穏やかな妻の顔のアップが。

 

犯人を撃って殺してしまうミルズ。1回撃ったあと、全部で6発撃った。

 

この、6発撃ってるっていうのが意味深。

ミルズが犯人を撃ち殺したことで、このミルズが七つの大罪のひとつ「憤怒」になってしまったから。

 

 

真っ黒な夜。ほとんど陰で顔が見えない、向こう側にある右目に光が当たっていて、少しだけ見えるミルズの顔。

車の後部座席に乗っているミルズ。放心状態の顔。

 

「心配ない、彼のことはまかせろ」

と、別のベテラン刑事に言われるサマセット。

車が走り出した。さっきまで犯人が乗っていた、後部座席の前に金網がある車に乗ったミルズが去っていく。

 

サマセットの声で、こんなセリフで映画が終わる。

「ヘミングウェイがかつて言った。この世はすばらしいところだ。そのために戦う価値があると。あとのほうは共感できる」

 

最後の最後に、犯人が亡くなったことで、悪の勝利で終わる。

 

なんともすっきりしないラスト。