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野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

ロビイストのリアは、長年交際していたデイブと結婚したいと思っていた。

しかし、デイブの家族は親や兄弟も離婚している。子どもが欲しいリア。

 

結婚に対する考え方が違うと気づいた2人は、口論になり、別れてしまう。

 

バーで飲んでいたリアは、露骨に店の外に連れ出そうとする、嫌な感じの酔った男性にからまれ、困っていたところを男性に助けられる。

その男性、カーター・ダンカンは理想的な男性だった。

 

が、実はカーターは、理想的な男性ではなく、付き合ってはいけない人だった……。

 

 

 

ネタバレしてます。

 

前半は、リアがデイブと別れたあと、カーターと少しずつ距離を縮めていく、ラブストーリーのような展開。

でも、あらすじで、「サスペンス」と書かれていたから、いつになったらサスペンスが始まるのかと思っていたら。

 

始まったら、カーターの怖い部分がバンバン出てくる。

 

まず、カーターの頭がいい。

リアと男女の関係になったあと、カーターがガソリンスタンドで、リアが車の中にいて、外から知らない男に話しかけられていたのを見たカーターが激高。普通じゃない怒り方をして、一方的にその男をボッコボコにしたことで、リアが恐怖心を持った。そのあと、それが別れの原因に。

 

ところが、ふられたカーターは、リアを追いかけるようになる。しかも犯罪になるようなことまで。

文字通り、手段を選ばず。

 

でも、犯罪にならないように、なおかつ、カーターが自分で自分のやったことに言い訳ができるような状況をつくる。

 

やってることはストーカーそのもの。

 

リアが自宅にいないときに、家の中に入り、洗面所でリアの歯ブラシを口に入れたり。

カーターがまだ家にいるのに、リアが帰ってきたので、クローゼットに隠れていたり。

 

途中で、リアがデイブと復縁。

別れる前に結婚を考えていた仲だった2人は、急速に仲良くなってラブラブに。

 

バスルームで、リアがシャワーを浴びていると、あとからデイブが入ってきて、抱き合ったりいちゃいちゃしてる。

そのとき、湯気でくもって白くなってるバスルームのガラスに、誰かの右手が。

カーターが、自分の手のあとをそこに残し、2人に気づかれないまま去っていった。

 

あと、すごいヤバかったのが。カーターが、実はリアとデイブのいるベッドの下にいた(!)。

リアがいないいないときを狙って家に忍び込み、寝室に隠しカメラをセット。

 

リアとデイブがしているところを見て、パソコンの前で一人嫌悪感むき出しの顔をしているカーター。

カーターの近くには、リアの家から盗んできた飼い猫の茶トラの猫、ラスティが。

 

カーターによって、リアのベッドでの写真を仕事関係の人にバラまかれ、しかもそれがリアが自分で送ったかのように仕組まれてしまう。リアは停職処分に。

 

リアもやられっぱなしではなく、警察の人に相談。やり返したいと思っていた。するとハンセン刑事は、「コーヒーを飲みに行こう」と言い、二人は取調室から、警察署の向かい側にある喫茶店へ。

 

護身用にピストルを持っておいて、最初の2発はビーンバック弾(撃たれても皮膚を貫通しない)にして、残りの5発を実弾に。

それなら、法律的にセーフだという話をして、先に喫茶店を出ていくハンセン刑事。はっきりとは言わない。

 

カーターを怒らせるようなことをするリア。

カーターが金髪の女性を口説いているところに近づき、警告して女性を帰らせる → カーターを車で尾行。家をつきとめ、家の中に入って、パソコンを破壊。家の中をめちゃくちゃに。(ついでに、飼い猫ラスティをとり戻す) → さらに、カーターの取引相手に、リアへの接近禁止命令の書類を届ける。取引は失敗。 → 家に帰ったカーター。部屋の壁には「まだ足りない かかってきなさい」とリアが赤いスプレーで落書きした文字が。

 

そうやって、カーターを怒らせ、自分に直接会いに来るように仕向けたリア。

だいぶ危険なことをしてるけど、結局、リアの計算通りに。

3発目の銃弾は、カーターの胸の真ん中を貫通。

 

リアはカーターに殴られて顔にあざが。ピストルを持って、警察署に出頭したリア。

ハンセン刑事は、リア、そしてピストルを見て、すべてを察したようで、「大丈夫?」という問いに、リアは「やっとね」と。

 

こういう映画って、最後は、悪いことをさんざんやってきた人が、死をもって償う形になりがち。

カーターも、最期はリアにピストルで撃たれ、亡くなった。

 

リアは、このあと裁判にかけられ、おそらく、ハンセン刑事の言ったように、正当防衛が認められて無罪になるはず。

でも、カーターってほんとしつこいし、執念深いし、頭が良くて、さらにヤバい人。

 

ハンセン刑事によると、過去に犯罪歴があり、合法的に名前を変えていたという。

カーターが、会社で優秀な営業の人として働くことができたのは、名前を変えなければ(別人になっていなければ)、働けなくて、生きていけなかったんじゃないか。

 

ストーリーの前半と、カーターの恐ろしい本性がわかったあとの後半で、だいぶカーターに対する印象が変わる。

カーター、解明前の本名はロバート・アダムスで、実はパーソナリティ障害(反社会性人格障害)だった、とハンセン刑事がリアに話しているのを聞いて、納得。

 

最期、リアが自分を殺すように、そこまで計算して行動していたんじゃないかと。

そんなことになったら、リアは心に傷を負うし、と同時に、カーターのことを忘れられなくなってしまうから。

もしそうだとしたら。死んだあとも自分のこと忘れないで、って、怖すぎる。最悪な嫌がらせ。