ゆりかごを揺らす手 | 想像と好奇心でできている

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突然ですが、女って怖いよね。

 

逆恨みする女、狂気に支配された女、ナイフで切ったりんごをフォークではなく、ナイフで直接食べる女は怖い、と思った『ゆりかごを揺らす手』。

 

タイトルの『ゆりかごを揺らす手』が気になったので調べてみた。

「ゆりかごを揺らす手は世界を支配する」という英語のことわざ。

 

ゆりかごを揺らす手、つまり母親が、子どもの一生に影響を与える、という意味ですかね。

 

妊婦検診で、わいせつ行為を受けた妊婦、クレアが医師を訴えた。

訴えられた医師は自殺。

妊娠していたその医師の妻、ペイトンはショックで流産。子どもを産めない体になってしまう。

 

彼女はベビーシッターとしてクレアの家に住み込み、復讐を始める。

 

憎しみに満ち溢れているときの、無表情に近い顔が怖い。ペイトンの二重人格なところが怖かった。

 

変な言い方だけど、ペイトン、嫌がらせが上手。

この人になにをすれば、ダメージが与えられるか、って考えるのが天才的に上手。で、狙い通りになる。

後半、ペイトンがクレアを家から追い出し、自分が母親になるとクレアの娘、エマに言うシーンはサイコの極み。完全にヤバい人。

 

クレアの持っている母親という立場を手に入れようとしたところで、亡くなった夫や我が子が戻ってくるわけでもないのに。

 

 

『少年は残酷な弓を射る』と『八日目の蝉』を思いだした。

女性の妊娠、出産に関するシーンが出てくる。どちらも、妊娠、出産によって、女性がマイナスの影響を受けて、人生が良くない方向に行ってしまう話。

 

女性は男性より、妊娠、出産に対して距離を置くことができないからなぁ。最初は距離感ゼロの状態だし。

 

夫が亡くなり、子どもも失い、その上子どもが産めない体になった。

夫を自殺に追いやった女性は、自分が失ったものをみんな持っている。

精神的に壊れる理由としては、これだけショックを受けるようなことがあったらしょうがないよな、とは思うけど。

 

最後は、ペイトンがやったことに対して天罰が下ったかのような結末。

庭師のソロモンがつくった、先端がとがってる塀の上に落ち、即死。

ストーリーの最初に、外から人を入れない、家から外に出さない、と塀をつくる理由をクレアとソロモンが話しているシーンがあったけど、まさかこの会話が伏線になっていたとは。

 

嫌がらせするペイトンに共感はできないけど、でも、ちょっとかわいそうな人だよなとも思ってしまった。