帰ってきたヒトラー その1 | 想像と好奇心でできている

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野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

これを見たあとネットしていたら、『帰ってきたムッソリーニ』っていうタイトルの映画ができた、というネットニュースが。

この映画のイタリアバージョン、みたいな感じでしょうか。

 

日本バージョンはできないよなー。残酷で冷血な独裁者っていないし。

あと、政治に関することをお笑いにするのって、そんなにウケないような気がする。

 

注意。ネタバレしてます。

 

 

2014年のドイツで、なぜか、公園の片隅に倒れていたヒトラー。

テレビ局からクビと言われたテレビマンのザヴァルツキが、自宅で撮影した映像を編集していたら、母親が映像に映っているヒトラーを発見。

この人を使って番組をつくって、上司に見せたらクビじゃなくなるかも、と賭けに出たザヴァルツキ。

 

街の中を歩かせて、会った人に話を聞いて、社会とか政治に関する不満を聞いていくヒトラー。

そういえば、ドイツって移民の問題で揺れてる国だったなぁ、と思いだす。

車に乗って、二人でドイツ国内を走り、いろんな人と対話する、政治系街ブラロケ、みたいなことをする。

 

でもヒトラーなので、ヤバい部分が。犬を飼おう、とブリーダーのところに行ったら、なでていた犬に指をかまれるヒトラー。犬、足にじゃれついてかんでる。

キレたヒトラー、ピストル出して犬を処刑。銃声にびっくりして振り返るブリーダーとザヴァルツキ。

車内で、ヒトラーに怒るザヴァルツキに、死んだ犬をパペット人形みたいにして運転するザヴァルツキの前に出すヒトラー。これが冗談のつもりらしい。車を止めて外で吐いてるザヴァルツキ。ユーモアのセンスが狂ってるヒトラー。

 

この映像をYouTubeにアップしたら、視聴回数がすごいことに。ウケた。

それを上司のゼンゼンブリングに見せて、クビを撤回してもらおうとするザヴァツキ。

テレビ局に連れてきたヒトラー、勝手に会議室へ。テレビ局の偉い人たちの前で、演説するヒトラー。

 

でも、まわりの人たちは彼を、すごい演技力でヒトラーのキャラになりきってる芸人だと思い、みんな笑って彼の話を聞いてしまう。おもしろがった局長の女性(ザヴァツキの上司のさらに上司)が、ヒトラーをテレビに出そうと提案。

 

テレビ番組に出演し、YouTuberのネタにされる。ヒトラーの発言に対して、批判するYouTuberがいたり、七三分けに、ひげを描いて、総統風メイクを見せる美容系YouTuberがいたり。笑

テレビ番組出演したら、これが観覧のお客さんにも、視聴者にもウケが良かった。ヒトラーは芸能人みたいな扱いをされるように。

この番組を、仲良くなっていたテレビ局の受付の女の子、クレマイヤーと彼女の家で見ていたザヴァルツキ。

ソファでイチャイチャしていたら、後ろの棚に置いてあったメノラー(6本立てられるろうそく立て。ユダヤ系の人の家にあるもの)がザヴァルツキの頭に落ちてきた。それでもいちゃいちゃして、キスする二人。

 

テレビの力で人気が出たヒトラー。ゼンゼンブリンクが、ブリーニを追い出して自分が局長になろうと、ヒトラーが犬を撃ち殺した映像を放送してしまう。ヒトラーの残酷な一面がバレて、ブリーニはクビに。ヒトラーも番組を降板。

ゼンゼンブリンクの思惑通りに、自分は局長に。

 

ところが、ヒトラーがいなくなったら、番組の視聴率が低下。

つまり、ヒトラーの人気がそんなに落ちなかった=支持者が減らなかった。本当は、極悪人なのに。

ホテルを追い出されたザヴァルツキは、母親のいる自宅にヒトラーを連れてくる。眉をひそめる母親。

ヒトラー、日記を書いて出版。『帰ってきたヒトラー』は、大ヒット。ベストセラーに。

 

3か月後、ゼンゼンブリンクは低視聴率の責任を追及されていた。それならば、とヒトラーが出ていた番組を週5日放送したらどうかと提案。この発言、自分が局長としてダメだと認めるようなものだね。

ザヴァルツキは、ヒトラーの『帰ってきたヒトラー』をもとに、映画を作成。でも、ヒトラーの過去がまったくない。

ザヴァルツキが貧困の子どもたちをテーマに撮影した映像には、白い煙と、小さな雷のようなもののあとに、ヒトラーが立ち上がったところが映っている。(おそらく、ヒトラーがこの時代にタイムスリップしてきた瞬間の映像)

 

その2 に続きます。