本の値段 | 想像と好奇心でできている

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日々、思ったことを書いてます。
野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

Eテレの「オイコノミア」。


経済のことなんてまったくわからないんだけど、

この番組はわかりやすくて、ときどき見ている。


テーマは本の値段の決め方だった。ゲストは西加奈子さん。

「サラバ!」の著者で、又吉さんとはお友達でもある。


以前、別の深夜番組で、羽田慶介さんがおっしゃっていた。

「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞する前と、

受賞したあとの出版社の態度がかなり変わったんだそうだ。


次の本を出すにあたって、校正を続け、1年以上「出す」「出さない」と話し合っていた出版社が、

急に「出します」と言ってきた、と。

芥川賞をとったから、出しても売れると判断したから、だろうと。


なんでも、一回でも売れなかった本を出してしまうと、その情報が残るからなのか、

次の新刊を出すことを出版社がためらってしまい、出すのが大変なんだとか。

これは作家にとっては大問題。


「そんなことテレビで言ってもいいの?」と思うような裏話なんだけど、ずっと作家を続けてきた人にしか話せないことでもあった。

羽田さん、ストレスがたまっていたんですかね。笑 愚痴や不満、毒舌もあって、おもしろかったし、ためになりました。


さて話を戻して。「火花」の著者、又吉さんだったら、次の本(新作が待ち遠しいのはファンだけじゃなく、出版社もそうでしょう)はスムーズに出してもらえるでしょう。


でも、これって、実績がない新人の作家とか、本を出してもヒットしたことがない作家はすごく不利。

だから本屋さんって、人気があって、名前が有名な作家の本ばっかり置いてあるんだなー、と納得。


西さんが、図書館や古本屋で本を置いてもらうことによって、

それを見た人が、その作家の別の本を買ってもらえる可能性がある、と言っていた。

でもねー……、嶽本野ばらさんが「破産」に書いていたけど、みんながみんな本を出してもらえるわけじゃないそうですよ。純文学誌に載ったとしても。それ以前に、そこに載せてもらえない人も多いんだと。


作家って出版社との関係でいろいろと大変。


一回ダメだと、その情報がずっとつきまとって、うまくいかない。

これって、なにかに似てるなーと思って考えてみた。

芸人さんが、テレビでネタやったんだけど、あまりウケなくて、番組スタッフに使ってもらえなくなって、その良くない印象やレッテルがネットによって広まった。そんな感じか。


そういやケータイ小説、本屋で見かけなくなりましたね。あっても人が来ないような場所とか。

ブームってそんなもの。