パラノーマルアクティビティ第2章 TOKYO NIGHT | 想像と好奇心でできている

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野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

ネタバレしてます。


アメリカに旅行に行っていた姉・春花事故に遭い、帰国して、しばらく車いすでの生活を余儀なくされる。

ある日、ベッド脇に置いたはずの車いすが窓際に移動していた。

弟・幸一は部屋にカメラを置いて、ひと晩中撮影してみると……。


不可解な映像がいくつも。音で驚かせるのが多い。

ガラスの割れる音は定番で、びっくりする。

不意打ちが予測できない。見るお化け屋敷みたいな。


どういうことなのか、原因は説明されないままストーリーが進んでいく。

不可解な現象は、夜、静かな部屋から始まる。

誰もいないのに、見えないなにかにベッドから引きずりおろされ、ベッドの下に引っ張られ、悲鳴をあげ続ける姉を助けにいく幸一。

幸一が部屋に入ってきて、ベッドの下を撮っても、なにもいない。

春花はだんだんと精神的に不安定になって、「悪魔がいる」「とりつかれてるみたい」と弟に言う。


それから、パソコンで悪魔について調べたり(悪魔の挿し絵。黒いヤギにコウモリの羽根が生えてる)して、幸一が寝ている春花の左手に木製の十字架を握らせ、部屋を出ていった。


このへんで、「春花が多重人格者」「実は弟がやっていた」「それとも幽霊のせい?」といろいろ考える。

でも、映像の収録時間の数字がとんだりしてない。(それがあったら、実は幸一が映像を編集していて、このシーンでこんなことが、っていうのが可能だけど)


十字架が春花の手から床に落ちる。勝手に十字架が床の上をすべって動き、止まる。

部屋の窓ガラスがふたつ、部屋に飾ってある絵のガラスが割れる。

そして、十字架から急に火が。燃えあがり、真っ黒に焦げた十字架。


後半から終わりにかけて、不可解さがいちだんと強くなる。

夜、眠っているはずの春花が起きて、ベッドから立ちあがった。

幸一がふすまから出ている足を見つけて、ふすまをあけようとしたとたん、後ろから春花が来て、幸一に蹴りを。ギプスはめてるからすごく痛そうな音が。

走って家を出て、タクシーをつかまえ、逃げる幸一。

が、タクシーの前に春花が突然現れ、ぶつかった音がして。あ、ひいちゃった……。


場面が変わり、霊安室。画面左側が暗闇。

遺体を確認しに来た幸一。

このとき、遺体は春花のものだと思っていたんですけど。

急に幸一がひざまずいて、引っ張られ、画面左側に連れ去られてしまう。


「山野幸一は死亡

父・繁幸の遺体も自宅から発見。

山野春花の消息は 現在も不明のままです」


英語と日本語の字幕が出たあと。

画面左側、遺体が横たわっているベッドの左。

長い髪の毛で顔のほとんどが隠れて、左眼だけが出ている春花らしき人物が、カメラのほうを向いて立っている。

左眼の黒目がゆっくりとカメラのほうを見て。終わり。


見ているの想像力にかなりゆだねるホラーだなぁ、というのがまず思ったこと。

与えられた情報をもとに想像すると。

あのふすまで倒れていた人は、父親ってことか。

春花は悪魔にとりつかれて、正気を失い、自宅で家族を殺害。その後、行方不明に。

人間じゃないものになってしまった。

ってことですかね。

想像にまかせる終わり方だから、こっちが自由に考えられる分、すっきりはしない。

これはこういうことで、こうでした、ってわからないまま終わるのが苦手な人は、嫌な終わり方です。


両足にはギプスをはめて、歩くときはかなり足音がする春花。

なにかに完全に操られてるような、意識がないのに動く人形みたいな、不自然にひざが折れてる、春花の歩き方が不気味。


ホラーって、静かでなにも変化がない時間(いわゆる「間」)と、画面のどこかに「ここになんか出ないかな」って思わせるような余白(暗闇とか、タンスや仏壇、鏡など)があると怖いんだな、って思いました。