マイ・サマー・オブ・ラブ | 想像と好奇心でできている

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日々、思ったことを書いてます。
野いちごでは、 『テレビの感想文』ときどき更新。

ストーリーの重要な部分がネタバレしてます。ご了承ください。


空虚な眼をしたモナと、都会から来たタムジンの、ひと夏の友情物語、だけではない。

二人とも、家族のことで悩んでいるという共通点があり、急速に仲良くなっていくんだけど。


モナのお兄さんは、犯罪歴があり、いまは熱狂的なキリスト教信者。でも、人としてダメですね。

自分の考えを押しつけられるのが嫌だ、ってことがわかっていない。

だから妹が家に寄りつかない、自分を避けてるってこともわかっていない。


キリスト教がどうのこうの、ってシーン、苦手でした。苦痛。

最後のほうで、そのキリスト教も嫌になって、家を出ようとしたモナを部屋に閉じこめ、信者たちを家に呼び、キリスト教の言葉を部屋の外から聞かせ続ける。

こんなの、精神的な拷問じゃないですか。これでモナの気持ちが変わると信じ切ってる、その発想がヤバい。

が、抵抗するモナ。すると、部屋に入ってきて、妹のお腹を蹴るという暴力を。酷いね。


女の子の友情の、ダークサイド。

私自身、嫌な思いをしたことがあるので、なんとなくわかります。苦笑

(女の子の友情は、裏表があったり、その場にいない人の悪口で盛り上がったりと、なんか信用しきれない部分があります。一方、男の子は友情はその逆だと思ってるんですけど、ほんとのところ、どうなんでしょう)


タムジンのお姉さんは、拒食症で死んではいなかった。

家を出てきたモナが見たのは、タムジンの姉。

学校に戻ると言うタムジン。家を出ようとするモナに、タムジンの姉から、着ている服を返してほしいと言われる。

このときの、モナの泣きそうな表情。心に傷がついたのが見えたような気がした。


二人だけの場所だった川で、タムジンを川に沈めて、首を絞め、危うく殺そうとしかけたモナ。

川を出て、一人帰っていくモナ。

モナに「なんなのよこのクソ女!」と罵声を浴びせるタムジン。

タムジンがモナを追いかけることもなく。

そんなシーンで終わる。二人の友情は、粉々に砕け散ったガラスのように崩壊。


そのあと、二人はどうなったか描かれてない。

でも、もし続きがあるとしたら、タムジンは学校に戻り、モナも会いに行こうとはしないで終わるんじゃないかな。


タムジンはなんでモナにあんな嘘をついたのか。

「夢想家なのよ」と言い訳してたけど、あまり反省してない口調。だまされたあなたがバカなのよね、って感じで。

これは推測だけど、「一時的に友達が欲しかった」からなのかな。

いや、「一時的に暇つぶしになるものが欲しかった」。それぐらいの残酷さを感じる。


ひとり、歩いて帰るモナ。エディット・ピアフの歌声が合ってる。

川のある森の風景、綺麗でした。