[- 悠久の不思議な歴史を巡る旅 -]
- 第18回 -
≪ 東 福 寺 ≫
通天橋の紅葉の名所として名高く、
撮影場所としても有名な
東福寺の不思議を巡る旅は、
本日が初日となります。
今回の東福寺の不思議を巡る旅は
東福寺南大門をSTART地点とし、
東福寺北門をGOAL地点とした
不思議探訪ツアーとなります。
それでは!私と一緒に
悠久の不思議な歴史を巡る旅に
出掛けましょう!
不思議 1
〔 猫のいる涅槃図 〕
猫は魔物ということで
涅槃図には入れないものが多いのだが、
明兆筆の縦八間、
横五間の大きな涅槃図には
猫が描かれているんです。
明兆が涅槃図を描いていた頃、
夢に愛猫が現れた。
涅槃図には
古来、
猫の描かれた例はないから、
この度は是非、加えて欲しいといって咥えてきた
絵具を差し出したのを見て目覚めた。
不思議なことに枕元に絵具があったので、
この猫の願いを聞き入れたという。
猫が絵具を咥えてきた地を
絵具谷(五色渓、絵具渓ともいう)という。
『各所都鳥』には、
「絵具谷は東福寺の東の山にあり。
この寺に絵の上手有。
世にしれる兆殿司なり。
あるときこの谷よりたぐひなき硃を掘得たり。
これ山神の加護を得たる程の上手也といふ。
按ずるにむかしこの谷に、
高位の人を葬し、
棺の中につめたる朱なるべし。
たまたま彫得たるゆへに寄とせるものならし」
と記されています。
『都名所図会』には、
「兆殿司、一生画ける絵具は神感を得て
稲荷山の北より出づる。
いま絵具谷といふ」
と記されているように、
絵具谷から絵具が産出されたとする。
この涅槃図は、
毎年三月十四日から十六日にかけて催される
釈迦涅槃会で一般公開されています。
※※※※※※※※※※
★ 龍虎 俊輔 ★
※※※※※※※※※※