上司に言われてここへ来た石本たちは、出迎えた雅子の案内でリビングに通された。
彼らが緊張しながらリビングへ入ると、そこにはニコニコ笑顔の峰子がいた。
リビングの柔らかい空気で、石本たちの緊張が少し和らいだ。
そこに太郎を乗せたまま、警察庁長官である誠一が現れた。
誠一が石本たちに毅然として言う。
「諸君に特殊任務を与える。明日から長田峰子君の身辺を警護するように!これは正式な任務だ!堂々と遂行してくれ!」
四人が再び緊張して戸惑いながらも、それぞれがハッキリと返事をした。
「はいっ!」
その時、太郎が声高らかに言った。
「ケイレ~イ!」
太郎の号令で、誠一までも石本たちと共に敬礼した。
体に染みついた条件反射なのだ。
それを見た峰子や他の人は、流石の瞬発力だなと感心しつつ、我慢できずに笑った。
何故なら、太郎もキリッとしたお顔で、右の翼を上げて敬礼していたからだった。