白澤卓二(国際予防医学協会理事長)先生のメルマガに、
炭水化物を厳しく制限し、カロリーの大半を脂肪で摂取しようとする「ケトン食」は、てんかんの治療食として米国で安全に臨床応用されてきたダイエット法です。
米国エール大医学部の岩崎明子博士らの研究チームが、ケトン食にインフルエンザに対する予防効果があることを報告。
研究チームはマウスにケトン食を与えた後、インフルエンザウイルスに感染させたところ、
インフルエンザによる死亡率が普通のエサを与えられたマウスより有意に低いことがわかったのです。
研究チームが肺を調べると、ケトン食を与えられたマウスの肺にガンマ・デルタT細胞が増加していて、感染を防御していることがわかりました。
インフルエンザの流行期にワクチンを接種していないのに感染しない人もいる。
これまでインフルエンザにかかりにくい人がどんな体質を持っているかに関しては、必ずしも詳細には理解されていませんでした。
今回の論文は、食事による体質改善により予防効果が得られることを示しています。
流行期になったら、糖質の摂取量を制限し、積極的にココナッツオイルやMCTオイルを使うことで、感染防御能力を上げ、免疫機能を保つことが重要になるのではないでしょうか。
ともあれ、ケトン食の、高齢期の生活の質を保つための食事法としての重要性が確認されたといえます。
でも、私には、
日本人に適した食事の在り方
糖質を控え、脂肪を増やす「ケトン食」。
てんかん患者に対して有効であるとして、
長い歴史を持つ食事療法ですが、
近年はケトン食の継続によってがん患者の予後が改善する可能性が報告され、
日本国内でもその臨床効果が注目を集めています。
ケトン食そのものはあくまでも食事療法であり、
健康な人に推奨される食事法ではありません。
しかし、その本質を突き詰めると、
「日本人の体質に合った食事」のあり方が見えてきます。
日本人が健やかに生きるために必要な食事と、
理想的な食事スタイルについて、
2013年から国内で初めて「がんケトン食療法」の臨床研究を開始した、
大阪大学医学系研究科・萩原圭祐(はぎはら けいすけ)特任教授の話の方が腑に落ちました。
昔ながらの食習慣を取り戻すことが大切
「丁寧に作られた食事を、誰かといっしょに食べる」ことが大切
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