今週は本店・藤原がお伝えします。
これは岩手に伝わる伝説のお話です。
その昔、力持ちで男気のある岩手山(2,038M)と、器量が良く働き者の姫神山(1,125M)が
夫婦として仲睦まじく暮らしていました。
ところがある年の事、岩手山は美しい早池峰山(1,917M)に心奪われてしまいました。
そして、早池峰山を側室として迎えたのです。
第11回『いわてマンガ大賞』優秀賞受賞 風見緑哉/らんぼ 作より
それを知った姫神はたいそう怒り、夫の不実を毎日なじりました。
耐えかねた岩手山は送仙山と言う家来に『姫神を私の目の届かない所へ連れて行け』と命じた。
送仙山は姫神が気の毒でなりません。しかし、岩手山の命令にはそむけず東へと連れて行きました。
足取りの重い姫神をあまり遠くへは連れて行けず、北上川を挟んで少し離れた所へ座らせました。
翌朝、近くに姫神の姿を見つけた岩手山は怒り狂います。
そして命に背いた送仙山の首をはねてしまいました。
斬られた首は岩手山を憎みながら跳んでいき岩手山稜線上の鞍掛山になったそうな。
送仙山の山頂が平たいのは首を打ち落とされたからなのです。
これ以降、岩手山・姫神山・早池峰山が同時に姿を現わす事は滅多に無くなりました。
岩手では『同じ年に岩手山と姫神山に登ってはいけない』と言う言い伝えが有ります。
それはこの『岩手三山伝説』からのものでしょう。
ところで、私が毎日の通勤路で見ている景色の紫波町・矢巾町の山たちも
『志波三山』と言われています。
東根山・南昌山・箱が森の三山です。
左から 『東根山』 『南昌山』 『箱が森』
最近、登山やトレッキングがブームだそうです。無理な計画を立てず
楽しい山歩きを楽しみましょう。