始まっていなかったから

これぐらいの気持ちでいられるの

5年経った今でもあなたは変わらない

ただ決して覚えていないのよね

絶対に たぶん そうきっとね


この気持ちが何なのか

言葉にするには小さすぎて

考える度に少しずつ たぶん そう

いつの間にか家に帰り着いていたの

大人になるのは私には難しいみたい


応えてくれたのは ただの欲かしら

初めましてのふりが上手いだけかしら

出来事を思い出すには

時間は いらないくらいなのに


会話や行為は覚えていない

性格や空気は忘れられない

そうね あの頃は若かったから

私の印象は悪かったのでしょう


顔を見なかったのは

先に体を洗わせたのは

体を合わせる目的だなんてさ

そろそろ気付く頃かしら

時々起こる沈黙で思いを重ね合わせて


気持ちよかったの 単純なくらいにね

演技もしたわ あなたと同じようにね

心を通わせないこの時間が

私の経験では初めてだったから

こまめに笑いかけても無意味なのね


あの家 あの部屋を どこかで見たのよ

誰だったろう 何処だったろう

大きな鏡が一枚と薄暗い照明

この部屋の その部屋の 空気が苦手でさ


落ち着いた表情に何を描くのか

何も怖くないと考えている顔ね

どうせ惚れているのだろうって

思われても仕方ないくらいの演技だもの


一歩前には決して進まないわ

絶対と言える自信があるかしら

相手にはされないもの たぶんね

きっと徐々に惚れ込んでいくのよ

そうね そうなることを期待するわ