童謡『きのこ』が2018年の僕のベストヒット曲。

あまりにも気に入りすぎて、
知らないうちに口ずさんだりしています。



そして、それはしばらく前のこと。



雨の降る日に抱っこ紐をして
セブンと一緒に外出していました。


大変なわけです、
赤ちゃんを雨にさらさずに歩くのは。


そもそも僕は昔から
傘を差すのがとても下手くそです。
(物事にはなんでも上手い下手があるのです)

小雨くらいの雨勢でさえ、
傘を差していても膝下まできちんと濡れます。

なんなら神聖不可侵のはずの靴下領域まで
やすやすと雨水の侵攻を許してしまいます。


身長が高い人は傘との足元の距離感から
傘下手の人がおおい傾向にありますが(柴崎調べ)、
身長178㎝の僕はそれにしても下手すぎると自分でも思うくらい。


そんな僕が胸に赤子を抱いているわけです。
しかもその日の雨はそこそこ強い。
風もなかなかの強さで吹いていて、
雨にけっこうな角度をつけている。


自宅までは電車で数駅。

しかも時間は帰宅ラッシュ時刻。


大通りはイルミネーションと人混み。


話し声はそこかしこで聞こえるのに、
街全体は静かで寂しげな空気で包まれています。



……タクシーに乗りたい。


景気よく、びゅんと車で帰りたい。


いまから赤ちゃん連れで、
他人の傘がふれあうような
蒸した人混みの電車に乗りたくない。


あぁ、神様、
願わくば僕はいまタクシーに乗りたい!



と、そんなとき。



一流ブランド店から出てきた女性がいました。



脚が細く、仕立ての白いコートを着て、
小脇には小さなハンドバッグを抱えていました。

足元から鳴るハイヒールの音は
通りに祝福を与える銀の鈴の音のように聞こえます。


彼女はこの雨の中
傘を差していませんでした。


そもそも、
生まれてからこのかた
自分で傘など差したことがないとでもいうような
いかにも裕福そうな女性でした。



彼女は店から出てきて幅広い歩道を横切ると、
サッと美しい右手を挙げて
タクシーを呼び止めて乗り込みました。




この歌がふと僕の頭に聞こえてきたのは、
そんな夕方のことです。




それではみなさん聴いてください。




『せれぶ』



(童謡『きのこ』のリズムで)

 

 

 



せ、せ、せれぶ
せ、せ、せれぶ

のこのこ のこのこ
歩いたりしない

せ、せ、せれぶ
せ、せ、せれぶ

のこのこ
歩いたり しないけど


銀の雨あめ 降ったらば
傘もささずに
「タクシー !タクシー!」

生きてる 生きてる
生きてる 生きてる
せーれぶは 生きてるんだね




 ★


ちなみに、この曲紹介部分はほとんど嘘です。

(傘下手なのは本当だけど)



この替え歌を気に入って最近よく歌っています。

でも、セブンが『きのこ』と勘違いして
喜んで聞いてくれている姿を見ると、
なぜか胸が痛みます。(ならやめろ)



というわけで、
みなさん今年もよろしくお願いします。

 

 

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