つづき。

 

 

僕は小学校から大学まで、

16年間一貫教育の学校に通っていました。

 

その当時の同級生だけでなく、

同じ小学校の担任に教わった先輩後輩が集まる同窓会に

今回僕は、家族3人で出席してきました。

 


たまたま会場となった店が

家からすぐ近くにあったこともあるし、

同級生(というか幼なじみ)にセブンを会わせたい

という気持ちもありました。

 

 

 

そのため、

ふだんから着まくっている毛玉だらけの二軍の服ではなく、

あまり毛玉の付いていない一軍の洋服をセブンに着せて

僕らは会場へと向かいました。

 

 

セブンの細い髪には

櫛をいれてばっちりと七三分けにし、

しっかりと保湿クリームを塗り込むような

気合いのいれようです。

 

 

 

「あいつらに、うちのセブンをかわいいと言わせたい!」

 

 

という一心からの手間暇です。

 

 

 

子供がいるとなにかしらハプニングがあって、

いつも時間ギリギリになってしまう僕らですが、

この日はたまたま、会場の近所の店に

妻が寄る用事があったため、

到着したのは三十分ほど前。

 

 

 

それが良かった。

 

 

 

あるいは、悪かった。

 

 

 

 

その時、僕がセブンを抱っこしていたのだけれど、

途中で彼に靴下をはかせていないことに気がつきました。

 

 

ノーソックス。

 

この真冬のくそ寒い夜にです。

 

 

 

もちろん抱っこ紐にはオーバーコートを被せていたし

セブンが寒いことはないのだけれど、

これから先輩後輩同級生&先生と会うわけで、

冬の外出に靴下をはかせていないなんてことになれば

僕の父親としての良識を疑われてしまいます。

 

せっかく一軍の服を着てるのに、

足元は裸足。

これでは頭隠して尻隠さずです(ちがう)。

 

 

 

というわけで、妻が用事を済ませている最中、

僕は会場となるお店の近くにあったGAPに駆け込んで

急遽、セブンに履かせる靴下を買うことにしました。

(裸足のセブンを抱っこしたまま)

 

 

 

と、ここで告白しますが、

僕は一人で洋服屋のベビーコーナーに

足を踏み入れたことはそれまでありませんでした。

 

 

妻と一緒に入ったことはあるけれど、

その場合、コーディネートの決裁権を握るのは妻です。

だからあまり熱心にベビー服を見たことがありません。

 

 

みなさんあります?

ベビー服売り場に入ったこと(あるよね)。

 

 

 

なにあそこ。

 

 

 

パラダイスじゃん。

 

 

 

 

もう全部かわいい。

 

 

 

ぜんぶ着せたい。

 

 

 

店内にあるベビー服をかわるがわる我が子に着せたい!!

 

 

 

 

きっとサイズが小さいのに

大人の服同様に精巧にできているところが、

よけいに魅力的に見えるんだろうな。

 

 

長肌着や短肌着を選んでいるときと

あきらかにテンションが変わる。

 

 

 

しかも妻ではなく、自分が選ぶ。

 

 

決定権が我が手にある!!

 

 

いま手にしてお金を払ったものは、

もれなくセブンに着せることができるわけ!

 

 

 

プリティーウーマンかよ!(またちがう)。

 

 

 

で、ためしにひとつ靴下を手に取ってみると、

これがまた、安い。300円しない。

クリスマスバーゲンの時期だから半額以上安くなってる。

 

 

 

この靴下も履かせたいし、

あの帽子も、あの長袖も。

 

 

 

と、とりあえず手にしたモノは籠にいれて、

僕はひとしきり店内を物色しました。

 

 

時間も忘れてあちこち歩き回り、

胸に抱いてるセブンの背中に

服を合わせたりなんかしながら、

大満足で会計コーナーに足を向けました。

 

 

 

 

そこで、会計を見て、ふと冷静になるわけです。

 

 

 

 

靴下一足だけ買う気で店に入ったのに、

どうして自分は赤ちゃん用のジャケットなんか

手にしているんだろう。

 

 

靴下は300円しなかったのに、

なんでレジスターの金額は

見覚えのない数字を表示しているんだろう。

 

 

 

どうして僕の人生はこんなことになっちゃったんだろう。

 

 

 

そうだ、セール品はごく一部だったんだ。

 

 

それ以外はセール対象外で、ふつうの値付けだったんだ。

 

 

だからこのレジスターは信じられないような金額を提示してるんだ。

 

 

これはマズイ、どうしよう、

こんなつもりじゃなかった、

返してこなきゃ、

とふり返ると、背後にはすでに

僕の会計が終わるのを待つ人々の長蛇の列。

 

 

 

……ハメられたっ!(誰もハメてない)

 

 

 

 

この状況で

 

 

「やっぱりコレとコレとコレとコレとコレとコレはやめます」

 

 

「つまり、この靴下以外はおやめになると言うことですね?」

 

 

「それは物の見かたの違いです」

 

 

と言えるのは、相当な精神力の強さの持ち主です。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、僕は言いました。

 

 

 

 

 

 

「すぐに使うのでタグは切って下さい」

 

 

 

 

というのも忘れずに。

 

この後に同窓会があるし、

そのために靴下を買いに来たのだとうことを

すんでの所で思い出したのです。

 

 

 

 

アブねぇアブねぇ、

マジで魔法にかかってた。

 

僕のような強靱な精神力がない人間なら、

おそらく店ごと買っちまうんじゃねぇか?

 

 

 

と、同窓会の会場となる店の前で待っていた妻が

僕とセブンを見つけて、

怪訝そうな顔をして寄ってきました。

 

 

 

「靴下、あったよ。買ってきた」

 

 

 

「それはいいとして、こんな帽子かぶってたっけ?

 

 

 

……魔法はすべて解けてはいなかったようです。

 

 

 

 

 

 

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