連載小説(37) | 情熱派日本夕景

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「葵さん、凄い人だよなぁ…。
職人っていうのは、ただ作るだけだと思ってたよ…。」

レオンは驚いている。

「レオン、何驚いてるんだよ。
職人なんだから当然だろ。
素材の正体を掴めない奴が一流の職人になれるかよ!!」

アスカは突っ込む。

「…あ、そっか…。」

レオンはようやく気付いたような素振りである。
すると、セナが…

「それ以上に驚いたのが、アスカさんがプロの職人にうまく対応出来てたところですね。
どうやってそんなことを…。」

と言いかけると、アスカは焦ったかのように、

「社交術!!
ただの社交術!!」

と切り返す。

「…照れ隠しですか?」

なんか、微妙…。


一行はこんな感じで宿に向かう。

すると…。

「うっ…うっ…。」

大通りの真ん中で、一人の男性が傷だらけで俯せになって倒れていた。

「あっ!!
大丈夫ですか!?」
「…っつっ!!」

かなりの重傷らしく、あまり喋られないらしい。

シルビアは早速、回復魔術を使う。

傷はみるみる回復していった。

「…よかった…。」

シルビアの顔から、安堵感が漂っていた。

ここまで気弱だと、なんか心配にはなるのだが、そんなことはどうでもよい。
一人の命を救えたのだから。
「…兄上。」
「どうした。」
「…彼も宿に連れてって…よろしいでしょうか?」
「…まあ、疑わしいが。
好きにしろ。」
「…ありがとうございます。」