ハウリン・ウルフ カバー集 | Apple Music音楽生活

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レンタルCDとiPodを中心とした音楽生活を綴ってきたブログですが、Apple MusicとiPhoneの音楽生活に変わったのを機に、「レンタルCD音楽生活」からブログタイトルも変更しました。

1950~60年代にシカゴのチェス・レコードから出た数々なレコードがストーンズら、海の向こうのイギリスのロック・アーティストに多大な影響を与えたブルースマン、ハウリン・ウルフ

ヒズ・ベスト/ハウリン・ウルフ

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Track Listings
1.Moanin' At Midnight
2.How Many More Years
3.Evil (Is Going On)
4.Forty Four
5.Smokestack Lightnin'
6.I Asked For Water
7.Who's Been Talking?
8.Sitting On Top Of The World
9.Howlin' For My Darlin'
10.Wang Dang Doodle
11.Back Door Man
12.Spoonful
13.Shake For Me
14.The Red Rooster
15.I Ain't Superstitious
16.Goin' Down Slow
17.Three Hundred Pounds Of Joy
18.Hidden Charms
19.Built For Comfort
20.Killing Floor



主にシングル・レコードを集めたコンピレーション・アルバムです。
すぐにそれと判っただけでも、クリーム、ジェフ・ベック・グループ、リトル・フィートらがカバーした聴き覚えのある曲がザクザク出てくる、ロック・リスナーには楽しいアルバムです。
50年代から60年代にかけては、まだシングル盤の時代でしたから、ティーンエイジャーのミック・ジャガーやエリック・クラプトンがラジオから聴こえてくるハウリン・ウルフの曲をかじりつくように聴いている姿が目に浮かびますね。


今回は彼に憧れたロック・ミュージシャンのハウリン・ウルフ・カバーをいくつか紹介しますが、まずは「吼える狼」というステージ・ネームのとおりの彼の強烈なヴォーカルを聴いてみましょうか。
テレビ番組のワンシーンでしょうか、ブライアン・ジョーンズとミック・ジャガーも出演している1965年の映像です。
曲は"How Many More Years"



凄い迫力ですよね。身体全体から発する圧力が尋常ではないです。
シカゴの街でこんな怖そうな黒人のオッちゃんに声をかけられたら速攻で「アイムソーリー」と言って逃げちゃいますよね(笑)
この声は地声という訳ではなく浪花節のような唱法です。他の曲では普通のブルースマンのように歌ったり、この歌い方を取り混ぜたりしています。
ゼム時代のヴァン・モリソンもこういう歌い方をしていました。


さて、これはカバーではなく、この曲の改作レッド・ツェッペリン"How Many More Times"



ジミー・ペイジと言えばレスポールのイメージが強いですが、ヤードバーズからツェッペリン初期にかけてのペイジのメインの使用ギターはこのテレキャスター。この曲は彼らの1stアルバムに収録されていますが、ペイジは既にギターをヴァイオリンの弓で弾くボウイング奏法を使っているんですね。


原曲にはないリフを使っており、確かにカバーではなく「改作」ですね。ZEPのこの曲は何度も聴いているはずですが、ウルフのオリジナルを聴いてもすぐにそれとは気がつきませんでした。
ZEPには他にも、これはすぐにそれと分かるウルフの"Killing Floor "のギターのリフを間奏に引用している"Lemon Song"もありますが、ZEPはとかく、この手の話が多いです。楽曲の著作権印税を渡すのが嫌だったんでしょうか。
ですが、ZEPが演るとどんな曲も格段に格好よくなるのは確かですね。

"How Many More Times "収録
1969年の1stアルバム
Led Zeppelin 1 [DELUXE EDITION 2CD]/Led Zeppelin

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"Lemon Song"は同じく1969年の2ndアルバムに収録
Led Zeppelin 2 [DELUXE EDITION 2CD]/Led Zeppelin

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次は、レッド・ツェッペリンの"Lemon Song"の元になった"Killing Floor"ジミ・ヘンドリックスがカバーしたライブをご覧ください。



ギターのリフもすぐにそれと分かるほどではありませんね。
ハウリン・ウルフのカバーを名乗っている割には、原曲とは違うジミヘンのオリジナリティが出ていると思います。
原型を破壊して新たなものを創造しているという感じですね。


生前にジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスとしてスタジオ録音したアルバムにはこの曲はありません。
Apple Music にあるジミヘンの死後、CD化されたライブアルバムには何枚かこの曲が入っているので、ライブでよく演っていたカバー曲という感じでしょうね。
こちらのライブ音源にも"Killing Floor"が収録されています。

Winterland/Jimi Experience Hendrix

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何とこちらは4枚組のCD。
クリームの"Sunshine of Your Love "やボブ・ディランの"Like a Rolling Stone "のカバーも収められています。
同じ曲が2~3テイク収録されたりしていますが、彼の場合、その時々のライブで全く違ったアドリブを展開するので、これはこれで意味のあることなんです。


ZEPもジミヘンもハウリン・ウルフの原曲をロック的に発展させていますが、逆にウルフの原曲に忠実なのがリトル・フィート"Forty-Four Blues"
ハウリン・ウルフのヴォーカル物真似が一番上手いのはローウェル・ジョージではないでしょうか。



うん、これは演奏自体もかなり原曲に忠実ですね。ローウェル・ジョージはロック志向というよりも、ルーツミュージック志向の強い人ですからね。
動画の画像にはコンピレーション・アルバム『Hoy Hoy』のジャケットが使われていますが、このカバー曲が最初に収録されたのは、フィートの1971年の1stアルバムです。

Little Feat/Little Feat

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このアルバムは過去に記事を書いたこともある http://s.ameblo.jp/ryusyun-sun/entry-12021245542.html お気に入りの1枚ですが、ローウェル・ジョージ在籍時の未発表音源を集めた、先ほどの動画の『Hoy Hoy』も今回、初めてApple Music で聴いてみました。
アウトテイクにするのがもったいないくらいの演奏ばかりで、中々にいいアルバムでした。



私がハウリン・ウルフのカバー曲の中で、最も好きなのはロッド・スチュワートが在籍していた第1期ジェフ・ベック・グループ"I Ain't Superstitious"



ロッドのヴォーカル、若々しくて 活がいいですね。
もちろんジェフ・ベックのギターも最高です。

"I Ain't Superstitious"が収録されているのは、
1968年のこの作品。
ロッド・スチュワートが世に出るきっかけとなったアルバムですね。

トゥルース
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残念ながらApple Musicに、このアルバムは完全な形ではデータがありませんでした。

こちらのアルバムはありました。

ベック・オラ
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ロン・ウッドはこのバンドではベースを弾いていました。
ご存じのとおり、この2枚のアルバムに参加した後、ロッドとロンはスティーブ・マリオットの抜けたスモール・フェイセズに加入し、フェイセズとしてイギリスではストーンズと人気を二分することになります。




さて、最後は冒頭のハウリン・ウルフの動画にも出ていたローリング・ストーンズ"Little Red Rooster"
トム・ウェイツもゲスト参加している2013年のオークランドでのライブ映像。



トム・ウェイツの声、凄いことになっていますね。ハウリン・ウルフ以上に「吼える狼 」です。
しかも、作っている声ではなく地声ですからね(もはや天竜源一郎の域です)さすがのミックもあまりのことに、ちょっと引いている気配さえあります。


"Little Red Rooster"はストーンズが1964年に発売し、全英1位を獲得したシングルですが、デッカ・レコード時代のシングル盤を集めた、このCDに収録されています。


Singles Collection: The London Years/Rolling Stones

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3枚組の豪華CDですが、こちらもApple Musicで聴くことができます。


他にもクリーム" Spoonful"や、ドアーズ"Back Door Man"など、ロック・アーティストのハウリン・ウルフ・カバーは枚挙に暇がありません。どれも見事なロック(ブルース・ロック)に仕上がっています。
私が知らないカバーもかなりあると思うので、ロックリスナーにとっては「ウォーリーを探せ」的な楽しみもあるアルバムです(笑)


ハウリン・ウルフは我々世代が親しんできたロックに直接、繋がっているブルース・シンガーだと思います。
何となくロックの匂いのする人なので、「ブルース」と構えなくても聴けてしまいますね。



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