Apple MusicでJ-Rockを検索してみた | Apple Music音楽生活

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レンタルCDとiPodを中心とした音楽生活を綴ってきたブログですが、Apple MusicとiPhoneの音楽生活に変わったのを機に、「レンタルCD音楽生活」からブログタイトルも変更しました。

Apple Musicを始めたときに、自分のi-Tunesにある音楽データをApple Musicに同期させました。i- Tunes上にあるアルバムのファイルはすべて作成されるのですが、Appleのサーバー上にない曲は曲名だけは登録されますが聴くことはできません。
この時、私の持っている邦楽のCDデータはほとんど聴くことができなかったので「やはり、Apple Musicは日本のアーティストのものは充実してないな」と思いました。

で、今回は70年代当時に私がリアルタイムで聴いていた日本のロックがどの程度、Apple Musicにあるか調べてみました。
Apple Musicにあり、なしに関わらず動画は貼っときますね(笑)


まず、70年代の日本のロックで私が一番最初に思い起こすのはこのバンド。
J-Rock海外進出の先駆者、フラワー・トラベリン・バンド(F.T.B.)
2007年になって再結成。 彼らの海外進出の足がかりとなったカナダの地を翌年、2008年に再訪した時のライブ・ドキュメンタリーをご覧ください。
演奏している曲は1971年にカナダのシングル・チャート上位にランクインした"Satori - Pt.2"



ギタリストの石間秀機が弾いているのは彼自身が開発したシタールとギターを融合させたシターラという楽器ですが、70年代当時のF.T.B.では普通にテレキャスターやレスポールを使っていました。彼はF.T.B.のほとんどの曲を作曲しており、ボーカルのジョー山中とともに中心メンバーでしたね。


ジョー山中が動画の中でエマーソン・レイク&パーマーと競演ライブを行ったという話をしていましたが、この組み合わせはイイですね。
ファンの人がF.T.B.のロックを「雄大でエキゾチックだった」と表現していましたが、イギリス的な深みのあるELPのプログレッシブ・ロックとともにカナダの人達にとっては、かなりのカルチャー・ショックのあるライブだったと思いますね。
東洋的な旋律をモチーフにしながらも英語の歌詞で歌うというプロデューサー内田裕也のアイデアと戦略が図に当たり、カナダでの成功を足がかりにF.T.B.は全米でもメジャー・デビューを果たします。

当時、私が聴いていたF.T.B.のアルバムは2枚。さてApple Musicの検索結果は、

あり
1971年リリース
サトリ/フラワー・トラベリン・バンド

¥1,944
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アトランティック・レコードと契約しアメリカとカナダで発売された、海外デビュー・アルバム。
東洋的な世界観を前面に出した作品でした。

あり
1973年リリース
Make Up/Flower Travellin’ Band

¥2,911
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正確に言うとリアルタイムで聴いたのはこのラストアルバム。
このジャケ・デザインは凝ってましたねえ。革を模した素材で作られた、本物のカバンのようなジャケットでした。
いま聴いてもクォリティの高いアルバムですね。

さすがにアメリカにまで進出していたバンドは強いですね。
当時、私は聴いていなかった『Anywhere(1970) 』と『Made in Japan(1972)』というアルバムまでありました。
1stアルバム『Anywhere』にはブラック・ザバスの"黒い安息日"、 キング・クリムゾンの"21世紀の精神異常者"のカバーが収録されていますが、ジョーのボーカルが怖いほど曲にはまっています。
数年前に亡くなりましたが、ジョー山中は日本のロック史上、最強のボーカリストだったと思いますね。

同じく海外進出したバンドとしてはサディスティック・ミカ・バンドの『黒船』もApple Musicのデータベースにありました。

あり
1974年リリース
黒船/サディスティック・ミカ・バンド

¥2,057
Amazon.co.jp

やはり、アメリカやイギリスなどで知られているとApple Musicに採用されやすいのでしょうか。


さて、グラムロック全盛期のロンドンでクリス・トーマスのプロデュースで『黒船』をレコーディングしたミカ・バンドの話しが出ましたが、ルックスはミカ・バンドよりもグラマラスだったバンド、ルージュ
ロンドンのグラムロック・ムーブメントに触発されたN.Y.のバンドでニューヨーク・ドールスというグループがいましたが、確かルージュは彼らに触発された和製ニューヨーク・ドールスという触れ込みだったように記憶しています。
ルージュの"ニューヨーク・ベイビー"



ヴォーカルの歌い方はドールスのデビッド・ヨハンセンというよりも、まんまミック・ジャガーですね(ミックもこの頃は化粧してましたが)
私はこのアルバムを持っていたわけではないのですが、この曲の他にもストーンズの"It's Only Rock'n Roll"そっくり(笑)の"パフォーマー"とかT.レックスのブギー風の"スピード・ゲーム"は聴き覚えがあるので、FM番組で数曲紹介していたのを録音していたのだと思います。
後のパンクロックに多大な影響を与えたドールズのサウンドとは少し違うと思いますが、ケバい女装ファッションとメイクは確かにニューヨーク・ドールズ風。
そもそも、グラムロックというのは中性的なグラムファッションが共通点なだけで、音楽性は各々違ってていいんです。

さてApple Musicの検索結果は、


◯あり
1975年リリース
ザ・ベスト・オブ・ルージュ(紙ジャケット仕様)/ルージュ

¥2,571
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あるんですね!
このバンドのアルバムがあるのが一番、驚きました。
アルバム1枚出しただけで消えてしまったので「何でベストオブ?」と思ったのですが、そういうアルバム・タイトルだったんですね。ふざけてますよね(笑)


Apple Musicは専門の音楽スタッフと契約しているようですが、アメリカのApple Musicのスタッフがルージュを知っているとは思えないので、日本人の契約スタッフが選んだものでしょうか?


当時、中学男子の私はそれなりにカッコいいと思って聴いてましたが、今聴くにはちょっと辛いですね(笑)
とはいえ、沢田研二がいち早くメイクを取り入れていましたか、メンバー全員がバッチリ化粧をした日本のバンドは彼らが初めてではないでしょうか。そういう意味では画期的なバンドでしたね。ビジュアル系の元祖です。




次、いってみましょう。
この当時、中学男子に人気があったのは、やはりハードロック。
日本的なオリジナリティのあったハードロック・バンド、 外道"香り"をどうぞ。
これ、スゴイですよ。



ギターの加納秀人が暴走族のにーちゃん達に神輿のように担ぎ上げられて、弾きまくっているのがメチャクチャ面白いですね。
実はこの頃の暴走族やヤンキーはキャロルなどのロックンロール系のバンドだけでなくハードロック・バンドも御用達だったんですよ。クラスのヤンキーもディープ・パープルは聴いていましたね。


さてApple Musicの検索結果は、


✖️なし
1974年リリース
外道 (紙ジャケット仕様)/外道

¥3,024
Amazon.co.jp

う~ん、これは無かったか…
ザ・フーの『Live at Leeds』のようなボール紙に「外道」とだけ印刷したデザイン。このジャケット、結構好きでした。

ただ、今回、調べてみると加納秀人は現在も外道(メンバーは変わっているようですが)として活動を続けているようです。
日本のロックミュージシャンもアメリカやイギリスのミュージシャンと同様、歳を取ってもロックバンドを続けているというのは心強いかぎりです。




もう一つ、グラムロックやハードロックの他に、私が聴いていたのはプログレッシブ・ロック。
では、こちらをお聴きください。
末松康生のシュールな詞の世界。
後半、7分過ぎからの演奏が物凄い、これぞプログレと思わせる演奏力。
四人囃子 "一触即発"



四人囃子の人達って、あまりルックスがロックっぽくないでしょう?
プログレのバンドというのはワルそうな奴でなくてもできるロックバンドでしたね。
私もどちらかと言うとフォーク系のルックス(笑)でしたが、フォークソングを歌う気はなかったので、演るならプログレだなと思っていました。
ですが、当時のシンセサイザーはとても高価な楽器でメロトロンに至ってはどこに売っているのかすら判りませんでした。いや、シンセを、持っている金持ちの友人がいたとしても無理でしたね。プログレを演奏するには、この動画を観ても判るとおり高度な演奏技術が必要なんです。


さてApple Musicの検索結果は、

✖️なし
1974年リリース
一触即発(+2)(紙ジャケット仕様)/四人囃子

¥1,543
Amazon.co.jp

あり
1976年リリース
ゴールデン・ピクニックス(紙ジャケット仕様)/四人囃子

¥2,700
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『一触即発』は、ないのかあ…
このジャケットのイラストは印象的でした。
なぜ、『ゴールデン・ピクニックス』があって『一触即発』はないのか解せません…?

2ndアルバムの『ゴールデン・ピクニックス』の方はプログレというよりもフュージョン色の濃いアルバムです。
ギター&ボーカルの森園勝敏はこの後、四人囃子を脱退してフュージョン・バンドのプリズムに参加します。
腕自慢のプレイヤーはロックからフュージョンに転向していく時代でしたね。
サディスティック・ミカ・バンド解散後、ソロに転向した高中正義もフュージョン・ギタリストとして大成功しましたよね。
この頃はロックよりフュージョンを演っている方がエライという風潮すらありましたね。学生の頃、住んでいたアパートにフュージョンを演っている先輩がいたのですが「先輩は前はロックを演っていたんですよね?」と尋ねたところ、まるで、もう過去のことだと言わんばかりに「昔な」と吐き棄てました。
ほんの1~2年のことなのに「昔」って…




今回、他にも様々な日本のロックをApple Musicで検索してみましたので、機会があれば、また結果発表(笑)しますね。個人的には面白かったです。