ボニー・レイット『ファースト(1971)』 | Apple Music音楽生活

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レンタルCDとiPodを中心とした音楽生活を綴ってきたブログですが、Apple MusicとiPhoneの音楽生活に変わったのを機に、「レンタルCD音楽生活」からブログタイトルも変更しました。

以前、「レンタルCD音楽生活」時代にボニー・レイットの2ndアルバム『Give It Up』の記事http://s.ameblo.jp/ryusyun-sun/entry-11949513086.html を書いた時に、ボニーの1stアルバムはブルース色が濃いという情報を入手していました。
レンタルCDでは見つけることは出来なかったのですが、さすがはApple Music、ありましたね。


ということで、今回はボニー・レイットの1971年のデビュー・アルバムのご紹介。

Bonnie Raitt/Bonnie Raitt

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Tracking List
1.Bluebird
2.Mighty Tight Woman
3.Thank You
4.Finest Lovin' Man
5.Any Day Woman
6.Big Road
7.Walking Blues
8.Danger Heartbreak Dead Ahead
9.Since I Fell for You
10.I Ain't Blue
11.Women Be Wise





ボニー・レイットは1967年頃からボストン周辺のブルース・クラブで活動するようになり、ブルース・プロモーターのディック・ウォーターマンと出会います。
彼を通じて1920年代から活動していたデルタ系のブルースマン、ミシシッピ・フレッド・マクダウェル、同じく1920年代から活躍していた女性ブルース・シンガーのシッピー・ウォレス(とりわけボニーと親交の深かったこの人についてはもう一度、最後に触れます)といったブルース界のレジェンドたちと親交を持ちます。
このブルース好きの若い女の子がブルースとともに生きてきたおじいさん、おばあさん達に可愛がられたであろうことは想像に難くないですね。
私も70年代ロックが好きな若い人は可愛く思ってしまいます(笑)


ボニー・レイットがスライドのエレキギターを弾き始めたのは2ndアルバムの『Takin'My Time』http://s.ameblo.jp/ryusyun-sun/entry-12018367596.html からなので、このアルバムに収録されている曲の雰囲気として想像していたのは、例えばこういうボニーのアコースティックのスライドギターがフィーチャーされたブルース・ナンバーでした。



言わずと知れたロバート・ジョンソンのデルタブルース"Walking Blues"
ポール・バターフィールド・ブルース・バンドもカバーしてましたね。
歌とギター、ブルース・ハープ、バンドクラッピング(手拍子)だけで構成されたプリミティブなブルース演奏です。


ボニー・レイットはレコード・デビューする前に前述のミシシッピ・フレッド・マクダウェルから直接、アコースティックのスライドギターを教わっています。
そういう情報がインプットされていたので、私はこのようなアコースティック・セットのブルース・アルバムをイメージしていたという訳です。
ところが、このアルバムを聴いてみると
大半の曲はバンド編成で、2ndアルバム『Give It Up』に特徴的なデキシーランドジャズ風のホーン、『Takin'My Time』で聴かれる都会的でジャージーなピアノブルースなどの要素を既に聴くことができます。

例えば、こういうノリのいいR&B系のナンバーは2nd、3rdアルバムでも演っていますし、現在でも不変です。
歌っているのは21歳のボニーですが、この動画には後年の随分と貫禄のついたボニー・レイットの写真が使われています。それでも、さほど違和感はありませんね。
「ファーストアルバムには、既にそのアーティストのすべてが含まれている」とは、よく言われますが、近年のボニー・レイットと比べても基本的なところは、まったく変わってないと思います。
ブレない人ですね。
オープニングのナンバー"Bluebird"をお聴きください。曲はスティーブン・スティルスです。



こういうバンド編成の曲が主体なのも、それもそのはずで、この1stアルバムにボニーのバックとして参加しているのは何と1950年代に活躍したシカゴブルースの大御所、実力派のミュージシャン達。
『Give It Up』ではジョン・ホールらウッドストック系のミュージシャン、『Takin'My Time』ではリトル・フィートのメンバーが中心になってバックを務めており、白人が中心のメンバーでしたが、このアルバムは黒人が中心のバックバンドなんですね。
カチッと演奏が決まるというよりも、どこかルーズでリラックスした雰囲気のスタジオセッション的な音ですが味のある演奏です。
これは人種的な違いというよりも世代の違いだと思います。70年代の黒人音楽(ソウルミュージック)は白人の出す音より洗練されてますもんね。

さて、せっかくブルース色の濃いアルバムなのでブルース臭の強い曲をもう1曲かけてみます。
"Finest Lovin' Man"をどうぞ



このTouTubeの音源はレコード・デビューの翌年のスタジオ・ライブなので、参加メンバーについてはよく判りませんが、オリジナル・レコーディングでブルース・ハープを吹いているのはシカゴブルースを代表するアーティスト、マディ・ウォーターズやバディ・ガイと一緒に活動していたジュニア・ウェルズ
そう言えば、ボニーはもう一人のシカゴブルース界の大物、ストーンズにも大きな影響を与えたハウリン・ウルフとも親交があったそうです。
何とも恵まれていますね。




アルバムのラストナンバーはボニーが敬愛するシッピー・ウォレスの曲です。
このアルバムから6年後の1977年のライブ映像を見つけました。



1曲くらいはボニーがライブ演奏をしている動画も欲しいところなので、YouTubeで探してみましたが、1stアルバムの収録曲でライブ映像があったのは、この曲だけ。
後々までボニーがこの曲をライブで歌っているということは、彼女にとって"Women Be Wise"という歌とシッピー・ウォレスという人はとても大切なものなのだと思います。このライブの中でもボニーはシッピーのことを「My Best Girl Friend」と呼んでいます。
この曲を歌うボニー・レイットの声には非常に情感がこもっていますね。
彼女がシッピー・ウォレスから教わったのは「歌の心」なのだと思います。



Apple Musicで1966年のシッピー・ウォレスの同名タイトルのアルバムも聴いてみました。

Women Be Wise/Sippie Wallace

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全盛期の1923年から1925年にかけての音源もありましたが、音質的には、ちょっと厳しいですね。
この当時のシッピー・ウォレスは67歳になろうとしていましたが、まったく衰えを感じさせない張りと声量のある歌声です。
ジャケット写真のシッピーもカワイイです(笑)


歌詞もストーレートな内容なので、英語のよく分からない私でも何を歌ってるのか聞き取れるほど。
伴奏はピアノだけの4ビートのブルースですが、聴かせる歌声ですねえ。
これは、いいです。


Apple Music
Sippie Wallaceと検索!


あっ、今回ご紹介したボニー・レイットのファースト・アルバムは、
Bonnie Raitt で検索‼︎