法医対策
法医学頑張りましょう~。レポートも忘れないようにしなきゃ。
今更ですがPCからはhttp://ameblo.jp/ryunen0/のURLでご覧になれます。
※アルコールの血中濃度を訂正しました(11/1)
●アルコール
1爽快期~0.5mg/ml:気分が良くなる状態。酒気帯びの程度。
2弱度酩酊(興奮期) 0.5~1.0mg/ml:ほろ酔い気分。かたさが取れる程度。
3軽度酩酊(酩酊第一度) 1.0~1.5mg/ml:軽く興奮して、おしゃべりになる。
4中等度酩酊(酩酊第二度) 1.5~2.5mg/ml: まっすぐ歩けない。何を話しているのかわかりにくい。判断力が低下。
5強度酩酊(酩酊第三度):2.5~3.5mg/ml歩行困難。意識朦朧。嘔吐。
6泥酔期(酩酊第四度) 3.5~4.5mg/ml: 意識混濁。体温低下。死の危険。
7昏睡期4.5mg/ml~:昏睡状態。糞尿失禁。呼吸麻痺。死亡の危険性が大きい。
● 死亡診断書
死亡事由などについての検案について記した書類で診断書の一つで、死体検案書と同様に死亡を証明する効力を持つ。診断した医師もしくは歯科医師のみが死亡診断書を発行できる。なお、死亡診断書と死体検案書の様式は同一のものである。また、死因統計作成の資料としても用いられる。
最終診察後24時間以内でかつ死因が明らかに診療中のものである場合については死亡診断書が作成される。それ以外の場合はたとえ病院内で死亡した場合であっても死亡診断書を作成することはできず、医師は死体を検案しなければならない。交付は医師法によって定められている。
●鉛中毒:δ-ALA(アミノレブリン酸)脱水酵素などが障害される結果、δ-ALAの血中、尿中濃度が上昇する。
●トルエン中毒:体内に吸収されたトルエンの 80%は肝臓の酵素(チトクロム-p450)により代謝され安息香酸となり、グリシン抱合を受けて馬尿酸として尿中へ排泄される。
●メトヘモグロビンとは赤血球内のヘモグロビン中の核をなす2価の鉄イオンが酸化されて3 価の鉄イオンになったもの
●瞳孔括約筋は副交感神経の支配を受けており、瞳孔散大筋は交感神経の支配を受けている。
●慢性有機水銀中毒(水俣病):メチル水銀による神経系中毒疾患である。 病理学的に、大脳後頭葉視覚中枢および小脳顆粒層の細胞脱落と末梢神経の軸索変性が認められる。
●慢性砒素中毒:症状は、皮膚障害、粘膜障害、末梢神経障害、肝障害、呼吸器障害、皮膚がん・ 肺がんなど
●CO中毒:両側の淡蒼球壊死はCO中毒に特有な病理所見。CO中毒の中枢神経病変は,淡蒼球・黒質・ 大脳白質など脳内の鉄の分布と関連している。
● 硬膜外側面の血管 :中硬膜動脈、上矢状静脈洞、横静脈洞
● 硬膜とクモ膜の間の血管 :橋 静脈
●SMテスト試薬:反応陽性の場合は直ちに鮮やかな紫色に呈色する。
●ロイコマラカイトグリーン法:血中に存在するヘモグロビンの触媒 作用によって、過酸化水素水から遊離した酸素が、無色のロイコマラカイトグリーンを酸化させて緑色のマラカイトグリーンに変える反応を利用する方法。
●ルミノール反応:アルカリ性の水溶液中、ルミノールは過酸化水素 (H2O2) と反応して 460 nm に強い紫青色の発光を示す。この反応は銅、コバルトなどの遷移金属およびその錯体(化学の実験室ではヘキサシアノ鉄(III) 酸カリウム(フェリシアン化カリウム) K3[Fe(CN)6] を用いる)、ある種の酵素によって触媒される。これを利用して過酸化水素および触媒となる金属種の微量定量・定性試験を行う。ヘミン・ヘモグロビンあるいは血液は発光反応の触媒になるので、血液の鑑識に古くから用いられている。
●ABO式血液型遺伝子において、O遺伝子の第261番塩基は欠失している。(A,B遺伝子ではグアニン)
<DNA鑑定の方法>
● 手順:DNA抽出→PCR→電気泳動(DNA断片長による分子ふるい)→染色
● 以下、手順の詳細
◎DNAの抽出
生物試料中のタンパク質を蛋白分解酵素で、脂質を界面活性剤で消化
→不純物をフェノール/クロロフォルム溶液などで除去
→精製したDNAをエタノールで結晶化して回収
QIAamp kitなど簡易抽出キットも市販され利用されている
◎検出、型判定法:PCR (polymerase chain reaction) 法が基本
1 PCR:試料DNA中の標的遺伝子を特異的に増幅
鋳型の試料DNA:95℃前後で熱変性 (1本鎖化)
→55~65℃でプライマー結合 (アニーリング、annealing)
→72℃でTaq polymerase (耐熱性DNA複製酵素) で複製
このサイクルを20~30回繰り返し、特定の遺伝子を選択的に増幅
Thermal Cycler (装置) を用いて反応は自動化され、短時間 (2~3時間) で終了
※プライマー:塩基配列に相補的な短いDNA鎖で複製の起点となる。増幅する塩基配列の上流と下流に設定する
2 電気泳動法:増幅したPCR産物からDNA多型などを検出
ポリアクリルアミドゲル (中性または変性ゲル) やアガロースゲルを用い、分子ふるい効果でDNA断片長によりPCR産物を分離
→分離されたDNA断片は銀染色やエチヂウム・ブロマイド染色で検出
→泳動距離の差で多型を識別
※ 最近は、蛍光染色したプライマーを用いてPCR増幅し、キャピラリー電気泳動装置を用いて、electropherogramと呼ばれるグラフとして検出している
参考:医師国家試験法医学関連問題の解説(PCからアクセス)
http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/topics/koku2.html
今更ですがPCからはhttp://ameblo.jp/ryunen0/のURLでご覧になれます。
※アルコールの血中濃度を訂正しました(11/1)
●アルコール
1爽快期~0.5mg/ml:気分が良くなる状態。酒気帯びの程度。
2弱度酩酊(興奮期) 0.5~1.0mg/ml:ほろ酔い気分。かたさが取れる程度。
3軽度酩酊(酩酊第一度) 1.0~1.5mg/ml:軽く興奮して、おしゃべりになる。
4中等度酩酊(酩酊第二度) 1.5~2.5mg/ml: まっすぐ歩けない。何を話しているのかわかりにくい。判断力が低下。
5強度酩酊(酩酊第三度):2.5~3.5mg/ml歩行困難。意識朦朧。嘔吐。
6泥酔期(酩酊第四度) 3.5~4.5mg/ml: 意識混濁。体温低下。死の危険。
7昏睡期4.5mg/ml~:昏睡状態。糞尿失禁。呼吸麻痺。死亡の危険性が大きい。
● 死亡診断書
死亡事由などについての検案について記した書類で診断書の一つで、死体検案書と同様に死亡を証明する効力を持つ。診断した医師もしくは歯科医師のみが死亡診断書を発行できる。なお、死亡診断書と死体検案書の様式は同一のものである。また、死因統計作成の資料としても用いられる。
最終診察後24時間以内でかつ死因が明らかに診療中のものである場合については死亡診断書が作成される。それ以外の場合はたとえ病院内で死亡した場合であっても死亡診断書を作成することはできず、医師は死体を検案しなければならない。交付は医師法によって定められている。
●鉛中毒:δ-ALA(アミノレブリン酸)脱水酵素などが障害される結果、δ-ALAの血中、尿中濃度が上昇する。
●トルエン中毒:体内に吸収されたトルエンの 80%は肝臓の酵素(チトクロム-p450)により代謝され安息香酸となり、グリシン抱合を受けて馬尿酸として尿中へ排泄される。
●メトヘモグロビンとは赤血球内のヘモグロビン中の核をなす2価の鉄イオンが酸化されて3 価の鉄イオンになったもの
●瞳孔括約筋は副交感神経の支配を受けており、瞳孔散大筋は交感神経の支配を受けている。
●慢性有機水銀中毒(水俣病):メチル水銀による神経系中毒疾患である。 病理学的に、大脳後頭葉視覚中枢および小脳顆粒層の細胞脱落と末梢神経の軸索変性が認められる。
●慢性砒素中毒:症状は、皮膚障害、粘膜障害、末梢神経障害、肝障害、呼吸器障害、皮膚がん・ 肺がんなど
●CO中毒:両側の淡蒼球壊死はCO中毒に特有な病理所見。CO中毒の中枢神経病変は,淡蒼球・黒質・ 大脳白質など脳内の鉄の分布と関連している。
● 硬膜外側面の血管 :中硬膜動脈、上矢状静脈洞、横静脈洞
● 硬膜とクモ膜の間の血管 :橋 静脈
●SMテスト試薬:反応陽性の場合は直ちに鮮やかな紫色に呈色する。
●ロイコマラカイトグリーン法:血中に存在するヘモグロビンの触媒 作用によって、過酸化水素水から遊離した酸素が、無色のロイコマラカイトグリーンを酸化させて緑色のマラカイトグリーンに変える反応を利用する方法。
●ルミノール反応:アルカリ性の水溶液中、ルミノールは過酸化水素 (H2O2) と反応して 460 nm に強い紫青色の発光を示す。この反応は銅、コバルトなどの遷移金属およびその錯体(化学の実験室ではヘキサシアノ鉄(III) 酸カリウム(フェリシアン化カリウム) K3[Fe(CN)6] を用いる)、ある種の酵素によって触媒される。これを利用して過酸化水素および触媒となる金属種の微量定量・定性試験を行う。ヘミン・ヘモグロビンあるいは血液は発光反応の触媒になるので、血液の鑑識に古くから用いられている。
●ABO式血液型遺伝子において、O遺伝子の第261番塩基は欠失している。(A,B遺伝子ではグアニン)
<DNA鑑定の方法>
● 手順:DNA抽出→PCR→電気泳動(DNA断片長による分子ふるい)→染色
● 以下、手順の詳細
◎DNAの抽出
生物試料中のタンパク質を蛋白分解酵素で、脂質を界面活性剤で消化
→不純物をフェノール/クロロフォルム溶液などで除去
→精製したDNAをエタノールで結晶化して回収
QIAamp kitなど簡易抽出キットも市販され利用されている
◎検出、型判定法:PCR (polymerase chain reaction) 法が基本
1 PCR:試料DNA中の標的遺伝子を特異的に増幅
鋳型の試料DNA:95℃前後で熱変性 (1本鎖化)
→55~65℃でプライマー結合 (アニーリング、annealing)
→72℃でTaq polymerase (耐熱性DNA複製酵素) で複製
このサイクルを20~30回繰り返し、特定の遺伝子を選択的に増幅
Thermal Cycler (装置) を用いて反応は自動化され、短時間 (2~3時間) で終了
※プライマー:塩基配列に相補的な短いDNA鎖で複製の起点となる。増幅する塩基配列の上流と下流に設定する
2 電気泳動法:増幅したPCR産物からDNA多型などを検出
ポリアクリルアミドゲル (中性または変性ゲル) やアガロースゲルを用い、分子ふるい効果でDNA断片長によりPCR産物を分離
→分離されたDNA断片は銀染色やエチヂウム・ブロマイド染色で検出
→泳動距離の差で多型を識別
※ 最近は、蛍光染色したプライマーを用いてPCR増幅し、キャピラリー電気泳動装置を用いて、electropherogramと呼ばれるグラフとして検出している
参考:医師国家試験法医学関連問題の解説(PCからアクセス)
http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/topics/koku2.html
老年対策
老年落ちそうです><。
こないだの3連休は遊びに行っちゃったし、社医とかオスキーとかの予習で時間が足りない・・・
でもとりあえず授業プリント中心でやれば良いと思います!
授業プリからヤマ張ってみた。
★ 老化の定義
① 普遍性
② 内在性
③ 進行性
④ 有害性
★ 老年病の特徴
① 多数の疾患を合併
② 非定型性
③ 慢性化と寝たきり状態
④ 病歴聴取が困難
⑤ 薬物有害作用
★ 老化学説
プログラム説とエラー蓄積説
★ 検査異常値と加齢変化
① 栄養状態・疾患・・・アルブミン、ヘモグロビン低下
② 臓器機能低下・・・クレアチニンクリアランス、血中酸素分圧の低下
③ 体構成成分の変化・・・血清カリウム低下
④ 結合蛋白の低下・・・血清カルシウム低下
★ 老年者高血圧の臨床的特徴
・増大するもの=末梢血管抵抗、血圧動揺性(圧受容器機能障害)
・低下するもの=動脈コンプライアンス、心拍出量、循環血液量、主要臓器の血流・自動調節機能
★ 老年者心不全の主な原因疾患
① 虚血性心疾患=心筋梗塞
② 高血圧性心疾患=左室肥大
③ 弁膜疾患=僧帽弁狭窄症
④ 不整脈=心房細動
★ 拡張期心不全
高齢者で40%を占め、心筋収縮能は保たれるが拡張機能が低下している病態。
★ 心不全
・ 概念=心臓のポンプ機能低下で酸素需要に見合う血液量を供給出来ない。症状出現で生活機能に障害を生じる。全ての心疾患の終末的な病態。
・ 神経内分泌因子が病態悪化の原因
★ 左心不全徴候
・ 左房圧上昇=呼吸困難、起坐呼吸、Ⅲ・Ⅳ音、湿性ラ音、肺鬱血、肺水腫
・ 心拍出量低下=全身倦怠感、頭痛、食思不振、四肢冷汗、乏尿、脈圧低下
★ 右心不全徴候
浮腫、肝腫大、胸水貯留
★ 高齢者の呼吸器
・ 残気量が増加
・ 大脳基底核脳梗塞による誤嚥性肺炎
・ 喫煙による慢性閉塞性肺疾患、肺癌
★ 誤嚥を来しやすい病態
① 神経疾患=脳血管障害、神経変性疾患、認知症
② 寝たきり状態
③ 口内乾燥
④ 胃食道疾患
⑤ 医原性=鎮静薬、抗コリン薬、経管栄養
★ 誤嚥性肺炎発症機序
ドーパミン代謝低下–>サブスタンスP放出低下->咳反応惹起されない->嚥下・咳反射低下->不顕性誤嚥増加
★ 肺炎は老人の友
* 原因菌
・ 肺炎球菌(市中・大葉性)=稽留熱、悪寒戦慄、錆色痰、βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ インフルエンザ桿菌(市中)=βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ マイコプラズマ(市中・非定型)=比較的徐脈、白血球増多なし(ウイルス性も)、テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン
・ 緑膿菌(院内)=肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、アミノグリコシド
・ 黄色ブドウ球菌(院内)=MRSA注意(バンコマイシン)、肺膿瘍、空洞
・ クレブシエラ(院内・大葉性)=ESBL注意、肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、フルオロキノロン
・ 嫌気性菌(誤嚥性)=肺膿瘍、空洞、クリンダマイシン+3代セフェム・カルバペネム
* 抗菌薬効果判定は投与後3日目と7日目に行なう。
★ 胸水細胞診
・ 多核球=急性細菌感染
・ 単核球=結核
・ 単球=ウイルス性
・ 血性=悪性腫瘍
★ 肺結核後遺症
肺性心と肺高血圧症
★ 高張性脱水=細胞内脱水、5%グルコース輸液、日射病・尿崩症、口渇、深部反射亢進、痙攣なし
★ 低張性脱水=細胞外脱水、生理食塩水輸液、ツルゴールと血圧低下、脳神経細胞浮腫による痙攣
★低Na血症
・ 腎からNa喪失=尿中Na増加
・ 腎以外からNa喪失・心不全・肝硬変・ネフローゼ=尿中Na減少
・ SIADS=ADH分泌が抑制されない(尿崩症の逆)。水分過剰だが浮腫なし、尿中Naは摂取Naと等量。尿浸透圧は高くなる。
★ パーキンソニズム4徴
① 安静時振戦
② 動作緩慢
③ 筋強剛
④ 姿勢反射障害
★ 高齢者のパーキンソン病
・ 認知症、精神症状(幻覚・妄想)、自律神経症状(便秘・排尿障害・起立性低血圧・性機能障害・発汗障害)
★ レビー小体型認知症(瀰漫性レビー小体病)DLBD
・ パーキンソニズム
・ 転倒しやすい
・ 生々しい幻視・・・ドネペジル有効
・ 被害妄想
・ 失神
・ one year rule(パーキンソニズム発症から1年以内に認知症)
・ レビー小体の大脳皮質・脳幹への蓄積
★ 進行性核上性麻痺
・ 核上性眼球運動障害(下方視)
・ 鉛管様筋強剛
・ 左右差なし
・ 病理:神経細胞脱落+グリオーシス+神経原繊維変化
・ MRI:中脳被蓋萎縮+脚間窩のU字状拡大+第3脳室拡大
★ 皮質基底核変性症
・ 左右差あり
・ 失行
・ パーキンソニズム・認知症
・ 垂直性眼球運動障害
・ 頭頂葉優位の萎縮
・ Ballooned neuron
★ 治療可能な認知症
① 外傷(慢性硬膜下血腫)
② 髄液循環障害(正常圧水頭症)
③ 内分泌障害(甲状腺機能低下症)
★ 認知症診断基準
① 記憶障害
② 認知機能障害(失語・失行・失認・実行機能障害)
★ アルツハイマー型と脳血管性の鑑別
・ 年齢分布、男女差、発症様式、経過、初発症状、病識、画像所見などの違い
★ 脳血管性認知症診断基準
① 認知症の存在
② 神経所見(歩行障害、構音障害、嚥下障害、意欲低下)+画像で確認される脳血管障害
③ a.脳血管障害から3ヶ月以内の認知症発症
b.認知機能の急速な低下、動揺性・階段性の悪化
★ 正常圧水頭症
・ 認知症
・ 歩行障害
・ 尿失禁
★ 薬物有害作用の要因
① 疾患関連=多剤併用
② 機能関連=代謝・排泄機能、誤服用、コンプライアンス低下
③ 社会的要因=過少医療
★ よくある有害事象
① 降圧薬=立ちくらみ
② 利尿薬=尿失禁
③ 経口抗凝固薬=消化管出血
④ 糖尿病薬=低血糖
⑤ NSAIDs=胃潰瘍
⑥ 中枢性降圧薬=健忘
⑦ 抗うつ・抗不整脈薬=便秘・口渇
⑧ 精神神経用剤=興奮、せん妄
★ 3S
① small=投与量を少なく。少量から開始
② simple=投与回数、薬剤種を少なく。
③ short=短期投与、(stop=効かない時や有害事象が出た時は中止)
★ CGA comprehensive geriatric assessment
簡易版CGA7は外来の短時間で総合機能評価が出来る7項目。
★老年症候群
① 若い人と頻度が同じの急性疾患関連
② 前期高齢者に増えてくる慢性疾患関連
③ 後期高齢者で急増する要介護関連
★ 基本的ADL
① 移乗
② 歩行
③ 階段
④ トイレ動作
⑤ 入浴
⑥ 食事
⑦ 排尿
⑧ 排便
⑨ 更衣
⑩ 整容
★ 反復性一過性脳虚血発作(TIA)の1/3ルール
① 3~4年内に脳梗塞に移行=1/3
② TIAを繰り返す=1/3
③ 自然に発作が消失する=1/3
★ 排尿と蓄尿
① 排尿筋
・ 収縮力が弱いと排尿しにくい
・ 過活動が強いと漏れる
② 膀胱出口
・ 閉塞が強いと排尿しにくい
・ 閉鎖・抵抗が弱いと漏れる
★ 尿失禁
① 切迫性
② 腹圧性
③ 混合性
④ 溢流性
⑤ 機能性
★ 高齢者に多い消化器疾患
① 上腸間膜動脈閉塞症=心房細動、血便、麻痺性イレウス、血管造影
② 虚血性大腸炎=糖尿病、高血圧、下血、拇指圧痕像、縦走潰瘍
③ 食道癌=男>女、内視鏡的粘膜切除術(早期)、扁平上皮癌
④ 胃食道逆流症=高齢女性、食道裂孔ヘルニア、LES低下、PPI、抗コリン薬禁忌
以下参考
★障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
●生活自立 (ランクJ):何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
●準寝たきり(ランクA):屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
●寝たきり(ランクB): 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
(ランクC): 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1.自力で寝返りをうつ
2.自力では寝返りもうたない
★ ウェルナー症候群(ウェルナーしょうこうぐん、Werner Syndrome )
・ 早老症の一種。1904年、ドイツ人内科医オットー・ウェルナー(Otto Werner)により臨床報告された。
・ 成人期以降に発症することが多いため、幼年期から好発する早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(プロジェリア症候群)に対して、「成人性プロジェリア (Adult Progeria) 」と称されることもある。
・ 患者は低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄(さ)声などの外観を呈し、臨床像として耐糖能低下、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加が顕著である。
・ 多くの場合、平均40-50歳で動脈硬化もしくは悪性腫瘍が原因となる疾患によって死亡する。
・ 常染色体劣性遺伝病であり、ヒト8番染色体上にあるWRNとよばれる単一遺伝子の異常(1塩基の違い)が原因であることが突き止められている。この遺伝子の役割はまだ完全に解明されていないが、DNAヘリカーゼと呼ばれる酵素タンパクをコードしており染色体の安定性の維持や遺伝子修復に関与していることがわかっている。
・ 世界各地で約1200例の症例報告がされている。その内の8割が日本人で、日本人10万人に対し3人がウェルナー症候群患者であると言われている。
・ ウェルナー症候群が日本人に多い理由は、最も大きな要因に、日本人の祖先にウェルナー症候群原因遺伝子を持つ人が他地域より多く存在していたという可能性があげられる。また、日本人の医師の間で、ウェルナー症候群がよく知られているために診断ができたという指摘もある(その他の国では知らない医師が多いためウェルナー症候群と診断できない事が多々ある)。
★高齢者のがんにおけるケアとチーム医療
高齢者のがん患者は病変の治療以外に様々なケアが必要な場合が多い。医師による治療だけではなく看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーらによる精神的なケアや生活面でのサポートが非常に重要である。そういった全人的なケアと、がんという病気自体の経過に合わせた最善な治療を受けるためには、患者を中心に、各科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ部門、ソーシャルワーカーといった様々な職種がチームを組むことが必要である。また、治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメントも必要である。
★全身性浮腫
(1)心性浮腫(2)腎性浮腫(3)肝性浮腫(4)内分泌性浮腫(5)栄養障害性浮腫(6)医原性浮腫(7)特発性浮腫
★局所性浮腫
(1)リンパ性浮腫(2)静脈性浮腫(3)炎症性浮腫(4)立位性浮腫(5)内分泌性浮腫(6)妊娠性の浮腫
★誤嚥性肺炎の予防・ケア
・ しっかりと目覚めているか確認する。(ねむそうで、ぼんやりしていると、気管のなかに入り易くなる。)
・ 口の中を十分にきれいにする。
・ 口の中は十分に潤す。(乾燥していると飲み込みにくくなる。)
・ 十分に痰を出す。(痰でむせることがある。)
・ 食事に集中できる環境にする。(例)テレビに気を取られないように消す)
・ 食事中はよく噛んでゆっくり食べる。(食べるスピードが速いと気管に入り易くなる。)
・ 首が後ろにそらないように顎を引く。
・ 水分には必要に応じてとろみ剤を使う。(流れるスピードが遅くなり、気管に入るのを防ぐため)
・ スプーンは小さいもの(ティースプーン程度)を使う(一口の量は少なくした方が安全)
・ 口のなかにあるものをすべて飲み込んでから次を口に運ぶ。(食物が口のなかにどんどんたまってしまうと、のどに流れ込み、誤嚥してしまう。)
・ 疲れたときには休む(疲れると飲み込みも悪くなる)
・ 食物が口に入っているときは話しかけない(話しながら食べるとむせやすい)
・ 1回の食事に30分以上かかったり、摂取量が不十分な場合は、食事を何回かに分けたり、補助栄養食品を利用する。
・ 食べる方のペースに合わせて介助する。(速すぎないようにゆっくり介助)
・ 安全な姿勢と動作で食事を取る
・ 後30分は体を起こしている(胃や食道からの逆流を防止するため)
・ 食後は口の中をきれいにする(口のなかに残った食べ物が気管に入ることがある)
・ 必要に応じて吸引してのどのそうじをする
・ うがい、歯磨き、義歯の掃除
★誤嚥時の処置
●背中をたたく
①頭が胸よりも低くなるように、前かがみの姿勢にする。
②手のひらで背中(肩甲骨の間)をしっかりたたく。
●吸引する
口または鼻の穴からカテーテル(管)を静かに挿入し、異物を吸引する。カテーテルの先を動かしながら数回吸引し、カテーテルを回転させながらゆっくりと引き戻す。
●異物を手で取り出す
●ハイムリッヒ法
★細胞外液不足(欠乏性低ナトリウム血症)
・ 水欠乏を上回るナトリウム欠乏が起こっている。
・ 腎性体液喪失として尿細管障害やアジソン病、利尿薬の投与などでおこる。
・ 腎外性体液喪失としては嘔吐、下痢、経管ドレナージなど消化管からの喪失や、熱傷、膵炎、腹膜炎といったサードスペースへの喪失などがあげられる。
・ 発汗などで水分塩分を大量に失い、塩分を補給せず水分のみ大量に補給することでも陥りやすい。
・ 細胞外液不足のため腎臓への血流が極度に低下し、腎前性腎不全となる。
★水過剰(正常循環血液量性低ナトリウム血症)
・ このカテゴリーで最も多いのは高齢者の癌患者などでおこるSIADH
・ その他は甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、多飲症、reset osmostatなどがあげられる。
・ 尿中ナトリウム濃度が20mEqを超えているのが特徴。
★細胞外液過剰(希釈性低ナトリウム血症)
・ ナトリウム過剰を上回る水過剰がある。
・ 多くは浮腫を伴っている。腎不全やその他の浮腫性病変として、うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などがあげられる。
・ 入院患者でよく見られる。
★フォレスター分類(Forrester分類)
Ⅰ群:Cl2.2以上、PCWP18以下(正常、死亡率3%)
Ⅱ群:Cl2.2以上、PCWP18以上(循環血流量が多い、死亡率9%)
Ⅲ群;Cl2.2以下、PCPW18以下(循環血流量がすくない、死亡率23%)
Ⅳ群;Cl2.2以下、PCPW18以上(ショック状態、死亡率51%)
★ネフローゼ症候群
・ 高齢者において腎静脈血栓症、脳血栓症などを合併する。
・ 高齢者では続発性(二次性)ネフローゼの割合が高くなるという傾向が見られる。
・ 加齢に伴い膜性腎症の割合が増加し、中高年層では半数以上を占める
★ 漏出性胸水
・ 肺内の正常な圧力に障害が起こる(血管内静水圧の増加または血漿膠質浸透圧の減少)ことで引き起こす疾患で生じる。
・ 主な原因疾患として、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変などがある。
★ 滲出性胸水
・ 肺や胸膜の炎症や感染、悪性腫瘍などの疾患の結果生じる。
・ 主な原因疾患として、細菌性肺炎、胸膜炎、肺結核、肺悪性腫瘍(癌性胸膜炎)などがある。
★非遺伝性脊髄小脳変性症
●オリーブ橋小脳萎縮症 olivo-ponto-cerebellar atrophy: OPCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調が主体であるが、経過とともに、パーキンソン症状、自律神経症状が出現。
・ 小脳・橋の萎縮が特徴的。
・ 日本のSCDの中で最も多い病型である(35%)。
・ 線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群とそれぞれオーバーラップする部分があり、これらの疾患をまとめて、多系統萎縮症(multisystem atrophy:MSA)と呼ぶ。
●晩発性小脳皮質萎縮症 late cerebellar cortical atrophy: LCCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調主体で、パーキンソン症状や、自律神経症状は伴わない。
・ 小脳萎縮はあるが、脳幹萎縮はない。
★ 骨粗鬆症の治療
・ 「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の三つを基本として行われる。
・ 「薬物療法」においては、性別・患者の状態・治療目的などに応じて、骨密度を高めるための骨吸収抑制剤や、骨形成促進剤のほか、ビタミン製剤やカルシウム製剤など、色々なタイプの薬が使用されている。
・ 現在では「ビスフォスフォネート」など骨量を増やすのに有効とされる薬もある。
・ 骨粗鬆症にまだなっておらず、その予防という観点からは、 食事と運動の二つが
重要になる。
★老年症候群と廃用症候群の関連
老化現象に伴う肉体的・精神的な仕組みや働きが低下して、高齢者に特有の症状・病態、さらに心身の障害に陥ることを老年症候群という。
● 老年症候群5大徴候
① 生活機能低下:スムーズに身体が動かない
② うつ状態:気分が滅入る、将来に希望を持てない
③ 転倒:足腰が弱くなる
④ 失禁:排泄のトラブルが多くなる
⑤ 低栄養:食欲のむら、消化力の衰え
これらは、いずれも高齢者にとっては健康の維持に支障を来す。以上の老年症候群が原因で日常生活能力が低下すると、肉体的・精神的機能がさらに衰えて、廃用性筋萎縮(使わない筋肉が細くなる)などの「廃用症候群」が起こる。
★ 切迫性尿失禁
・ 高齢者で起こる持続性の尿失禁の中で最も一般的なタイプ。
・ 明らかな原因がない場合もよくあるが脳卒中や痴呆などの脳の変化が原因のことが多い。
・ 高齢者での切迫性尿失禁は、膀胱の筋肉の過剰な活動と収縮力の低下が組み合わさって起こる。その場合では脳の障害によって膀胱を抑制する神経系の能力が損なわれている。
・ 膀胱が慢性的に過剰に活動する状態(過活動膀胱)は高齢者でよくみられ、突然の強い尿意が起こるだけでなく、昼夜を問わず頻尿になります。
★ リピート病の神経疾患
●歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 Dentatorubropallidoluysian atrophy(DRPLA)
・ 小脳にある歯状核・赤核、大脳の中心部にある淡蒼球・ルイ体が同時におかされる
・ 脊髄小脳変性症の一つであり、遺伝性。遺伝を受け継ぐにつれて発症年齢は若くなる傾向(anticipation)を示し、若年発症の特徴であるME型へと移行する。
・ 若年発症者はミオクローヌスという不随運動、てんかん、痴呆を主症状とする進行性てんかんの臨床像をとり、成人発症例では小脳失調、舞踏病、痴呆が主症状となる
・ CAGリピートが蓄積し、一定数以上になると発症する。
● ハンチントン舞踏病
● 筋緊張型ジストロフィ
● 球脊髄性筋萎縮症など
★若年者の急性腹症
●婦人科疾患(子宮外妊娠(特に破裂時)、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転など)
●イレウスやメッケル憩室、腸重積、炎症性腸疾患
こないだの3連休は遊びに行っちゃったし、社医とかオスキーとかの予習で時間が足りない・・・
でもとりあえず授業プリント中心でやれば良いと思います!
授業プリからヤマ張ってみた。
★ 老化の定義
① 普遍性
② 内在性
③ 進行性
④ 有害性
★ 老年病の特徴
① 多数の疾患を合併
② 非定型性
③ 慢性化と寝たきり状態
④ 病歴聴取が困難
⑤ 薬物有害作用
★ 老化学説
プログラム説とエラー蓄積説
★ 検査異常値と加齢変化
① 栄養状態・疾患・・・アルブミン、ヘモグロビン低下
② 臓器機能低下・・・クレアチニンクリアランス、血中酸素分圧の低下
③ 体構成成分の変化・・・血清カリウム低下
④ 結合蛋白の低下・・・血清カルシウム低下
★ 老年者高血圧の臨床的特徴
・増大するもの=末梢血管抵抗、血圧動揺性(圧受容器機能障害)
・低下するもの=動脈コンプライアンス、心拍出量、循環血液量、主要臓器の血流・自動調節機能
★ 老年者心不全の主な原因疾患
① 虚血性心疾患=心筋梗塞
② 高血圧性心疾患=左室肥大
③ 弁膜疾患=僧帽弁狭窄症
④ 不整脈=心房細動
★ 拡張期心不全
高齢者で40%を占め、心筋収縮能は保たれるが拡張機能が低下している病態。
★ 心不全
・ 概念=心臓のポンプ機能低下で酸素需要に見合う血液量を供給出来ない。症状出現で生活機能に障害を生じる。全ての心疾患の終末的な病態。
・ 神経内分泌因子が病態悪化の原因
★ 左心不全徴候
・ 左房圧上昇=呼吸困難、起坐呼吸、Ⅲ・Ⅳ音、湿性ラ音、肺鬱血、肺水腫
・ 心拍出量低下=全身倦怠感、頭痛、食思不振、四肢冷汗、乏尿、脈圧低下
★ 右心不全徴候
浮腫、肝腫大、胸水貯留
★ 高齢者の呼吸器
・ 残気量が増加
・ 大脳基底核脳梗塞による誤嚥性肺炎
・ 喫煙による慢性閉塞性肺疾患、肺癌
★ 誤嚥を来しやすい病態
① 神経疾患=脳血管障害、神経変性疾患、認知症
② 寝たきり状態
③ 口内乾燥
④ 胃食道疾患
⑤ 医原性=鎮静薬、抗コリン薬、経管栄養
★ 誤嚥性肺炎発症機序
ドーパミン代謝低下–>サブスタンスP放出低下->咳反応惹起されない->嚥下・咳反射低下->不顕性誤嚥増加
★ 肺炎は老人の友
* 原因菌
・ 肺炎球菌(市中・大葉性)=稽留熱、悪寒戦慄、錆色痰、βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ インフルエンザ桿菌(市中)=βラクタム、カルバペネム、ニューキノロン
・ マイコプラズマ(市中・非定型)=比較的徐脈、白血球増多なし(ウイルス性も)、テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン
・ 緑膿菌(院内)=肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、アミノグリコシド
・ 黄色ブドウ球菌(院内)=MRSA注意(バンコマイシン)、肺膿瘍、空洞
・ クレブシエラ(院内・大葉性)=ESBL注意、肺膿瘍、空洞、3代セフェム、カルバペネム、フルオロキノロン
・ 嫌気性菌(誤嚥性)=肺膿瘍、空洞、クリンダマイシン+3代セフェム・カルバペネム
* 抗菌薬効果判定は投与後3日目と7日目に行なう。
★ 胸水細胞診
・ 多核球=急性細菌感染
・ 単核球=結核
・ 単球=ウイルス性
・ 血性=悪性腫瘍
★ 肺結核後遺症
肺性心と肺高血圧症
★ 高張性脱水=細胞内脱水、5%グルコース輸液、日射病・尿崩症、口渇、深部反射亢進、痙攣なし
★ 低張性脱水=細胞外脱水、生理食塩水輸液、ツルゴールと血圧低下、脳神経細胞浮腫による痙攣
★低Na血症
・ 腎からNa喪失=尿中Na増加
・ 腎以外からNa喪失・心不全・肝硬変・ネフローゼ=尿中Na減少
・ SIADS=ADH分泌が抑制されない(尿崩症の逆)。水分過剰だが浮腫なし、尿中Naは摂取Naと等量。尿浸透圧は高くなる。
★ パーキンソニズム4徴
① 安静時振戦
② 動作緩慢
③ 筋強剛
④ 姿勢反射障害
★ 高齢者のパーキンソン病
・ 認知症、精神症状(幻覚・妄想)、自律神経症状(便秘・排尿障害・起立性低血圧・性機能障害・発汗障害)
★ レビー小体型認知症(瀰漫性レビー小体病)DLBD
・ パーキンソニズム
・ 転倒しやすい
・ 生々しい幻視・・・ドネペジル有効
・ 被害妄想
・ 失神
・ one year rule(パーキンソニズム発症から1年以内に認知症)
・ レビー小体の大脳皮質・脳幹への蓄積
★ 進行性核上性麻痺
・ 核上性眼球運動障害(下方視)
・ 鉛管様筋強剛
・ 左右差なし
・ 病理:神経細胞脱落+グリオーシス+神経原繊維変化
・ MRI:中脳被蓋萎縮+脚間窩のU字状拡大+第3脳室拡大
★ 皮質基底核変性症
・ 左右差あり
・ 失行
・ パーキンソニズム・認知症
・ 垂直性眼球運動障害
・ 頭頂葉優位の萎縮
・ Ballooned neuron
★ 治療可能な認知症
① 外傷(慢性硬膜下血腫)
② 髄液循環障害(正常圧水頭症)
③ 内分泌障害(甲状腺機能低下症)
★ 認知症診断基準
① 記憶障害
② 認知機能障害(失語・失行・失認・実行機能障害)
★ アルツハイマー型と脳血管性の鑑別
・ 年齢分布、男女差、発症様式、経過、初発症状、病識、画像所見などの違い
★ 脳血管性認知症診断基準
① 認知症の存在
② 神経所見(歩行障害、構音障害、嚥下障害、意欲低下)+画像で確認される脳血管障害
③ a.脳血管障害から3ヶ月以内の認知症発症
b.認知機能の急速な低下、動揺性・階段性の悪化
★ 正常圧水頭症
・ 認知症
・ 歩行障害
・ 尿失禁
★ 薬物有害作用の要因
① 疾患関連=多剤併用
② 機能関連=代謝・排泄機能、誤服用、コンプライアンス低下
③ 社会的要因=過少医療
★ よくある有害事象
① 降圧薬=立ちくらみ
② 利尿薬=尿失禁
③ 経口抗凝固薬=消化管出血
④ 糖尿病薬=低血糖
⑤ NSAIDs=胃潰瘍
⑥ 中枢性降圧薬=健忘
⑦ 抗うつ・抗不整脈薬=便秘・口渇
⑧ 精神神経用剤=興奮、せん妄
★ 3S
① small=投与量を少なく。少量から開始
② simple=投与回数、薬剤種を少なく。
③ short=短期投与、(stop=効かない時や有害事象が出た時は中止)
★ CGA comprehensive geriatric assessment
簡易版CGA7は外来の短時間で総合機能評価が出来る7項目。
★老年症候群
① 若い人と頻度が同じの急性疾患関連
② 前期高齢者に増えてくる慢性疾患関連
③ 後期高齢者で急増する要介護関連
★ 基本的ADL
① 移乗
② 歩行
③ 階段
④ トイレ動作
⑤ 入浴
⑥ 食事
⑦ 排尿
⑧ 排便
⑨ 更衣
⑩ 整容
★ 反復性一過性脳虚血発作(TIA)の1/3ルール
① 3~4年内に脳梗塞に移行=1/3
② TIAを繰り返す=1/3
③ 自然に発作が消失する=1/3
★ 排尿と蓄尿
① 排尿筋
・ 収縮力が弱いと排尿しにくい
・ 過活動が強いと漏れる
② 膀胱出口
・ 閉塞が強いと排尿しにくい
・ 閉鎖・抵抗が弱いと漏れる
★ 尿失禁
① 切迫性
② 腹圧性
③ 混合性
④ 溢流性
⑤ 機能性
★ 高齢者に多い消化器疾患
① 上腸間膜動脈閉塞症=心房細動、血便、麻痺性イレウス、血管造影
② 虚血性大腸炎=糖尿病、高血圧、下血、拇指圧痕像、縦走潰瘍
③ 食道癌=男>女、内視鏡的粘膜切除術(早期)、扁平上皮癌
④ 胃食道逆流症=高齢女性、食道裂孔ヘルニア、LES低下、PPI、抗コリン薬禁忌
以下参考
★障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
●生活自立 (ランクJ):何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
●準寝たきり(ランクA):屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
●寝たきり(ランクB): 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
(ランクC): 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1.自力で寝返りをうつ
2.自力では寝返りもうたない
★ ウェルナー症候群(ウェルナーしょうこうぐん、Werner Syndrome )
・ 早老症の一種。1904年、ドイツ人内科医オットー・ウェルナー(Otto Werner)により臨床報告された。
・ 成人期以降に発症することが多いため、幼年期から好発する早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(プロジェリア症候群)に対して、「成人性プロジェリア (Adult Progeria) 」と称されることもある。
・ 患者は低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄(さ)声などの外観を呈し、臨床像として耐糖能低下、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加が顕著である。
・ 多くの場合、平均40-50歳で動脈硬化もしくは悪性腫瘍が原因となる疾患によって死亡する。
・ 常染色体劣性遺伝病であり、ヒト8番染色体上にあるWRNとよばれる単一遺伝子の異常(1塩基の違い)が原因であることが突き止められている。この遺伝子の役割はまだ完全に解明されていないが、DNAヘリカーゼと呼ばれる酵素タンパクをコードしており染色体の安定性の維持や遺伝子修復に関与していることがわかっている。
・ 世界各地で約1200例の症例報告がされている。その内の8割が日本人で、日本人10万人に対し3人がウェルナー症候群患者であると言われている。
・ ウェルナー症候群が日本人に多い理由は、最も大きな要因に、日本人の祖先にウェルナー症候群原因遺伝子を持つ人が他地域より多く存在していたという可能性があげられる。また、日本人の医師の間で、ウェルナー症候群がよく知られているために診断ができたという指摘もある(その他の国では知らない医師が多いためウェルナー症候群と診断できない事が多々ある)。
★高齢者のがんにおけるケアとチーム医療
高齢者のがん患者は病変の治療以外に様々なケアが必要な場合が多い。医師による治療だけではなく看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーらによる精神的なケアや生活面でのサポートが非常に重要である。そういった全人的なケアと、がんという病気自体の経過に合わせた最善な治療を受けるためには、患者を中心に、各科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ部門、ソーシャルワーカーといった様々な職種がチームを組むことが必要である。また、治療後の生活を見越した高齢者の評価とマネジメントも必要である。
★全身性浮腫
(1)心性浮腫(2)腎性浮腫(3)肝性浮腫(4)内分泌性浮腫(5)栄養障害性浮腫(6)医原性浮腫(7)特発性浮腫
★局所性浮腫
(1)リンパ性浮腫(2)静脈性浮腫(3)炎症性浮腫(4)立位性浮腫(5)内分泌性浮腫(6)妊娠性の浮腫
★誤嚥性肺炎の予防・ケア
・ しっかりと目覚めているか確認する。(ねむそうで、ぼんやりしていると、気管のなかに入り易くなる。)
・ 口の中を十分にきれいにする。
・ 口の中は十分に潤す。(乾燥していると飲み込みにくくなる。)
・ 十分に痰を出す。(痰でむせることがある。)
・ 食事に集中できる環境にする。(例)テレビに気を取られないように消す)
・ 食事中はよく噛んでゆっくり食べる。(食べるスピードが速いと気管に入り易くなる。)
・ 首が後ろにそらないように顎を引く。
・ 水分には必要に応じてとろみ剤を使う。(流れるスピードが遅くなり、気管に入るのを防ぐため)
・ スプーンは小さいもの(ティースプーン程度)を使う(一口の量は少なくした方が安全)
・ 口のなかにあるものをすべて飲み込んでから次を口に運ぶ。(食物が口のなかにどんどんたまってしまうと、のどに流れ込み、誤嚥してしまう。)
・ 疲れたときには休む(疲れると飲み込みも悪くなる)
・ 食物が口に入っているときは話しかけない(話しながら食べるとむせやすい)
・ 1回の食事に30分以上かかったり、摂取量が不十分な場合は、食事を何回かに分けたり、補助栄養食品を利用する。
・ 食べる方のペースに合わせて介助する。(速すぎないようにゆっくり介助)
・ 安全な姿勢と動作で食事を取る
・ 後30分は体を起こしている(胃や食道からの逆流を防止するため)
・ 食後は口の中をきれいにする(口のなかに残った食べ物が気管に入ることがある)
・ 必要に応じて吸引してのどのそうじをする
・ うがい、歯磨き、義歯の掃除
★誤嚥時の処置
●背中をたたく
①頭が胸よりも低くなるように、前かがみの姿勢にする。
②手のひらで背中(肩甲骨の間)をしっかりたたく。
●吸引する
口または鼻の穴からカテーテル(管)を静かに挿入し、異物を吸引する。カテーテルの先を動かしながら数回吸引し、カテーテルを回転させながらゆっくりと引き戻す。
●異物を手で取り出す
●ハイムリッヒ法
★細胞外液不足(欠乏性低ナトリウム血症)
・ 水欠乏を上回るナトリウム欠乏が起こっている。
・ 腎性体液喪失として尿細管障害やアジソン病、利尿薬の投与などでおこる。
・ 腎外性体液喪失としては嘔吐、下痢、経管ドレナージなど消化管からの喪失や、熱傷、膵炎、腹膜炎といったサードスペースへの喪失などがあげられる。
・ 発汗などで水分塩分を大量に失い、塩分を補給せず水分のみ大量に補給することでも陥りやすい。
・ 細胞外液不足のため腎臓への血流が極度に低下し、腎前性腎不全となる。
★水過剰(正常循環血液量性低ナトリウム血症)
・ このカテゴリーで最も多いのは高齢者の癌患者などでおこるSIADH
・ その他は甲状腺機能低下症、ACTH単独欠損症、多飲症、reset osmostatなどがあげられる。
・ 尿中ナトリウム濃度が20mEqを超えているのが特徴。
★細胞外液過剰(希釈性低ナトリウム血症)
・ ナトリウム過剰を上回る水過剰がある。
・ 多くは浮腫を伴っている。腎不全やその他の浮腫性病変として、うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などがあげられる。
・ 入院患者でよく見られる。
★フォレスター分類(Forrester分類)
Ⅰ群:Cl2.2以上、PCWP18以下(正常、死亡率3%)
Ⅱ群:Cl2.2以上、PCWP18以上(循環血流量が多い、死亡率9%)
Ⅲ群;Cl2.2以下、PCPW18以下(循環血流量がすくない、死亡率23%)
Ⅳ群;Cl2.2以下、PCPW18以上(ショック状態、死亡率51%)
★ネフローゼ症候群
・ 高齢者において腎静脈血栓症、脳血栓症などを合併する。
・ 高齢者では続発性(二次性)ネフローゼの割合が高くなるという傾向が見られる。
・ 加齢に伴い膜性腎症の割合が増加し、中高年層では半数以上を占める
★ 漏出性胸水
・ 肺内の正常な圧力に障害が起こる(血管内静水圧の増加または血漿膠質浸透圧の減少)ことで引き起こす疾患で生じる。
・ 主な原因疾患として、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変などがある。
★ 滲出性胸水
・ 肺や胸膜の炎症や感染、悪性腫瘍などの疾患の結果生じる。
・ 主な原因疾患として、細菌性肺炎、胸膜炎、肺結核、肺悪性腫瘍(癌性胸膜炎)などがある。
★非遺伝性脊髄小脳変性症
●オリーブ橋小脳萎縮症 olivo-ponto-cerebellar atrophy: OPCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調が主体であるが、経過とともに、パーキンソン症状、自律神経症状が出現。
・ 小脳・橋の萎縮が特徴的。
・ 日本のSCDの中で最も多い病型である(35%)。
・ 線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群とそれぞれオーバーラップする部分があり、これらの疾患をまとめて、多系統萎縮症(multisystem atrophy:MSA)と呼ぶ。
●晩発性小脳皮質萎縮症 late cerebellar cortical atrophy: LCCA
・ 中年以降の発症。
・ 小脳性運動失調主体で、パーキンソン症状や、自律神経症状は伴わない。
・ 小脳萎縮はあるが、脳幹萎縮はない。
★ 骨粗鬆症の治療
・ 「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の三つを基本として行われる。
・ 「薬物療法」においては、性別・患者の状態・治療目的などに応じて、骨密度を高めるための骨吸収抑制剤や、骨形成促進剤のほか、ビタミン製剤やカルシウム製剤など、色々なタイプの薬が使用されている。
・ 現在では「ビスフォスフォネート」など骨量を増やすのに有効とされる薬もある。
・ 骨粗鬆症にまだなっておらず、その予防という観点からは、 食事と運動の二つが
重要になる。
★老年症候群と廃用症候群の関連
老化現象に伴う肉体的・精神的な仕組みや働きが低下して、高齢者に特有の症状・病態、さらに心身の障害に陥ることを老年症候群という。
● 老年症候群5大徴候
① 生活機能低下:スムーズに身体が動かない
② うつ状態:気分が滅入る、将来に希望を持てない
③ 転倒:足腰が弱くなる
④ 失禁:排泄のトラブルが多くなる
⑤ 低栄養:食欲のむら、消化力の衰え
これらは、いずれも高齢者にとっては健康の維持に支障を来す。以上の老年症候群が原因で日常生活能力が低下すると、肉体的・精神的機能がさらに衰えて、廃用性筋萎縮(使わない筋肉が細くなる)などの「廃用症候群」が起こる。
★ 切迫性尿失禁
・ 高齢者で起こる持続性の尿失禁の中で最も一般的なタイプ。
・ 明らかな原因がない場合もよくあるが脳卒中や痴呆などの脳の変化が原因のことが多い。
・ 高齢者での切迫性尿失禁は、膀胱の筋肉の過剰な活動と収縮力の低下が組み合わさって起こる。その場合では脳の障害によって膀胱を抑制する神経系の能力が損なわれている。
・ 膀胱が慢性的に過剰に活動する状態(過活動膀胱)は高齢者でよくみられ、突然の強い尿意が起こるだけでなく、昼夜を問わず頻尿になります。
★ リピート病の神経疾患
●歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 Dentatorubropallidoluysian atrophy(DRPLA)
・ 小脳にある歯状核・赤核、大脳の中心部にある淡蒼球・ルイ体が同時におかされる
・ 脊髄小脳変性症の一つであり、遺伝性。遺伝を受け継ぐにつれて発症年齢は若くなる傾向(anticipation)を示し、若年発症の特徴であるME型へと移行する。
・ 若年発症者はミオクローヌスという不随運動、てんかん、痴呆を主症状とする進行性てんかんの臨床像をとり、成人発症例では小脳失調、舞踏病、痴呆が主症状となる
・ CAGリピートが蓄積し、一定数以上になると発症する。
● ハンチントン舞踏病
● 筋緊張型ジストロフィ
● 球脊髄性筋萎縮症など
★若年者の急性腹症
●婦人科疾患(子宮外妊娠(特に破裂時)、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転など)
●イレウスやメッケル憩室、腸重積、炎症性腸疾患
臨検対策
先日の公衆本試はヤマが外れてしまいました。計算問題にまさか集団寄与率出るとか思わなかったです。
5連休だし軽いと聞いてやる気がでないんですが。とか言いながら今回も結構長くなってしまいました。
前半に糖尿病、後半に検査関係という構成です。
<糖尿病>
● 1型糖尿病
・ 中年以降発症もある
・ HLA関連(DR4感受性、DR9緩徐進行型感受性、DR2抵抗性)
● インスリン依存状態のCペプチド
・ 尿中Cペプチド:20μg/day以下
・ 空腹時血中Cペプチド0.5ng/ml以下
● 2型糖尿病
・ 膵島内アミロイド沈着(インスリノーマでも見られる)
・ 日本の糖尿病患者の90%以上
・ 肥満型はインスリン抵抗性が強く、痩せ型は分泌不全
・ インスリン抵抗性が強い症例で黒色表皮腫がみられることがある。
●経口血糖降下薬禁忌
・ インスリン依存状態
・ 糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス:DKA、乳酸アシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡:NKHH coma、低血糖性昏睡)
・ インスリン治療の絶対的適応(重傷感染症、全身麻酔など中等度以上の侵襲をともなう手術、糖尿病合併妊娠「妊娠糖尿病:GDMを含む」)
・ 高度腎機能低下(SU薬においては作用が遷延し、BG薬においては乳酸アシドーシスを来しやすい。TZD薬では浮腫、心不全を来しやすく溢水をまねく)
・ 肝障害(SU薬においては作用が遷延し、BG薬においては乳酸アシドーシスを来しやすい。TZD薬やαGI薬は特異的な副作用の肝障害との鑑別が困難になる。)
・ 腸閉塞、腹部手術後(αGI薬では鼓腸から腸閉塞を招きやすく、腸管気腫症や胆道気腫症も起こす事がある)
● αGI薬
・ 低血糖のとき澱粉や蔗糖では血糖上昇に時間が掛かるのでブドウ糖や清涼飲料水に砂糖の代用に使われているブドウ糖果糖液糖を低血糖の処置に用いる。
・ α-GIは、インスリンを含む他の血糖降下薬と併用しやすい
●低血糖症状
*自律神経症状と中枢神経症状とに分けられ、血糖値が急激に下がる時は自律神経症状が強く、血糖値が緩やかに下がる時は中枢神経症状が強く出る。
・中枢神経症状:意識の混乱、おかしな行動、集中力の散漫、眠気、発語困難、頭痛、複視、けいれん、昏睡など。
・自律神経症状:空腹、発汗、震え、不安、動悸(どうき)、口唇乾燥など。
*自律神経症状は主にインスリン拮抗ホルモンの作用による。インスリン拮抗ホルモンとは、低血糖になると分泌が亢進するホルモンで、アドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンなどがある。
●無自覚性低血糖:本人が低血糖症状を発しない(狭義には低血糖症状を自覚できない)、他人の介助を必要とするもの。低血糖をしばしば起こしていると、中枢神経や自律神経の症状を起こす閾値(いきち)(それを超えると症状を起こす値)が低下してしまい、インスリン拮抗ホルモンの反応も低下するためといわれている。
*糖尿病神経障害が存在したうえに無自覚性低血糖が起きると、生命に危険を及ぼすこともある。
●暁現象【あかつき・げんしょう】(症状名)(英:Dawn Phenomenon)[類→ソモジー効果]: 早朝の睡眠中(あるいは起床時間前)・空腹時の時間帯に生じる特異的な血糖値の上昇のこと。名称は、この症状の発現する時間帯が「夜明け(Dawn)」頃であることに由来する。
*ヒト成長ホルモンなど、体内時計に基いて早朝時に活発に分泌される各種ホルモンの影響によるもので、健常者の場合でも同様の現象は起きているが、これに応じたインスリンが分泌されるので血糖値は通常範囲内に抑制され、問題となることは無い。これに対し、1型DMではその傾向が増幅して現れるケースが多く、就寝前に投与した速効型あるいは中間型インスリンの作用が切れてくる時間帯と重なったり、特に膵臓のβ細胞(→)が廃絶しインスリンの自己分泌が全く0になっている場合には、血糖値の上昇は顕著である。
*夜間の就寝中に微弱な低血糖を起こし、それに対する反動作用として肝臓での糖新生(→)が生じ、血糖が上昇するソモジー効果(→)があるが、この暁現象とは原因が異なるので、両者は区別して考える必要がある。
●ミトコンドリア脳筋症
・ 主な症状: 細胞にあるミトコンドリアの異常により、骨格筋、心臓の筋肉、中枢神経系などに障害を起こす病気。筋力低下、視力低下、知的退行、低身長、けいれん、心筋症、難聴などを起こすほか、糖尿病、腎不全を併発することもある。遺伝性、家族性に現れるものがあり、多くは乳児期又は20歳以下に発症する。
・ ミトコンドリア異常による糖尿病は、糖尿病患者の約1%程度。
● インスリン製剤の保存
・ 冷凍はダメ。冷凍してしまったものは使ってはいけない。
・ 開封前は冷蔵保存。開封後は室温保存。
・ 中間型や混合型は懸濁製剤なので使用前によく撹拌する必要がある。
● 糖尿病性腎症
・毛細血管基底膜が肥厚し、メサンギウム基質が増加する。第1期から糸球体メサンギウム領域に結節性病変ができ、腫大する。糸球体が腫大するため、腎不全になっても腎臓は萎縮せず、腫大する。
*蛋白制限
・ 3期:0.8~1.0g/kg/day
・ 4期;0.6~0.8g/kg/day
* 溢水傾向が強い(溢水=むくみ)
* 2次性ネフローゼ症候群の原因
* 透析療法時はHbA1cが低値
● 糖尿病網膜症
・ 硝子体出血:硝子体手術
● 二次性糖尿病:特定の疾患が原因で耐糖能が低下している。
・ 褐色細胞腫:カテコラミンによる高血糖。臨床症状の5Hに入っている。
・ バセドウ病、グルカゴノーマ
●HOMA-IR指数=空腹時血糖値xインスリン値÷405
● アンヒドログルシトール:高血糖状態の時に低値となる。腎で99%再吸収され物質。
●グリコアルブミン:過去2週間の平均血糖値を反映。
●適正エネルギー量の計算方法(目安)
① 標準体重を計算する。
・標準体重(kg) = 身長(m)×身長(m)×22
② 適正エネルギー量の計算
・ 標準体重に「体重 1kgあたりの必要なエネルギー」をかける。
・ 適正エネルギー量 = 標準体重(kg)×体重 1kgあたりの必要なエネルギー(kcal)
③体重 1kgあたりの必要なエネルギー
*軽い(主婦・事務職など部屋中心の生活)・・・25kcal
*普通(特に重労働をしていない人、セールスマン、販売員など)・・・30kcal
*重い(重労働をしている人。肉体労働者、運動選手など)・・・40kcal
*糖尿病では25~30を目安にする。
●フェニルアラニン誘導体 (グリニド系) :SU構造は持たないもののSU薬と同様膵臓のランゲルハンス島β 細胞のSU受容体(SUR1)に作用し、インスリン分泌を促進させる。食後は吸収が悪くなるので食直前に内服する。5-15分で薬効を来たし数時間で作用消失する。
●糖尿病性ケトアシドーシス:インシュリンの作用不全によって細胞内のカリウムが細胞外に出て一旦は高カリウム血症となるが、速やかに尿中 から排出されて急性期以外ではむしろ低カリウム血症となる。低カリウム血症はST部分の低下,T波の陰性化,U波の増高をもたらす。著明な低カリウム血症では,T波は次第に小さくなり,U波はますます大きくなる。ときに,平低または陽性のT波が陽性U波と合わさって,QT延長と混同されることがある
● 妊娠糖尿病
・定義:「妊娠糖尿病とは妊娠中に発生したか、または初めて認識された耐糖能低下をいう。」なお、妊娠糖尿病と診断した症例は、分娩後に改めて耐糖能の再評価を行う。
・75g糖負荷試験による妊娠糖尿病の診断基準
*静脈血漿ブドウ糖値(mg/dl)
①空腹時値≧100
②負荷後1時間値≧180
③負荷後2時間値≧150
以上のうち2つ以上を満たすもの
・ 妊娠初期はインスリン感受性が高いが、妊娠中期になるとインスリン抵抗性となり、必要インスリン量が増える。
・ 分娩後はインスリン需要激減: インスリン抵抗性の要因のhPLの急激な低下
・ ケトーシスになりやすい。
・ インスリン絶対適応。SU薬など経口薬は禁忌(胎児に移行するため)
● シックデイの自己管理について
①食事と水分摂取
・ 食事ができないからといって、むやみにインスリンを中止しない。(高熱や痛みの激しいときなどは、ストレスホルモンの上昇によってかなりの高血糖になっている。)
・ 食事は、お粥、おじや、麺類、果物など食べやすい形で糖質を取る。食欲がないときは、1回摂取量を少なくして、食事回数を増やす。最低でも、1000Kcal程度のエネルギーを糖質を中心に摂取する。
・ 水分は、1日に1000~1500ml以上取る。尿の回数が少なくなったり、色が濃くなったりした場合は脱水状態を疑う。その場合は、より多くの水分が必要。水分であれば、原則としてどのようなものでも良いが、糖質、電解質を同時に補えるスポーツドリンク、果汁、スープ等が良い。
・ 食事が食べられないときは、経口薬の内服を控える。
②検査とインスリン投与量の決定
・ 患者さんは、いつも自分自身の事について観察、記録していることが大切。
・ シックデイでは、インスリンの投与量は通常よりも多くなる。具体的には、自己血糖測定をしている方は、各食前および就寝前に測定する。その結果、血糖が150~200mg/dl、または尿糖が±であれば通常のインスリンに加えて2単位の速効型インスリンを追加注射し、血糖が200mg/dl以上、又は尿糖が+~++以上であれば、4~6単位のインスリンを追加する。
・ 具体的なことは、患者さん一人一人によって異なる。
③来院が必要な場合
・シックデイの自己管理は、不必要な外来受診や入院を避けるために必要。しかし、次にあげるような状態の時は、病院を受診する。
(1)患者および家族の不安がとても強い場合
(2)下痢や嘔吐の頻度が多く、食事が取れない場合
(3)時間とともに症状が悪化する場合
(4)血糖値が持続的に300~350mg/dlを越える場合
(5)尿ケトン体が24時間以上持続的に強陽性(++以上)の場合
(6)食事摂取が困難で、低血糖が発症する場合
●アシドーシスの補正のための重曹液(重炭酸ナトリウム)の投与は原則として行わない理由
① 重曹液投与→細胞内H+の放出→K+が細胞内にとりこまれる→低K血症
② Na負荷による脳浮腫,心負荷の増悪
● 膠原病におけるステロイド性糖尿病の早期発見に、午後の高血糖が手がかりになる
●インスリン受容体異常症
(1)A型インスリン受容体異常症:黒色表皮症、多毛、polycystic ovaryなど、高アンドロジェン血症による症状が認められることが多い。
(2)B型インスリン受容体異常症:Sjögen症候群、PSSなど自己免疫疾患を伴うことが多い。
<臨床検査>
●血圧計:歴史的に最小目盛りは2mmHgである。
● 高カイロミクロン血症
・ 急性膵炎が臨床症状。
・ apo C-Ⅱ遺伝子異常や先天性LPL欠損で発症。
・ 総コレステロール値:220mg/dl以上
● ABI基準値:0.9~1.3
●梅毒治療効果判定:梅毒脂質抗体(STS)
●通性嫌気性細菌:Staphylococcus(ブドウ球菌、グラム陽性球菌)、Corynebacterium(コリネバクテリウム属、グラム陽性桿菌)、Listeria属(リステリア属、グラム陽性桿菌)、大腸菌(エシェリキア属、グラム陰性桿菌)等がある。
● グラム陽性菌:ファーミキューテス門(en:Firmicutes)と放線菌門(アクチノバクテリア門)に分類される。
・ グラム陽性菌に属する細菌の属としてバシラス属、リステリア属(en:Listeria)、スタフィロコッカス属(en:Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(en:Streptococcus)、エンテロコッカス属(en:Enterococcus)、クロストリジウム属などの属がよく知られている。
・ 広義にはマイコプラズマのような細胞壁を持たないためにグラム染色できないMollicutes綱の細菌もグラム陽性菌に分類される。
● グラム陰性菌
・ プロテオバクテリアはグラム陰性菌の主要なグループであり、大腸菌( Escherichia coli)、サルモネラ、腸内細菌科、シュードモナス(en:Pseudomonas)、モラクセラ、ヘリコバクター、ステノトロフォモナ、ブデロビブリオ(en:Bdellovibrio)、酢酸菌、レジオネラ、そしてWolbachia(en:Wolbachia)などのα-プロテオバクテリアが含まれる。他の代表的なグラム陰性菌のグループとしてシアノバクテリア、spirochaetes(en:spirochaete)、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌が含まれる。
・ 医学関係のグラム陰性の球菌は性行為感染症(淋菌)、髄膜炎(髄膜炎菌)、呼吸器症状(カタラリス菌(en:Moraxella catarrhalis))を引き起こす3種が含まれる。
・ 医学関係のグラム陰性の桿菌は多数存在する。主に呼吸器系の障害を引き起こす桿菌としてインフルエンザ菌、肺炎桿菌(en:Klebsiella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(en:Legionella pneumophila)、緑膿菌などがあり、泌尿器系に障害を引き起こす桿菌として大腸菌、ミラビリス変形菌(en:Proteus mirabilis)、Enterobacter cloacae、セラチア・マルセッセンス(en:Serratia marcescens)などがあり、消化器系に障害を引き起こすヘリコバクター・ピロリ、ゲルトネル菌(en:Salmonella enteritidis)、チフス菌(en:Salmonella typhi)などがある。
●von Willebrand病:第VIII因子を産生することはできるがvWFがないために第VIII因子は安定して血中に存在できない。von Willebrand病でAPTTが延長するのは、血中第VIII因子活性が低下しているため。
●DICでは、フィブリノゲンが低下するため、赤沈が遅延する
● 血ガス基準値
・ 動脈血酸素分圧(PaO2): 80~100 Torr
・ 動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2): 35~45 Torr
・ pH: 7.36~7.44
・ 重炭酸イオン(HCO3-): 22~26 mEq/L
・ 塩基余剰(BE): -2~+2 mEq/L
・ SaO2:93~98%
●アニオンギャップ
・ 代謝性アシドーシスの指標
・ 基準値は約10~14[mEq/L]であり、20以上で代謝性アシドーシスと評価される。
・ ただし尿細管性アシドーシスや下痢では代謝性アシドーシスであるにもかかわらず、アニオンギャップは正常となる。これは HCOが減った分だけ、代償的にClが増加したからである。(Cl基準値96~107 mEq/L)
● ALTとAST
・ 血中半減期はASTでは11~15時間、ALTでは40~50時間といわれ、肝臓の細胞が急激に崩壊する急性肝炎では肝含有量を反映してAST優位、慢性肝炎、肥満による脂肪肝では半減期の長いALT優位、肝硬変、肝癌では正常肝細胞の減少によりAST優位となる傾向がみられる。
・ アルコール性肝障害ではAST優位が特徴。エタノールによってALT合成が阻害され、かつ障害がミトコンドリアに及んでAST-m が逸脱するためといわれている。
・ AST/ALT比は慢性肝炎と肝硬変の鑑別、アルコール性肝炎の診断など肝障害を評価する際に有用であるため、両者を同時に測定する。
●肥満と高尿酸血症には相関があり、肥満 度が高くなると、血清尿酸値が上がり、高尿酸血症が増えることが知られている。
●変形性膝関節症の多くは、筋肉の衰えや肥満、無理な動作など多くの要因が絡み合って膝への負担となり、膝の関節軟骨がすり減って発症する。
● Pickwick 症候群: 高度肥満による肺胞低換気症候群のこと。
●変動係数(Coefficient of variation, Relative standard deviation)
・ 標準偏差を平均で割って求める。
・ 変動係数は相対標準偏差ともいう。
★ 参考
・ 「もやしもん@wiki」http://www39.atwiki.jp/moyashimon/pages/1.html
もやしもん公式ではないようですが、登場菌が丁寧に解説してありました。医学関連菌がほとんど居ないのが残念。でも常在菌程度なら十分検索に役立ちます。
5連休だし軽いと聞いてやる気がでないんですが。とか言いながら今回も結構長くなってしまいました。
前半に糖尿病、後半に検査関係という構成です。
<糖尿病>
● 1型糖尿病
・ 中年以降発症もある
・ HLA関連(DR4感受性、DR9緩徐進行型感受性、DR2抵抗性)
● インスリン依存状態のCペプチド
・ 尿中Cペプチド:20μg/day以下
・ 空腹時血中Cペプチド0.5ng/ml以下
● 2型糖尿病
・ 膵島内アミロイド沈着(インスリノーマでも見られる)
・ 日本の糖尿病患者の90%以上
・ 肥満型はインスリン抵抗性が強く、痩せ型は分泌不全
・ インスリン抵抗性が強い症例で黒色表皮腫がみられることがある。
●経口血糖降下薬禁忌
・ インスリン依存状態
・ 糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス:DKA、乳酸アシドーシス、非ケトン性高浸透圧性昏睡:NKHH coma、低血糖性昏睡)
・ インスリン治療の絶対的適応(重傷感染症、全身麻酔など中等度以上の侵襲をともなう手術、糖尿病合併妊娠「妊娠糖尿病:GDMを含む」)
・ 高度腎機能低下(SU薬においては作用が遷延し、BG薬においては乳酸アシドーシスを来しやすい。TZD薬では浮腫、心不全を来しやすく溢水をまねく)
・ 肝障害(SU薬においては作用が遷延し、BG薬においては乳酸アシドーシスを来しやすい。TZD薬やαGI薬は特異的な副作用の肝障害との鑑別が困難になる。)
・ 腸閉塞、腹部手術後(αGI薬では鼓腸から腸閉塞を招きやすく、腸管気腫症や胆道気腫症も起こす事がある)
● αGI薬
・ 低血糖のとき澱粉や蔗糖では血糖上昇に時間が掛かるのでブドウ糖や清涼飲料水に砂糖の代用に使われているブドウ糖果糖液糖を低血糖の処置に用いる。
・ α-GIは、インスリンを含む他の血糖降下薬と併用しやすい
●低血糖症状
*自律神経症状と中枢神経症状とに分けられ、血糖値が急激に下がる時は自律神経症状が強く、血糖値が緩やかに下がる時は中枢神経症状が強く出る。
・中枢神経症状:意識の混乱、おかしな行動、集中力の散漫、眠気、発語困難、頭痛、複視、けいれん、昏睡など。
・自律神経症状:空腹、発汗、震え、不安、動悸(どうき)、口唇乾燥など。
*自律神経症状は主にインスリン拮抗ホルモンの作用による。インスリン拮抗ホルモンとは、低血糖になると分泌が亢進するホルモンで、アドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンなどがある。
●無自覚性低血糖:本人が低血糖症状を発しない(狭義には低血糖症状を自覚できない)、他人の介助を必要とするもの。低血糖をしばしば起こしていると、中枢神経や自律神経の症状を起こす閾値(いきち)(それを超えると症状を起こす値)が低下してしまい、インスリン拮抗ホルモンの反応も低下するためといわれている。
*糖尿病神経障害が存在したうえに無自覚性低血糖が起きると、生命に危険を及ぼすこともある。
●暁現象【あかつき・げんしょう】(症状名)(英:Dawn Phenomenon)[類→ソモジー効果]: 早朝の睡眠中(あるいは起床時間前)・空腹時の時間帯に生じる特異的な血糖値の上昇のこと。名称は、この症状の発現する時間帯が「夜明け(Dawn)」頃であることに由来する。
*ヒト成長ホルモンなど、体内時計に基いて早朝時に活発に分泌される各種ホルモンの影響によるもので、健常者の場合でも同様の現象は起きているが、これに応じたインスリンが分泌されるので血糖値は通常範囲内に抑制され、問題となることは無い。これに対し、1型DMではその傾向が増幅して現れるケースが多く、就寝前に投与した速効型あるいは中間型インスリンの作用が切れてくる時間帯と重なったり、特に膵臓のβ細胞(→)が廃絶しインスリンの自己分泌が全く0になっている場合には、血糖値の上昇は顕著である。
*夜間の就寝中に微弱な低血糖を起こし、それに対する反動作用として肝臓での糖新生(→)が生じ、血糖が上昇するソモジー効果(→)があるが、この暁現象とは原因が異なるので、両者は区別して考える必要がある。
●ミトコンドリア脳筋症
・ 主な症状: 細胞にあるミトコンドリアの異常により、骨格筋、心臓の筋肉、中枢神経系などに障害を起こす病気。筋力低下、視力低下、知的退行、低身長、けいれん、心筋症、難聴などを起こすほか、糖尿病、腎不全を併発することもある。遺伝性、家族性に現れるものがあり、多くは乳児期又は20歳以下に発症する。
・ ミトコンドリア異常による糖尿病は、糖尿病患者の約1%程度。
● インスリン製剤の保存
・ 冷凍はダメ。冷凍してしまったものは使ってはいけない。
・ 開封前は冷蔵保存。開封後は室温保存。
・ 中間型や混合型は懸濁製剤なので使用前によく撹拌する必要がある。
● 糖尿病性腎症
・毛細血管基底膜が肥厚し、メサンギウム基質が増加する。第1期から糸球体メサンギウム領域に結節性病変ができ、腫大する。糸球体が腫大するため、腎不全になっても腎臓は萎縮せず、腫大する。
*蛋白制限
・ 3期:0.8~1.0g/kg/day
・ 4期;0.6~0.8g/kg/day
* 溢水傾向が強い(溢水=むくみ)
* 2次性ネフローゼ症候群の原因
* 透析療法時はHbA1cが低値
● 糖尿病網膜症
・ 硝子体出血:硝子体手術
● 二次性糖尿病:特定の疾患が原因で耐糖能が低下している。
・ 褐色細胞腫:カテコラミンによる高血糖。臨床症状の5Hに入っている。
・ バセドウ病、グルカゴノーマ
●HOMA-IR指数=空腹時血糖値xインスリン値÷405
● アンヒドログルシトール:高血糖状態の時に低値となる。腎で99%再吸収され物質。
●グリコアルブミン:過去2週間の平均血糖値を反映。
●適正エネルギー量の計算方法(目安)
① 標準体重を計算する。
・標準体重(kg) = 身長(m)×身長(m)×22
② 適正エネルギー量の計算
・ 標準体重に「体重 1kgあたりの必要なエネルギー」をかける。
・ 適正エネルギー量 = 標準体重(kg)×体重 1kgあたりの必要なエネルギー(kcal)
③体重 1kgあたりの必要なエネルギー
*軽い(主婦・事務職など部屋中心の生活)・・・25kcal
*普通(特に重労働をしていない人、セールスマン、販売員など)・・・30kcal
*重い(重労働をしている人。肉体労働者、運動選手など)・・・40kcal
*糖尿病では25~30を目安にする。
●フェニルアラニン誘導体 (グリニド系) :SU構造は持たないもののSU薬と同様膵臓のランゲルハンス島β 細胞のSU受容体(SUR1)に作用し、インスリン分泌を促進させる。食後は吸収が悪くなるので食直前に内服する。5-15分で薬効を来たし数時間で作用消失する。
●糖尿病性ケトアシドーシス:インシュリンの作用不全によって細胞内のカリウムが細胞外に出て一旦は高カリウム血症となるが、速やかに尿中 から排出されて急性期以外ではむしろ低カリウム血症となる。低カリウム血症はST部分の低下,T波の陰性化,U波の増高をもたらす。著明な低カリウム血症では,T波は次第に小さくなり,U波はますます大きくなる。ときに,平低または陽性のT波が陽性U波と合わさって,QT延長と混同されることがある
● 妊娠糖尿病
・定義:「妊娠糖尿病とは妊娠中に発生したか、または初めて認識された耐糖能低下をいう。」なお、妊娠糖尿病と診断した症例は、分娩後に改めて耐糖能の再評価を行う。
・75g糖負荷試験による妊娠糖尿病の診断基準
*静脈血漿ブドウ糖値(mg/dl)
①空腹時値≧100
②負荷後1時間値≧180
③負荷後2時間値≧150
以上のうち2つ以上を満たすもの
・ 妊娠初期はインスリン感受性が高いが、妊娠中期になるとインスリン抵抗性となり、必要インスリン量が増える。
・ 分娩後はインスリン需要激減: インスリン抵抗性の要因のhPLの急激な低下
・ ケトーシスになりやすい。
・ インスリン絶対適応。SU薬など経口薬は禁忌(胎児に移行するため)
● シックデイの自己管理について
①食事と水分摂取
・ 食事ができないからといって、むやみにインスリンを中止しない。(高熱や痛みの激しいときなどは、ストレスホルモンの上昇によってかなりの高血糖になっている。)
・ 食事は、お粥、おじや、麺類、果物など食べやすい形で糖質を取る。食欲がないときは、1回摂取量を少なくして、食事回数を増やす。最低でも、1000Kcal程度のエネルギーを糖質を中心に摂取する。
・ 水分は、1日に1000~1500ml以上取る。尿の回数が少なくなったり、色が濃くなったりした場合は脱水状態を疑う。その場合は、より多くの水分が必要。水分であれば、原則としてどのようなものでも良いが、糖質、電解質を同時に補えるスポーツドリンク、果汁、スープ等が良い。
・ 食事が食べられないときは、経口薬の内服を控える。
②検査とインスリン投与量の決定
・ 患者さんは、いつも自分自身の事について観察、記録していることが大切。
・ シックデイでは、インスリンの投与量は通常よりも多くなる。具体的には、自己血糖測定をしている方は、各食前および就寝前に測定する。その結果、血糖が150~200mg/dl、または尿糖が±であれば通常のインスリンに加えて2単位の速効型インスリンを追加注射し、血糖が200mg/dl以上、又は尿糖が+~++以上であれば、4~6単位のインスリンを追加する。
・ 具体的なことは、患者さん一人一人によって異なる。
③来院が必要な場合
・シックデイの自己管理は、不必要な外来受診や入院を避けるために必要。しかし、次にあげるような状態の時は、病院を受診する。
(1)患者および家族の不安がとても強い場合
(2)下痢や嘔吐の頻度が多く、食事が取れない場合
(3)時間とともに症状が悪化する場合
(4)血糖値が持続的に300~350mg/dlを越える場合
(5)尿ケトン体が24時間以上持続的に強陽性(++以上)の場合
(6)食事摂取が困難で、低血糖が発症する場合
●アシドーシスの補正のための重曹液(重炭酸ナトリウム)の投与は原則として行わない理由
① 重曹液投与→細胞内H+の放出→K+が細胞内にとりこまれる→低K血症
② Na負荷による脳浮腫,心負荷の増悪
● 膠原病におけるステロイド性糖尿病の早期発見に、午後の高血糖が手がかりになる
●インスリン受容体異常症
(1)A型インスリン受容体異常症:黒色表皮症、多毛、polycystic ovaryなど、高アンドロジェン血症による症状が認められることが多い。
(2)B型インスリン受容体異常症:Sjögen症候群、PSSなど自己免疫疾患を伴うことが多い。
<臨床検査>
●血圧計:歴史的に最小目盛りは2mmHgである。
● 高カイロミクロン血症
・ 急性膵炎が臨床症状。
・ apo C-Ⅱ遺伝子異常や先天性LPL欠損で発症。
・ 総コレステロール値:220mg/dl以上
● ABI基準値:0.9~1.3
●梅毒治療効果判定:梅毒脂質抗体(STS)
●通性嫌気性細菌:Staphylococcus(ブドウ球菌、グラム陽性球菌)、Corynebacterium(コリネバクテリウム属、グラム陽性桿菌)、Listeria属(リステリア属、グラム陽性桿菌)、大腸菌(エシェリキア属、グラム陰性桿菌)等がある。
● グラム陽性菌:ファーミキューテス門(en:Firmicutes)と放線菌門(アクチノバクテリア門)に分類される。
・ グラム陽性菌に属する細菌の属としてバシラス属、リステリア属(en:Listeria)、スタフィロコッカス属(en:Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(en:Streptococcus)、エンテロコッカス属(en:Enterococcus)、クロストリジウム属などの属がよく知られている。
・ 広義にはマイコプラズマのような細胞壁を持たないためにグラム染色できないMollicutes綱の細菌もグラム陽性菌に分類される。
● グラム陰性菌
・ プロテオバクテリアはグラム陰性菌の主要なグループであり、大腸菌( Escherichia coli)、サルモネラ、腸内細菌科、シュードモナス(en:Pseudomonas)、モラクセラ、ヘリコバクター、ステノトロフォモナ、ブデロビブリオ(en:Bdellovibrio)、酢酸菌、レジオネラ、そしてWolbachia(en:Wolbachia)などのα-プロテオバクテリアが含まれる。他の代表的なグラム陰性菌のグループとしてシアノバクテリア、spirochaetes(en:spirochaete)、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌が含まれる。
・ 医学関係のグラム陰性の球菌は性行為感染症(淋菌)、髄膜炎(髄膜炎菌)、呼吸器症状(カタラリス菌(en:Moraxella catarrhalis))を引き起こす3種が含まれる。
・ 医学関係のグラム陰性の桿菌は多数存在する。主に呼吸器系の障害を引き起こす桿菌としてインフルエンザ菌、肺炎桿菌(en:Klebsiella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(en:Legionella pneumophila)、緑膿菌などがあり、泌尿器系に障害を引き起こす桿菌として大腸菌、ミラビリス変形菌(en:Proteus mirabilis)、Enterobacter cloacae、セラチア・マルセッセンス(en:Serratia marcescens)などがあり、消化器系に障害を引き起こすヘリコバクター・ピロリ、ゲルトネル菌(en:Salmonella enteritidis)、チフス菌(en:Salmonella typhi)などがある。
●von Willebrand病:第VIII因子を産生することはできるがvWFがないために第VIII因子は安定して血中に存在できない。von Willebrand病でAPTTが延長するのは、血中第VIII因子活性が低下しているため。
●DICでは、フィブリノゲンが低下するため、赤沈が遅延する
● 血ガス基準値
・ 動脈血酸素分圧(PaO2): 80~100 Torr
・ 動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2): 35~45 Torr
・ pH: 7.36~7.44
・ 重炭酸イオン(HCO3-): 22~26 mEq/L
・ 塩基余剰(BE): -2~+2 mEq/L
・ SaO2:93~98%
●アニオンギャップ
・ 代謝性アシドーシスの指標
・ 基準値は約10~14[mEq/L]であり、20以上で代謝性アシドーシスと評価される。
・ ただし尿細管性アシドーシスや下痢では代謝性アシドーシスであるにもかかわらず、アニオンギャップは正常となる。これは HCOが減った分だけ、代償的にClが増加したからである。(Cl基準値96~107 mEq/L)
● ALTとAST
・ 血中半減期はASTでは11~15時間、ALTでは40~50時間といわれ、肝臓の細胞が急激に崩壊する急性肝炎では肝含有量を反映してAST優位、慢性肝炎、肥満による脂肪肝では半減期の長いALT優位、肝硬変、肝癌では正常肝細胞の減少によりAST優位となる傾向がみられる。
・ アルコール性肝障害ではAST優位が特徴。エタノールによってALT合成が阻害され、かつ障害がミトコンドリアに及んでAST-m が逸脱するためといわれている。
・ AST/ALT比は慢性肝炎と肝硬変の鑑別、アルコール性肝炎の診断など肝障害を評価する際に有用であるため、両者を同時に測定する。
●肥満と高尿酸血症には相関があり、肥満 度が高くなると、血清尿酸値が上がり、高尿酸血症が増えることが知られている。
●変形性膝関節症の多くは、筋肉の衰えや肥満、無理な動作など多くの要因が絡み合って膝への負担となり、膝の関節軟骨がすり減って発症する。
● Pickwick 症候群: 高度肥満による肺胞低換気症候群のこと。
●変動係数(Coefficient of variation, Relative standard deviation)
・ 標準偏差を平均で割って求める。
・ 変動係数は相対標準偏差ともいう。
★ 参考
・ 「もやしもん@wiki」http://www39.atwiki.jp/moyashimon/pages/1.html
もやしもん公式ではないようですが、登場菌が丁寧に解説してありました。医学関連菌がほとんど居ないのが残念。でも常在菌程度なら十分検索に役立ちます。