あなたは22歳の誕生日を迎えてから4日で逝ったね。
私は22歳になっちゃったよ。
あなたの年を追い越そうとしてる。
おかしいよね。私はあなたの、妹なのに。
ねぇMちゃん。
4年が経ったんだね。
もうMちゃんに、4年も会ってないんだね。
今でも信じたくない。もう、会えないなんて。
たまらない虚無感が、押し寄せる。
当たり前の存在だったんだ。
「大好きだったんだね」
そう、慰められても。
知らない。そんなこと、意識したことなかった。
どうしていないの?…ああ、死んでしまったんだ。
いつも、忘れていたかのように思い出す。
あなたがいないことに気づいて。
祈ってたんだよ。ずっと。
叶うなら、もう何ひとついらなかった。
欲しいものなんかなかった。
消えてはくれない絶望感。
人を見るたび静かに沸きあがる醜い感情。
当たり前の幸せに、気づきもしない人たち。
みんな、奪われてしまえばいいのに。
そう思わずにはいられない。
病院、あなたが死んだ場所。
むせ返るような花の香りは、あなたの遺体を思い出す。
ドライアイスで凍った頬に気づき、私は泣いた。
4年前。
「お母さんのこと、よろしくね」
ああ、ちゃんと生きなきゃいけない。
しっかりしなくちゃ。
明日、私はあなたの年を追い越す。