老後はひとり暮らしが幸せ という本 | 猿の残日録

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いろんなことがあるが、人生短いから前だけを見たほうがいいですよ。江原啓之 今宵の格言

老後はひとり暮らしが幸せ 辻川覚志(つじかわさとし)著
 

自由に気ままに最後まで。 と表紙に書いてある
 

ひとりになったら、ひとり暮らしが
もっとも現実的で、理想の姿であり
もっとも幸せに近いことがわかりました
 

と表紙の裏に書いてある


2013年10月に初版
2014年4月 第5刷 と好評らしい


最新刊に
ふたり老後もこれで幸せ


という本が2014年8月刊行らしく


妻の不満、夫のいいぶん
ふたり暮らしで、注意しなければいけないことは?


高齢者へのアンケート調査から
それぞれの考え方、価値観を分析し
ふたりの老後を上手く続ける方法を考えます
とある


この本も面白そう 今は図書館にないが
いつか読みたいと思っています


では、老後はひとり暮らしが幸せ」 を
目次から、簡単に内容を追加してみます


1章 なんでひとりで寂しくないの


やっぱり自分ひとりがいい


 60才以上、460人のアンケート結果
 なので、大した結果が出ないのではと
 思いながら読み始めたのですが
 まとめかたがうまく、文書力があり
 納得しやすく、なかなかわかりやすい本でした


 健康状態が良い時は


 健康状態が悪くなってくると


 年齢の影響は


 性別の影響は


 経済状態の影響は


 悩みやストレス


 これらを順に比較説明しています


子供世帯は助けになるか


 ひとり暮らしを選択した理由


 子供が近くに住んでいると


 子が遠方に住んでいる場合


 子がいない場合


 これだけ分類して説明されると
 納得する以外ありません


人と多く接すると満足度は高くなるか


 サークル活動


 地域社会との関わり方


 ボランティア活動


 アンケート結果だけでなく筆者の
 読み取り方、考え方に共鳴します


独居を支えるもの


 ① 自由で勝手気ままな暮らし


 ② 信頼のおける友人や親戚


 ③ 住み慣れた土地


 三世代世帯の満足度が高い


 ひとり暮らしで開き直る


2章 同居はどうして快適じゃないのでしょう


同居は悩みが多くなる?


 健康状態が良いとき


 健康状態が悪くなってくると


家族構成の影響


 三世代世帯は中身が重要


 夫婦だけの世帯は二極化


 ひとり親と未婚の子世帯、夫婦と未婚の子世帯


困窮する子世代


 子世代はあえいでいる


 子世代を取り巻く労働環境の変化


 子世代の子育ては母親の体力勝負


情報化が人に与える影響


 視野が狭くなる


 その人だけは幸せだが


家庭内での孤独感


 家族の中身が変わってきている


体がいうことをきかなくても


 体がいうことをきかない


 家族にどこまで頼っていいか


同居は不完全な個の集まり


 一方的な関係に依存するかたち


なぜ同居は困難なのか


 ひたすら子世代を支援する役割?


 3世代同居にも期待はできない


3章 老人ホームに入りたいですか


老人向け施設という選択肢


 至れり尽くせりの施設も


 能力は使わなければすぐ衰える


集団の中でひとりで暮らすということ


 人付き合いの自由はない


 信頼できる友をつくる時間がない


 住み慣れた環境ではない苦しみ


 自由気ままな生活はできない


 お金の管理が心配


4章 ひとり暮らしを長く楽しめる7つの秘訣


秘訣① 生活環境をできるだけ変化させない


 親しんだ生活圏から離れない


 自宅を終の棲家にできるようにしておく


秘訣② 友達を維持する 信頼のおける人を持つ


 困難なときに頼れる人はいますか


 子・孫世代は頼れない


秘訣③ 毎日何かやることをつくる


 体内時計を更新する


 ささいなことから始める


 仕事と趣味


秘訣④ できるだけ自分で何でもする


 能力は使わなければすぐ衰える


 トレーニングを続ける


 自分でやる健康法


 動く


 食べる


 飲む


 眠る


 話す


 認知症予防は必要か


  ひとり暮らしの場合は
  誰も助けてはくれません


  そのため、何としても認知症になることを
  遅らせなければなりません


  たとえば、年を重ねると眼や耳から入ってくる
  情報が減って、脳が休み始めると、急速に認知症が
  進んでくる場合があります


  独居生活で、他からの働きかけも少なく
  刺激のない生活にいると、どうしても使わなければ
  衰退させるという人間の原理に従って、脳機能が低下
  することを避けることはできません


  認知症予防には、魚を中心に食べて、緑茶や赤ワインを
  飲み、人と話をしたり、運動したりして、他との関わりが
  重要であり、身も心も使い続けることが大切なのです


  ということは
  他人を頼らずに何でも自分でやり
  自分に残されているいろいろな能力を
  日々使い切りながら自らが満足する人生を
  送ろうとすることと、多くの共通点があることに
  気づきます


  つまり、認知症予防と満足する老後を過ごすための
  努力とは、方向性が同じなのです


  何も、認知症を予防しようと肩に力を入れてがんばる
  必要はなく、ごく自然に人生を楽しもうとすれば
  それがとりもなおさず、認知症予防につながるものと
  考えます


秘訣⑤ ひとり暮らしの寂しさを少しでも減らす


 孫の相手は疲れるが楽しい


 他人の子供の世話


 ペット


 音は心を癒してくれる


秘訣⑥ 緊急時の対応策を決めておく


 緊急時の通報システム


 避けたいのは放置される孤立死


 そっと見守るシステム


 自宅内に設置したセンサーでチェック


 自宅で使用されるものでチェック


 携帯端末を使ったサービス


 給食や清涼飲料の宅配時に付属のサービスとして提供


 専用端末を使ったサービス


秘訣⑦ 自分の希望を周囲に伝えておく


 自分の希望を書き残す


 胃ろうについての考え方


 「不治」の場合を書き残す


 「延命治療」の希望をはっきり伝える


5章 どうしてもひとり暮らしが無理になったら


死別した時の対策


 自分の人生にはまだ先がある


 見送ったあとは


 寂しいと感じる場合


大けがや大病をしてしまった


金銭管理


 家族や他人に頼る


 自分で最後まで管理する


最後の決断


自立死という選択肢


 あるアンケート協力者の場合


 契約家族


 公的支援を要請する


 

あとがき より

 自由でやりたいことができることは
 その人が最も望んでいることです


 残されたお金は、決して高齢者向けの施設に
 入所するために使ってはなりません


 人間誰しも、いずれ彼の地に向かいます


 そのときの体の苦しみは、同居でも独居でも
 ホームでも、同様ではないでしょうか


 ならば、最後のときまで自分の意思で暮らす
 ことができる可能性の高い独居が、一番幸せに
 近い形なのではないでしょうか



 一体、人間は何を達成すれば満足し
 どうすれば幸せと感じることができるのでしょうか


 人間は何かをしたいと思って生きているわけでは
 ないかもしれませんが、何もしたくないと思って
 生きているわけでもないと思います


 年齢を重ねて、徐々に動ける範囲が狭くなっていっても
 精神まで老いることはありません


 認知症になるか、いよいよまったく動けなくなるまで
 できる限り長く独居で、その人の思いのままに
 少しでも多くの満足感を得ながら、暮らしていくことを
 目指していきたいものだと思います