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非日常的日常ブログ

日々過ごしていく中であった出来事や、なかった出来事、夢で見た出来事などを淡々と綴ったり、綴らなかったりしていきます。

『忍法相伝73』 1964年5月14日号〜1965年3月25日号 「週刊現代」連載 

 

1965年5月刊行 『忍法相伝73』(講談社)

 

 

1965年発表の『忍法相伝73』は、山田風太郎の「忍法帖」シリーズで唯一現代を舞台とした異色の連作長編である。

 

運送会社に勤める伊賀忍者の末裔・伊賀大馬が、先祖の遺した巻物「忍法相伝書」を発見する。印刷物を白紙化する「忍法墨消し」や、男を妊娠させる術などの奇天烈な忍法の数々を現代社会で実践し、次々と世間を巻き込んだ珍騒動を引き起こしていく。

 

痛烈な社会風刺とブラックユーモアを交え、社会がパニックに陥る様を描き出しながら、その奥底には人間の業と欲望を冷徹に見据える風太郎ならではの眼差しが一貫して流れている。

 


 

 

 

『自来也忍法帖』 1964年9月16日号〜1965年3月17日号 「週刊漫画サンデー」連載 

 

1965年7月刊行 『自来也忍法帖』(実業之日本社)<ホリデー新書>

 

 

1965年に発表された『自来也忍法帖』は、山田風太郎が紡ぐ忍法帖シリーズの一篇である。

 

将軍・家斉の治世、伊勢藤堂藩の世継ぎが不審な死を遂げたことを発端に、家斉の三十三番目の子にして口の利けぬ石五郎が、鞠姫の婿として半ば強引に送り込まれてくる。藤堂藩乗っ取りを目論む服部蛇丸と配下のくノ一たちが石五郎の命を狙うなか、忽然と現れた謎の覆面忍者「自来也」がその前に立ち塞がる。

 

妖艶さと残酷さ、そして哀切が交錯する独特の世界観のなかで、忍者たちの非情な宿命と人間味が浮かび上がる、風太郎忍法帖の魅力を凝縮した一作である。

 

 

 

『おぼろ忍法帖』 1964年12月18日〜1965年2月24日 「大阪新聞」他 連載 

 

1967年3月刊行 『おぼろ忍法帖(上)』(講談社)

1967年4月刊行 『おぼろ忍法帖(中)』(講談社)

1967年5月刊行 『おぼろ忍法帖(下)』(講談社)

 

1978年4月文庫版刊行『忍法魔界転生(上) 熊野山岳篇』(角川書店)<角川文庫>

1978年4月文庫版刊行『忍法魔界転生(下) 伊勢波濤篇』(角川書店)<角川文庫>

 

1981年文庫版改題『忍法魔界転生(上) 熊野山岳篇』(角川書店)<角川文庫>

1981年文庫版改題『忍法魔界転生(下) 伊勢波濤篇』(角川書店)<角川文庫>

 

 

1967年に世に出た『魔界転生』は、山田風太郎が手がける「忍法帖」シリーズに連なる一作である。

 

島原の乱の生き残りである軍師・森宗意軒は、禁断の秘術「魔界転生」により、現世に遺恨を抱いたまま斃れた剣豪・英傑たちを魔人として蘇らせた。幕府転覆を目論む魔人たちに単身挑むは、天下無双の剣客・柳生十兵衛。史実に名を刻む男たちが虚実の狭間に入り乱れ、息をのむような剣戟の絵巻を繰り広げる。

 

生と死、信仰と背徳といった重厚な主題を孕みつつ、娯楽性と思想性を兼ね備えた風太郎文学の金字塔である。

 

 

 

 

 

『忍法八犬伝』 1964年5月3日号〜1964年11月29日号 「週刊アサヒ芸能」連載

 

1964年12月刊行 『忍法八犬伝』<平和新書>(徳間書店)

 

 

1964年発表の『忍法八犬伝』は、山田風太郎による忍法帖シリーズの一篇である。

 

曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』を下敷きにしつつ、それを大胆に翻案した伝奇忍法小説である。里見家を脅かす陰謀に対抗するため、八つの数珠の玉に導かれて集う八犬士と、彼らの前に立ちはだかる伊賀くノ一八人衆との死闘が描かれる。

 

荒唐無稽ともいえる奇想天外な忍法と、緻密に組み上げられた構成、そして風太郎独自の虚無感漂う作風が融合した、原典への大胆な再解釈が魅力の一作である。

 

 

 

『伊賀忍法帖』 1964年4月1日号〜1964年8月26日号 「週刊漫画サンデー」連載 

 

1964年10月刊行 『伊賀忍法帖』(東都書房)

 

 

『伊賀忍法帖』は、1964年に発表された「忍法帖」シリーズの一編である。

 

戦国末期、松永弾正に仕える根来衆の忍法僧「七天狗」によって最愛の許嫁を奪われた伊賀の若き忍者・笛吹城太郎は怒りと悲しみを胸に、ただひとり敵地へと乗り込んでいく。

奇怪極まる忍法を操る強敵たちとの死闘、想い人をめぐる切なくも凄絶な因縁、史実の人物が絡む壮大な背景が織り合わされ、哀しみと激情が物語を貫く。

 

伝奇ロマンと剣戟活劇が融合した、忍者小説の金字塔として今なお読者を魅了し続けている。

 

 

『尼寺五十万石』 1962年5月29日〜1964年2月4日 「岩手日報」他 連載 

 

1964年6月刊行 『柳生忍法帖(上)』<山田風太郎忍法小説全集(11)>(講談社)

1964年7月刊行 『柳生忍法帖(中)』<山田風太郎忍法小説全集(12)>(講談社)

1964年8月刊行 『柳生忍法帖(下)』<山田風太郎忍法小説全集(13)>(講談社)

 

 

山田風太郎「忍法帖」シリーズに属する本作は、1964年に発表された柳生十兵衛三部作の第一弾である。

 

舞台は寛永年間の会津。暴君・加藤明成とその配下に属する武芸者集団「会津七本槍」によって一族を惨殺された堀家の女7人が、復讐を挑むにあたり師と仰いだのが、剣豪・柳生十兵衛である。

彼が課した流儀は自ら剣を抜かず、女たち自身の手で仇を討たせるというものであった。その制約の中で十兵衞と堀の女たちは奇想天外な知略と絶技を駆使して強敵どもに立ち向かう。

 

忍者活劇の色合いは薄く、むしろ史実を骨格に据えた剣戟絵巻の趣が強い。女たちの燃え上がる執念、七本槍が放つ異形の強さ、そして十兵衛の神業が交錯し、息を呑む攻防が続く。残酷さと哀愁、それでいて読後に残る痛快感――相反する感情を一冊に封じ込めた、伝奇時代小説の頂点に立つ一作と言える。

 

 

 

 

 

『風来忍法帖』 1963年3月16日号〜1963年12月26日号 「週刊大衆」連載 

 

1964年4月刊行 『風来忍法帖(上)』<山田風太郎忍法小説全集(9)>(講談社)

1964年5月刊行 『風来忍法帖(下)』<山田風太郎忍法小説全集(10)>(講談社)

 

 

1964年に発表された『風来忍法帖』は、「忍法帖」シリーズの中でもひときわ異彩を放つ、波瀾万丈なエンターテインメント活劇である。

 

舞台は豊臣秀吉の小田原攻めに揺れる戦国末期。戦場を渡り歩いては女を売り飛ばすような7人の悪党香具師たちが、気高く美しい麻也姫に惚れ込み、彼女を守るべく風摩の里に潜入して忍法を習得する。そして姫を狙う風摩組の精鋭3人に対し、くノ一たちと共闘して死闘を挑むことになる。

 

悪党たちのユーモラスで痛快な活躍を書いた前半の展開と、切なく哀愁漂うラストのギャップが深い余韻を残す一作である。

 

 

『八陣忍法帖』 1962年5月号〜1962年12月号 「講談倶楽部」連載

 

1964年3月刊行 『信玄忍法帖』<山田風太郎忍法小説全集(8)>(講談社)

 

 

1964年発表の『信玄忍法帖』は、山田風太郎「忍法帖」シリーズの一編である。

 

三方ヶ原の戦い直後という歴史的転換点を舞台に、信玄の生死をめぐる虚々実々の謀略戦が展開される。真相を探るべく徳川家康が放った伊賀忍者の精鋭に対し、武田陣営は密かに存命していた軍師・山本勘助の指揮のもと、真田忍者らが影武者を立てて徹底した死の隠蔽を図る。

 

奇想天外な忍法描写を織り交ぜながらも、武田家をめぐる権謀術数と人間ドラマが重層的に展開される、歴史小説の色彩が濃い異色作である。

 

 

 

 

 

 

『忍法忠臣蔵』 1961年11月25日号〜1962年4月21日号 「週刊漫画サンデー」連載 

 

1962年7月刊行 『忍法忠臣蔵』(講談社)

 

 

1962年発表の『忍法忠臣蔵』は、山田風太郎の「忍法帖」シリーズ第7作である。

 

元禄赤穂事件の裏側を舞台に、吉良・上杉側の能登組忍者による赤穂浪士暗殺計画と、上杉家家老・千坂兵部が放ったくノ一による浪士堕落工作が交錯する。そこへ、かつて恋人に裏切られ「忠義」と「女」を深く憎む凄腕の伊賀忍者・無明綱太郎がくノ一の監視役として加わり、三つ巴の暗闘が展開される。

 

誰もが知る討ち入りの物語を下敷きとしながら、忍者たちの暗躍が絡むことで物語は全く異なる様相を呈する。史実と虚構の巧みな融合が本作最大の妙味であり、既知の物語を換骨奪胎する山田風太郎の手腕が遺憾なく発揮された、シリーズ屈指の奇作である。

 

『忍者月影抄』 1961年6月号〜1962年3月号 「講談倶楽部」連載 

 

1962年5月刊行 『忍者月影抄』(講談社)

 

 

『忍者月影抄』は、1962年に発表された山田風太郎「忍法帖」シリーズの一編である。

 

舞台は八代将軍・徳川吉宗の時代。吉宗の過去の女性関係を暴露して幕府の権威失墜を狙う尾張藩主・徳川宗春の命を受けた甲賀忍者および尾張柳生の剣士と、それを阻止すべく吉宗が放ったお庭番の伊賀忍者および江戸柳生の剣士が凄惨な死闘を繰り広げる。

 

忍者による奇想天外な忍法合戦と、剣豪たちによる秘剣の激突が絡み合う構成は、単なる活劇を超えた深みを物語に与えている。山田風太郎ならではの奇想と美意識が結晶した、シリーズの中でも異彩を放つ一作である。