すみよは3歳の女の子。
彼女はアニメーションの世界に住んでいる。
そこはあたかも昭和の昔ながらの街並みが広がる不思議な場所。
石畳の道路にぽつんと立つポスト。
どこか懐かしい雰囲気の建物たち。
日差しが柔らかく、風に揺れる木々がまるで生き物のように息づいている。
ある日すみよはひとりで外へ出かけた。
好奇心旺盛な彼女は色とりどりのアニメの世界で新しい冒険を探しに歩き始める。
通りには古びたバスが走っている。
通りの一角にある小さなお花畑には、そこかしこにマーガレットの花が咲いていた。
その花々はまるで小さな太陽のように輝き、すみよの目を引いた。
小さな手でそっと一輪のマーガレットを摘むと、ふと遠くで低い機械音が響いた。
すみよは驚いて空を見上げる。
そこには道路沿いに佇む巨大なミサイルが、まるでロケットのように堂々とそびえていた。
夢と現実が入り混じるこの街でミサイルはただの模型かと思われたが、今そのスイッチがONになったらしい。
「ぴゅーん!」とミサイルは空へ向かって放たれ、空一面に光の筋を描く。
すみよは一瞬目を見開き、そして不思議な笑みを浮かべた。
まるで冒険の始まりを告げる合図のように感じられたのだ。
恐怖よりも好奇心と興奮が彼女の心を満たしていた。
ミサイルが消えた後も街はいつも通りの昭和の温もりを保っていた。
ポストに手紙を書きたくなるような、そんな懐かしい日常。
しかしその日、すみよはただの花摘みが予測不可能な奇跡を引き起こすことを学んだ。
アニメーションの世界で何が起こるかは分からない。
小さな花びらが時に巨大な冒険の扉を開くのだと、すみよは心に刻んだ。
そして彼女はまた穏やかな笑顔を浮かべ、街角に消えていくミサイルの軌跡を見送りながら、次の冒険へと足を踏み出していった。
(オープニングテーマ)花びらひらり、空にロケット
(挿入歌)すみよの冒険のうた
(挿入歌)小さな花びらの冒険
(エンディングテーマ)夢見町のすみよちゃん
