先日、6/11のラジオ「幻界からの一撃!」でご紹介した
伝説の「グルーヴマスター」
バーナード "プリティ" パーディ。
もはや生ける伝説のグルーヴマスター。
4000枚のアルバム参加を豪語し
未だその切れ味衰えず。
彼が脚光を浴びたのは、キング・カーティスのバンドでのこと。
やはり、この名演をご紹介せずにいられません。
"Memphis Soul Stew"
ええ、デビュー以来、パーディ大師匠との黄金コンビでグルーヴ界を席巻したのが
ベーシスト、ジェリージェモット師
この映像はもはや「必見」といっていいほどに有名なものです。
サンバースト、ブロックポジションの、70年代ジャズベから
これでもか、と繰り出されるグルーヴの嵐。
けれども、よーく聴くと(観ると)
冒頭のベースだけの部分なんか、かなりリズムがヨレたりしてますし
えっ?
て感じのミストーンもけっこうある。
しかし、パーディ大師匠のタム乱打が入って、得意の「ダチーチー」からの
爆発グルーヴがこれに加わると!!!
もう、最高としか形容のしようがない素晴らしいリズムが!!!
こういった現象は、ドラム側から見ても同じなようで
ドラムの専門家に言わせると
パーディ大師匠のドラム。
一個一個の音を聴くと、単体では、かなりショボイそうです。
しかし、それが一体となってリズムを刻み始めた途端
驚くべきほどに音が生きてくる。輝きだす。
そして、厳しく検討すると、かなりリズムも遅れたり、ハシったり。
酷い時には32分くらいのタイミングでずれているのだとか。
でも、全体として聴くと、実に「正しい」リズムに。
さらに、ベースが加わると、もう史上最強に。
(ついでに言うとチューニングも怪しいですね汗)
でも、このグルーヴ、身体が動かずにいられないっ!!!
マジックがある。
まちがいない。
ここにマジックがある!!!!
多くは「人間らしさ」などと言う言葉でいっしょくたに片付けてしまいますが。
おそらく
僕は、すべては「ビートのタイミング」だ、と思っています。
これまで何度も書いたように、「音は、波動」です。
極端に言えば、「色」と一緒です(色も波長ですから)。
「その楽器単体の音」とは、絵具から出したまんまの「色」
ええ、まさに「音色」です。
ところが、絵画でもそうですし、音楽も
一つの絵具から出した色だけで描かれている、なんてのは
そうそうありません。
たいていは、他の色と混ぜたり、重ねたり、その横に置いたり。
それが「絵画」であり「音楽」
「ベースだけで弾いてると、めちゃローが出てるのに、バンドだと軽いんだよな~」
多くは、こういうことではないかと。
↓
視覚は、目で「光の波長」をとらえて、脳で認識する作業。
聴覚は、耳で「音の波長」をとらえて、脳で認識する作業。
基本的に同じです。
ならば、こういった「錯視」が、聴覚でも起こる、と。
http://matome.naver.jp/odai/2133396306637431601
表現は色々です、「正しい」なんて芸術には有って無きもの。
へヴィ感を出すために、ローの出てるバスドラと、ロー出しまくりの歪みギター
さらにロー持ち上げたベースを、完全同時に「ドンッ」と出す。
それもありかと。
しかし、うまくやらないと
「あれっ」
ぜんぜん重くない!と。
絵画で例えれば解りやすいのではないかと思います。
黒い色、に、いくら暗い色を足しても、足しても、いくら塗り重ねても
「黒」以上に黒くならないのです。
その「黒い部分」の隣を、その横を、上を、絵画全体を
他の色(たとえばすぐ横に、真っ白な部分を描く)にすることで
その「黒」がより黒くなる。
動かないはずの絵を、動かす事も出来る。
真っ直ぐなものを、曲げることもできる
俺のギター、耳がイタいくらいにハイを出してギンギンに抜ける音にしてやったぜ!
あれ、でもバンドでやったら「モッコモコ」・・・
「白」は、絵画では絵具の白、もしくはキャンバスに何も塗らない以上には
「白く」なりません。
でも、上手な画家は
まるで、そこがまばゆく光っているくらいの「白」いや、「光」を生みだします。
さらに、紙の材質や、展示状況(ライティングや部屋の明るさ)などで
本当に「絵具の白」を、明るく明るく、目を細めるくらいに白く光らせます。
モネの絵画
絵画の白、黒に上限があるように
音楽にも上限があります~ゼロデシベル。
ゆえに、レコーディング含め、バンドは「引き算」と言われます。
思いっきりぶったたいたバスドラの「ドンッ!」が、マックスデシベルのとき
どんなすぐれたベーシストがどんなへヴィな音を出しても
ほぼ、無意味です。いなくてOK。
で、実際に(EQ的に)重い=低音が強調された音を出さなくても
バスドラの、0.0000000000x秒まえに、「ジャリッ」としたピッキングノイズが入って
そのあと、バスドラの「ドンッ!」
バスドラのサステインが消えるあたりに、ふんわりとベースの豊かなローミッド。
この時点で、バスドラの重い音域に、ベースの音程が付いた様な状態で聞こえて
全体としてすごくへヴィなベースに聞こえるはず。
(でもって、最初の「ジャリッ」があるから、ハイもしっかり出てる印象)
逆に、バスドラの打音のコンマ秒あとにピッキング~ベースはサステインを長く
すると、モコッとふくよかなように聞こえるから、ハイが出てても耳につかない。
~音像がクリアなので音程感がちゃんと出る。
こういうことって、絵画(含むデザイン)の世界では
至極当たり前のことなんですよね~
参照
↓
http://www.eggazyoutatsu.net/kiji1.html
ところが悲しいかな、人間という生き物は
「視覚」に頼り過ぎて、視覚化できないモノを認識する能力が退化しまくってしまいました。
コウモリなんか、視覚がなくても高速で飛べるのに。
だから
一枚のキャンバスに、適切に、色と形を配置して
最大限の感動を与えるように、という風にはなかなかいかないようで。
まあ、レコーディングは色々あとからいじくれますが、ライブはそうはいかない。
僕の持論は
「いい音にこだわるなら、高い楽器を買い漁るのでなく、腕を磨け」
どんな素晴らしい楽器を手に入れても
その音を出すタイミングが適切でなければ、音は出た瞬間に死んでしまう。
そしてチューニングも超大事(もちろん打楽器であっても)
音が波動である限り、単一の音を正弦波でアウトプットする以外は
波の干渉は避けられません。
干渉=不適切なチューニングは、音をうねらせ、濁らせ、埋もれさせます。
「なんか音がヌケないのよね~」と。
さらに難しいことに
演奏前のチューニングだけでなく、アンサンブルでは
音を出すタイミングで、おとの干渉~揺れ具合が驚くほど変わります。
いいグルーヴは、いい音を生む。そういうことではないかと。
同様に重要なのが、サステイン。
伸ばした音がどういいう経過を辿って止まるのか(止めるのか)。
他の楽器がどれだけ、どんなふうに鳴っているか、で
サステインの鳴り方は全く違ったものになります。
ヴォーカルの場合は、歌詞、つまり音の持つ倍音の成分がその都度変わるので
それにも多大な影響を受けます。
え?
そんなの、考えてなんかやってられないよ!!!!!
実にその通り。
ゆえに「経験が大事」と誰もが言います。
それは、やみくもに演奏する、という意味ではないでしょう。
適切なタイミング、適切なチューニング、適切な発音。
これをしっかり個人で練習、研究した上で
それをきちんと意識しながらセッションする
そうして「ああ、こういう音場ではこうなるんだ」と。
もちろん、絵画同様、キャンバスはいつも同じではありませんから
A4なのか、A1なのか、壁いっぱいなのか
材質も、キャンバスなのか、和紙なのか、コピー用紙なのか
音楽では
どれくらいの規模のライブハウスなのか、コンサートホールなのか
ジャズバーなのか、学校の体育館なのか。
どんな紙のときも、同じ絵の具で同じタッチで絵を描く画家さんなんていませんよね。
そして、絵は、常に、進行過程を見て確認しながら書きあげます。
(目の見えない画家さん、てのも例外的にいるかもしれませんが)
アトリエの光の入り具合や、天候などで見え方はガラリと変わるはずなので。
同じように
音楽も、しっかりどう聴こえるか、モニターが大事だし
自分がどんな色、どんなオブジェクトを描けているのか
これはその都度録音したりして確認しないと
目をつぶって化粧しているような状態に陥るのではないか、と。
もちろん、全員が全員、そんな細々しいことを意識して音楽をやってはいません。
「好きにやってるだけだよ」
そう言えるのは、本当に才能のあるミュージシャン
もしくは、努力をひけらかさない人。
まちがいなく、パーディ大師匠も、ジェモット師も、音楽の才能に恵まれた方々。
自然にやったら、こうなった。
なんとなく、リズムや音の押し引きが、その場の機転でできちゃう人。
1'30"あたりからのベースピックアップ。
自然に語るように、最適な音が紡ぎだされてる!
ザンネンながら、僕は、天賦の才には恵まれていないようなので
必死に、人間界のグルーヴ、勉強中です(^-^;
あまりに奥深いグルーヴ。
パーディ&ジェモットさまの超絶悶絶快楽リズム、次回につづきます
(^-^)
伝説の「グルーヴマスター」
バーナード "プリティ" パーディ。
もはや生ける伝説のグルーヴマスター。
4000枚のアルバム参加を豪語し
未だその切れ味衰えず。
彼が脚光を浴びたのは、キング・カーティスのバンドでのこと。
やはり、この名演をご紹介せずにいられません。
"Memphis Soul Stew"
ええ、デビュー以来、パーディ大師匠との黄金コンビでグルーヴ界を席巻したのが
ベーシスト、ジェリージェモット師
この映像はもはや「必見」といっていいほどに有名なものです。
サンバースト、ブロックポジションの、70年代ジャズベから
これでもか、と繰り出されるグルーヴの嵐。
けれども、よーく聴くと(観ると)
冒頭のベースだけの部分なんか、かなりリズムがヨレたりしてますし
えっ?
て感じのミストーンもけっこうある。
しかし、パーディ大師匠のタム乱打が入って、得意の「ダチーチー」からの
爆発グルーヴがこれに加わると!!!
もう、最高としか形容のしようがない素晴らしいリズムが!!!
こういった現象は、ドラム側から見ても同じなようで
ドラムの専門家に言わせると
パーディ大師匠のドラム。
一個一個の音を聴くと、単体では、かなりショボイそうです。
しかし、それが一体となってリズムを刻み始めた途端
驚くべきほどに音が生きてくる。輝きだす。
そして、厳しく検討すると、かなりリズムも遅れたり、ハシったり。
酷い時には32分くらいのタイミングでずれているのだとか。
でも、全体として聴くと、実に「正しい」リズムに。
さらに、ベースが加わると、もう史上最強に。
(ついでに言うとチューニングも怪しいですね汗)
でも、このグルーヴ、身体が動かずにいられないっ!!!
マジックがある。
まちがいない。
ここにマジックがある!!!!
多くは「人間らしさ」などと言う言葉でいっしょくたに片付けてしまいますが。
おそらく
僕は、すべては「ビートのタイミング」だ、と思っています。
これまで何度も書いたように、「音は、波動」です。
極端に言えば、「色」と一緒です(色も波長ですから)。
「その楽器単体の音」とは、絵具から出したまんまの「色」
ええ、まさに「音色」です。
ところが、絵画でもそうですし、音楽も
一つの絵具から出した色だけで描かれている、なんてのは
そうそうありません。
たいていは、他の色と混ぜたり、重ねたり、その横に置いたり。
それが「絵画」であり「音楽」
「ベースだけで弾いてると、めちゃローが出てるのに、バンドだと軽いんだよな~」
多くは、こういうことではないかと。
↓
視覚は、目で「光の波長」をとらえて、脳で認識する作業。
聴覚は、耳で「音の波長」をとらえて、脳で認識する作業。
基本的に同じです。
ならば、こういった「錯視」が、聴覚でも起こる、と。
http://matome.naver.jp/odai/2133396306637431601
表現は色々です、「正しい」なんて芸術には有って無きもの。
へヴィ感を出すために、ローの出てるバスドラと、ロー出しまくりの歪みギター
さらにロー持ち上げたベースを、完全同時に「ドンッ」と出す。
それもありかと。
しかし、うまくやらないと
「あれっ」
ぜんぜん重くない!と。
絵画で例えれば解りやすいのではないかと思います。
黒い色、に、いくら暗い色を足しても、足しても、いくら塗り重ねても
「黒」以上に黒くならないのです。
その「黒い部分」の隣を、その横を、上を、絵画全体を
他の色(たとえばすぐ横に、真っ白な部分を描く)にすることで
その「黒」がより黒くなる。
動かないはずの絵を、動かす事も出来る。
真っ直ぐなものを、曲げることもできる
俺のギター、耳がイタいくらいにハイを出してギンギンに抜ける音にしてやったぜ!
あれ、でもバンドでやったら「モッコモコ」・・・
「白」は、絵画では絵具の白、もしくはキャンバスに何も塗らない以上には
「白く」なりません。
でも、上手な画家は
まるで、そこがまばゆく光っているくらいの「白」いや、「光」を生みだします。
さらに、紙の材質や、展示状況(ライティングや部屋の明るさ)などで
本当に「絵具の白」を、明るく明るく、目を細めるくらいに白く光らせます。
モネの絵画
絵画の白、黒に上限があるように
音楽にも上限があります~ゼロデシベル。
ゆえに、レコーディング含め、バンドは「引き算」と言われます。
思いっきりぶったたいたバスドラの「ドンッ!」が、マックスデシベルのとき
どんなすぐれたベーシストがどんなへヴィな音を出しても
ほぼ、無意味です。いなくてOK。
で、実際に(EQ的に)重い=低音が強調された音を出さなくても
バスドラの、0.0000000000x秒まえに、「ジャリッ」としたピッキングノイズが入って
そのあと、バスドラの「ドンッ!」
バスドラのサステインが消えるあたりに、ふんわりとベースの豊かなローミッド。
この時点で、バスドラの重い音域に、ベースの音程が付いた様な状態で聞こえて
全体としてすごくへヴィなベースに聞こえるはず。
(でもって、最初の「ジャリッ」があるから、ハイもしっかり出てる印象)
逆に、バスドラの打音のコンマ秒あとにピッキング~ベースはサステインを長く
すると、モコッとふくよかなように聞こえるから、ハイが出てても耳につかない。
~音像がクリアなので音程感がちゃんと出る。
こういうことって、絵画(含むデザイン)の世界では
至極当たり前のことなんですよね~
参照
↓
http://www.eggazyoutatsu.net/kiji1.html
ところが悲しいかな、人間という生き物は
「視覚」に頼り過ぎて、視覚化できないモノを認識する能力が退化しまくってしまいました。
コウモリなんか、視覚がなくても高速で飛べるのに。
だから
一枚のキャンバスに、適切に、色と形を配置して
最大限の感動を与えるように、という風にはなかなかいかないようで。
まあ、レコーディングは色々あとからいじくれますが、ライブはそうはいかない。
僕の持論は
「いい音にこだわるなら、高い楽器を買い漁るのでなく、腕を磨け」
どんな素晴らしい楽器を手に入れても
その音を出すタイミングが適切でなければ、音は出た瞬間に死んでしまう。
そしてチューニングも超大事(もちろん打楽器であっても)
音が波動である限り、単一の音を正弦波でアウトプットする以外は
波の干渉は避けられません。
干渉=不適切なチューニングは、音をうねらせ、濁らせ、埋もれさせます。
「なんか音がヌケないのよね~」と。
さらに難しいことに
演奏前のチューニングだけでなく、アンサンブルでは
音を出すタイミングで、おとの干渉~揺れ具合が驚くほど変わります。
いいグルーヴは、いい音を生む。そういうことではないかと。
同様に重要なのが、サステイン。
伸ばした音がどういいう経過を辿って止まるのか(止めるのか)。
他の楽器がどれだけ、どんなふうに鳴っているか、で
サステインの鳴り方は全く違ったものになります。
ヴォーカルの場合は、歌詞、つまり音の持つ倍音の成分がその都度変わるので
それにも多大な影響を受けます。
え?
そんなの、考えてなんかやってられないよ!!!!!
実にその通り。
ゆえに「経験が大事」と誰もが言います。
それは、やみくもに演奏する、という意味ではないでしょう。
適切なタイミング、適切なチューニング、適切な発音。
これをしっかり個人で練習、研究した上で
それをきちんと意識しながらセッションする
そうして「ああ、こういう音場ではこうなるんだ」と。
もちろん、絵画同様、キャンバスはいつも同じではありませんから
A4なのか、A1なのか、壁いっぱいなのか
材質も、キャンバスなのか、和紙なのか、コピー用紙なのか
音楽では
どれくらいの規模のライブハウスなのか、コンサートホールなのか
ジャズバーなのか、学校の体育館なのか。
どんな紙のときも、同じ絵の具で同じタッチで絵を描く画家さんなんていませんよね。
そして、絵は、常に、進行過程を見て確認しながら書きあげます。
(目の見えない画家さん、てのも例外的にいるかもしれませんが)
アトリエの光の入り具合や、天候などで見え方はガラリと変わるはずなので。
同じように
音楽も、しっかりどう聴こえるか、モニターが大事だし
自分がどんな色、どんなオブジェクトを描けているのか
これはその都度録音したりして確認しないと
目をつぶって化粧しているような状態に陥るのではないか、と。
もちろん、全員が全員、そんな細々しいことを意識して音楽をやってはいません。
「好きにやってるだけだよ」
そう言えるのは、本当に才能のあるミュージシャン
もしくは、努力をひけらかさない人。
まちがいなく、パーディ大師匠も、ジェモット師も、音楽の才能に恵まれた方々。
自然にやったら、こうなった。
なんとなく、リズムや音の押し引きが、その場の機転でできちゃう人。
1'30"あたりからのベースピックアップ。
自然に語るように、最適な音が紡ぎだされてる!
ザンネンながら、僕は、天賦の才には恵まれていないようなので
必死に、人間界のグルーヴ、勉強中です(^-^;
あまりに奥深いグルーヴ。
パーディ&ジェモットさまの超絶悶絶快楽リズム、次回につづきます
(^-^)