ときめき映画館#陽春ロードショー「地震列島」 | 春夏秋冬✦浪漫百景

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季節の移ろいの中で...
歌と画像で綴る心ときめく東京千夜一夜物語

地震列島

『地震列島』

1980年(昭和55年)公開の日本の映画作品。

大森健次郎監督。東宝映画製作、東宝配給。カラー、ビスタビジョン。

首都直下型地震を題材としたパニック映画である。

キャッチコピーは

「これだけは神ですら止められない」

「いつか来るとは知っていたが 今日、来るとは知らなかった!」

 

大地震に襲われる東京。

再三に渡って地震を予告していた若き地震学者の勇気ある行動を描く。

脚本は「絞殺」の新藤兼人、監督は「岸壁の母」の大森健次郎、

撮影は西垣六郎がそれぞれ担当。

ストーリー

三原山火口で溶岩を観測する地震学者の川津陽一は、

近い将来、大地震が東京を襲うと直感する。

東海地震予知の月例会。

陽一は観測データの異常性を訴えるが、学者たちは消極的で、

防火対策は政府の仕事で、学者の職域ではないと取り合わない。

遂に彼は三十日以内に直下型地震が東京を襲うと暴言を吐き、

丸茂会長に撤回を求められ、孤立していく。

そんな陽一の心を癒してくれるのは、研究所の所員、芦田富子だ。

陽一は地震の権威、故川津宗近の娘、裕子と結婚していたが、

二人の間はすでに冷えていた。

 

ルポライターの橋詰雅之とカメラマンの梅島一枝は、

各地の異常な自然現象を取材していた。

雅之は富子と同郷で彼女を密かに愛している。

また、一枝も雅之に思いを寄せていた。

燃えない車の開発、トンネル内での火災避難実験など陽一の行動はエスカレート。

雅之は、富子のことがシコリとなっていたが、

陽一の行動に関心を抱き、キャンペーンを展開する。

 

政界、財界が集うゴルフ大会の日、

首相が「東京を震度七の地震が襲ったらどうなる」と丸茂に質問。

背後にいた陽一は「東京は世界一の無防備都市です」と答えてしまう。

この発言で、陽一はますます孤立、研究所は閉鎖されてしまう。

 

ある夜、陽一は別れを告げる富子に、逆に結婚を申し込む。熱いキスを交す二人。

数日後、渋谷の料亭で陽一と裕子の離婚の話し合いが行なわれることになった。

地下鉄で料亭に向かう陽一と裕子。部屋で仕度する富子。

富子に結婚を思い留めさせようと彼女のマンションのエレベーターに乗った雅之。

出張帰りで羽田に向かうジャンボ機に乗っている丸茂。

そこへ、震度七の地震が襲ってきた。急ブレーキをかける地下鉄。

将棋倒しの乗客、血と悲鳴と死の地獄と化した地下に、

東京湾の海水が濁流となって流れ込み、さらに炎と煙が襲う。

地上では、高速道路が崩れ、自動車が炎上。

富子は崩壊するマンションの部屋に閉じ込められてしまう。

そのとき、宙づりのエレベーターから脱出した雅之は富子を救出する。

一方、陽一も、冷静な判断で乗客たちを誘導する。天災は止めることは出来ない。

しかし、人間の愛と勇気と英知によって、

その被害を最小限にくい止めることが出来ることを、二人の行動は証明したのだ。

 

キャスト

川津陽一
演 - 勝野洋
地球物理学者で川津研究所所長。
かつて関東大震災を警告した大物学者・川津宗近の娘婿養子。
地震予知の仕事に信念を持ち、防災意識も高い。
自分より年上で偉い立場にある予知会の学者たちにも、
臆することなく自分の意見を貫こうとする。
行動力・正義感に溢れる人物だが、
妻・裕子からは「仕事に忙しくて家庭や子供のことに無関心」と評されており、
夫や父親としてあまり信頼されていない。
作中で使用する黒いライターは、富子から贈られたもの。
離婚を前に裕子と富子の会う場を設け、地下鉄の赤坂見附駅で待ち合わせをして、
表参道駅方面行きに乗り換えた直後に地震に遭う。
橋詰雅之
演 - 永島敏行
ルポライター。富子の幼なじみ。
以前から地震予知に消極的な学者や政治家たちに危機感を持っており、
富子を通じて川津の取材を始める。富子に密かに想いを寄せており、
数年前に上京した彼女を追って自身も東京にやって来た。
川津に対してはその防災思想に共鳴する一方、男として複雑な感情を向けている。
富子に川津との結婚を思いとどまらせるため彼女のマンションに向かうが、
エレベーターで上階に行く途中で地震に遭う。
芦田富子
演 - 多岐川裕美
川津研究所職員。ある日研究所にやって来た丸茂に、
川津が東京直下型地震の可能性について意見を対立させたため彼の今後を心配する。
現在暮らすマンションの一室は川津から事務所を住まいとして提供を受けたものであり、
妻子ある川津とも互いに思慕を寄せ合いながらも、
一線を越えられない微妙な関係を続けていた。
やがて川津との結婚を決意し、川津夫妻と離婚協議のため、
自宅を出ようとしたところを地震に遭う。
川津裕子(ゆうこ)
演 - 松尾嘉代
千葉県市川市の一軒家に家族で暮らしている。
これまで自分なりに家族のことを考えて暮らしてきたが、
いまいち家庭内が上手く行っておらず頭を悩ませている。
最近は家のことに非協力的な川津に不満を持っていることから、
夫に冷めた態度を取っており、離婚を考え始める。
富子を交えた離婚協議のため、午後3時半ごろに川津と合流し、
赤坂見附駅行きの列車に乗っていた最中に地震に遭う。

 

 劇中で芦田富子が暮らしていたとされるマンションは、

東京都世田谷区内の首都高速道路沿線に実在するものである。

これについて、特技監督の中野昭慶は「実在の建物が被害を受ける様子を見せた方が、

よりリアリティを持って見てもらえるであろうと考えた」と語っている。

ミニチュアセットにおけるマンション以外の建造物は、

基本的にストーリーに沿って架空の建造物が配置されていた

(首都高速の線形も実在のものと異なる)。

また、首都高速の爆発や勝鬨橋の倒壊シーンなどは、

過去の東宝特撮作品(『日本沈没』など)から流用されている。

 

地下鉄のトンネル崩壊と水の流入による構内水没シーンは

地下鉄銀座線・丸ノ内線赤坂見附駅周辺が舞台として使われ、

撮影には製作費1,000万円の実物大車輌と、

2,000万円の駅構内セットが特撮大プールに設けられた。

この描写に対して営団地下鉄(現・東京メトロ)からは「耐震構造は基準を充足しており、

あのような事態は起こり得ない」とクレームがついた。

トンネルに水を流す撮影では、水落としが途中で故障し、

スクリプターが流されていたという。

1980年8月11日完成。

 

令和6年4月、今年はやたら地震が多いですよね。

先日の四国の地震で、震度5以上の地震が10回目とか...

 

映画「地震列島」が公開されてから44年が過ぎ、

改めてリアルな地震の脅威を感じてしまいます。

大都会”東京”

日々の生活の中で、突然その時がやってくるんでしょうか?

飛行機が離着陸するその時、

地下鉄に乗っているその時、

高速道路を走行しているその時、

病院で手術や出産をしているその時、

昼なのか、夜なのか、

猛暑時なのか、豪雨時なのか、

誰にも分からない...