東京千夜一夜物語♥駆落ち顛末 | 春夏秋冬✦浪漫百景

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季節の移ろいの中で...
歌と画像で綴る心ときめく東京千夜一夜物語

「つれて逃げてよ」

「ついておいでよ」

 

 秋田から駆落ちしてきた若いカップルがいた。

”親のこころにそむいてまでも 恋に生きたい二人です”

歌の文句そのままというところか...

 

  二人とも20歳、美男美女、

とくに男はいわゆる男前、その器量は飛びぬけていた。

男の名前は翔太、女の名前は英美、彼女、なかなか男好きのする容姿だった。

上京して4~5日後、私の旧友(男)から二人を紹介された。

「今は安ホテルを転々としてるんです」

と、英美がそう言った。

「仕事と住むところを何とかしてあげてよ」

と私に、旧友がどうやらあれこれ頼まれているようだった。

 そんな訳で、旧友が二人の住居を探し、私が仕事を世話することになった。

「うちの旦那、ご覧のようにイケメンだから、女っ気のない仕事お願いします」

英美が真剣に私をじっと見ながら懇願していた。

確かに、翔太なら直ぐに女から言い寄られるに違いない、

ましてまだ20歳、誘惑は多いだろう。

 

 1週間ほどで住居が決まり、

仕事も英美は夜職で吉祥寺のパブ、

翔太はそのパブや他に飲食店を経営する社長の運転手。

二人とも社長に気に入られて、願ったり叶ったりのスタートになった。

翔太の勤務時間は不規則だったが、

帰りは英美の仕事が終わる深夜2時頃に合わせてもらった。

二人の生活は順風満帆、意を決して駆落ち上京したが、

何とか無難な日常が送れていた。

 それから、月に1~2回、翔太と英美から食事や飲み会に誘われ、

旧友も含め4人で会ったりした。

二人は住居や仕事の世話になったという恩義を若いなりに感じていた。

「翔太、運転手はどうだ?」

「はい、大変だけど社長は優しいし、給料いいから...続きそうです」

「英美ちゃん、女っ気がないから安心だね」(笑)

「でも、時々化粧の匂いがするのよ」

「それは、何にもないよ、社長さんといつも一緒だから」

「翔太、毎晩私を迎えに来てくれるから、信用してるけど」

「なんだ、最後はおのろけか」(笑)

 いつもそんな会話で時間が流れ、カラオケに行けば、英美が必ず歌う歌...

♬つれて逃げてよ ついておいでよ 夕暮れの雨が降る...

英美は感情を込めて、思いを巡らせ歌う。

「英美ちゃん、これは駆落ちの歌だよ」

「そうよ、分かってるわ、いい歌」(笑)

 

 それから半年が過ぎ、久しぶりに3人で会うことになった。

「やぁ、久しぶり、元気だったお二人さん」

いつもの居酒屋のいつもの席で乾杯した。

「英美ちゃん、今夜は飲まないの?」

「はい、少し控えてるの」

「どうしたの?」

「実は英美、妊娠しちゃって...」

「おっ!!」

 どうやら、英美は妊娠6ヶ月が過ぎようとしていた。

駆落ちして直ぐに出来たということか...

「まずはおめでとうだね」

「私、迷っているんです」

 英美は予定外に妊娠に不安を持っていた。

翔太と産む、産まないで何度かやり合ったようで、

最後の話し合いで私に相談してきた。

「まだ若いけど、それは産んだ方がいいよ」

と、他人の事は簡単に言える自分が軽薄に思えた。

私は過去に何度か産ませてやることが出来なかったことがあって、

それが頭を過ぎった。

二人は私より10歳も年下、当時の私よりはるかに大人のような気がした。

「竜崎さんが言うなら、英美、決まりだ!」

「そうね、じゃぁ産むわ、竜崎さん」

おいおい、私はそんなこと言える人間じゃないよ、と心で思いいつつ、

二人の言葉を聞いていた。

 臨月を迎え、予定日まであと1週間、翔太と駅前の喫茶店で会った。

「もうすぐだね」

「今日は英美から頼まれたお願いなんですが、僕もそうなんですけど」

「お願い?なんだよ」

「子供は女の子です、是非名前を付けて欲しいんですが、お願いします」

「!?」

 私が命名することになってしまった。

これもなんかの縁、他にも頼んでいるらしいから、その中から二人で選ぶらしい。

「じゃぁ、花織(かおり)はどう?花を織るだよ、いいだろう」(笑)

「あぁ、はい、かおりですね。わかりました」

 

 やがて、英美は元気な女の子を出産した。

 

「花織ちゃんにしましたよ、ありがとうございます」

英美からお礼の連絡がきた。

私が命名者になってしまった。そのうち1回位は会うこともあるだろう。

 

 それから3ヶ月少しが過ぎた頃、英美から電話がきた。

「ご無沙汰です。お元気ですか?」

「あぁ、なんとか、花織ちゃんは元気かな?」

「はい、すくすくと育ってますよ」

「それは良かった、ところで何?」

「竜崎さん、お願いがあるんですけど...」

 

 3月の終わり、花曇りの土曜日の午後。

吉祥寺の井之頭口で待ち合わせた。

時間通り英美はやってきた。もちろん一人で...

「大丈夫?赤ちゃん」

「大丈夫よ、大家さんに2時間だけ預かってもらっちゃった」

「2時間!?」

「早く、時間がもったいないわ」

「うん」

 井之頭公園から少し離れた裏通りに古びた和風旅館があった。

密会に相応しい連込み旅館、

公園でデートしてから、ここを利用する男女も多いはず。

「良かった、来ないかと思ったわ」

「なんでだよ」

「だって、私に興味なんかないんでしょ」

 1度だけでいいからと、私を誘ってきたのは英美、

駆落ちしてきた旦那がいて赤子もいて、それでも女は浮気をする。

昼下がりの若妻の浮気相手ということか...

「竜崎さんと1度こうしたかったのよ」

6畳の和室に入って、次の間の艶めかしい蒲団の上で徐に抱き合った。

英美は積極的に私の躰を撫でながらキスをねだってきた。

「ねぇ、脱がせて」

 

 時間節約、英美は自宅で入浴を済ませてきたようで、

熱い躰からいい匂いがしていた。

お互いに全裸になって蒲団の上で戯れ合う。若妻のフェロモンが凄い。

絶対にバレてはいけない背徳の昼下がり、二人とも劣情に悶えた。

 

 私を誘った時から、たぶん英美はそれなりかとは思っていたが、

いきなり私の右足の親指を咥えて、丁寧にしゃぶりだした。

「あぅー」

部屋が薄暗いから、英美の表情は窺えないが、1度限りの男に対して手抜きをしない...

それから、土踏まず、アキレス腱、脹脛に舌先が翻り..膝小僧の裏表まで責めてくる。

すでにで我が愚息は猛烈に怒張鬼勃👺起💦。。。でも英美は触れてこない。

 英美から誘われた時、一瞬翔太の顔が浮かんだが、

少なからず英美に興味があったから、躊躇なく応じた。

 

 英美は思った通り、いやそれ以上に床上手だった。

世の中にはいろんな女がいるが、出産間もない若妻の奔放な行為は刺激的だった。

そのまま身を任せ、英美のやりたいようにやらせ続けた。

「あんまり焦らさないでよ」

「もっとよ、ぎりぎりまで...してあげる」

 ようやく暴れ馬🐎に触れてきた。巧みな手綱さばき...両手を使うなんて...

透明な我慢💧

  DEEPスロートは絶妙だった。

まだ若いのに天性の才か...

時々垣間見える英美の淫靡な表情は、

自分が人妻だということを忘れて、欲情する淫らな女になっていた。

「あぁっ、そんなことしたら...出ちゃうよ」

英美の潤んだ目にじっと見つめられる...

「いいわよ、出しても」(うふふ)

と、言われてもここで終わるわけにはいかない。

こんな時は腹式呼吸、下腹に力を入れて、一瞬息を止め、ゆっくり吐き出す。

すると射精感が収まって、感覚が鈍くなる。

「英美ちゃん、お返し」

仰向けにした英美の両足の膝を広げた。

「英美ちゃんの...すごいことになってるよ」

「あ~いやぁ、恥ずかしいわ」

なんて、しおらしいことを言ってももう遅い...

さっきまであんなにいやらしい事してくれたのに。

 薄紅色の花唇は天鵞絨のように滑らかで柔らかい...ぷっくりと艷やか...

愛芽は完全に剥けていて、愛露に濡れ光り、それは柘榴の一粒くらいの大きさ...

それを舐めあげ、柔らかく吸ってあげると、英美の腰はガクガクと震え浮沈...

「ああ~~~ん」

ハスキーな喘ぎ声が白昼の部屋に響いた。

 

 今日が初めてなのに、相性の良さなのか、それともお互いが好色だから(笑)

わずか2時間足らずの行為だったが、一日限りの大人の遊びは羞恥心も忘れ戯れた。

正常な形で繋がって、時間ギリギリまで貪りあった。

「もうイッちゃうよ」

と、英美に告げ、強く深く激しく律動して、抜くと...英美の手が行き場を失った暴れ馬を掴み、

強めに握って扱いてくれた。

最初の一撃は英美の首筋迄飛んで、そのままビーナスの丘から臍の辺りに噴射💦

夥しい量のザ💦メンが勢いよく弾け、英美の脇腹に溢れ、流れた。

「中でもよかったのに」(微笑)

 

「竜崎さん、ありがとう、楽しかったわ」

「いや、こちらこそ、ごちそうさま、美味しかったよ」

「もう、そんなこと...言わないで」

 

 英美が先にホテルを出て、それから少ししてチェックアウト。

禁断?いや背徳の情事は終わった。

 

 しかし、英美との関係はそんなに簡単には切れなかった。

最初の日から、1週間後、また同じ旅館で会ってしまった。

2度目の密会は1度目より濃厚な時間が二人をより淫らにした。

馴染んだ躰は離れがたく、2時間の約束も虚しく、いつも時間通りにはいかない。

それでも英美がイニシアティブを握っているから、言われるまま相手をする。

週に1回が暗黙だが、時々、2日続けて会うことも...

「大丈夫?」

「大丈夫よ、信用あるから」

「翔太ともしてるんだろ」

「もう、そんなこと聞かないで、らしくないわ」

「ごめん、そうだね」

「ねぇ、もう1回して」

「15分しかないよ」

「いいから」

「・・・」

「上になっていい?」

「うん、いいけど」

 英美と関係ができて2ヶ月が過ぎた。

その間、以前のように英美と翔太と私の3人で食事をして酒を飲む。

なるべく断りたいが、逆に怪しまれないために、どうしても席を持つ。

英美は二人の男に、それも旦那と浮気男に挟まれて嬉しそうにしている。

何を考えているのか分からないが、翔太が席を外した時に、

「今週、OKよね」

「まぁ」

「そう楽しみ」

なんて会話をしてくる。女は大胆、怖い生き物...

 

 私も悪いと思いながら、会うたびに新しい刺激をくれる英美に耽溺していた。

他に女もいるが、それはそれ、英美のスケジュールを優先していた。

ただ、やむなく英美と会う前日に他の女と”する”ことになると、大変だ。

英美の期待に応えない訳にはいかないから、体力を温存しても、厳しい。

だから、そんな日は英美とはロングS💓Xになってしまう。

なかなかフィニッシュしない...

「竜崎さん、昨日誰かと”した”でしょ」

なんて、ドキッとすることを平気で言う。

「いや、その...」

「いいのよ、竜崎さん独身だし、私ともいっぱいしてくれるから」(うふふ)

 

 季節はながれ、初夏...

英美から電話が来た。

「竜崎さん、翔太が朝帰りしたの」

「えっ!」

「浮気してきたのよ、化粧の匂いプンプンしてたわ」

「まさか、バレた?」

「それはないけど」

「それで翔太は?」

「いま寝てる、浮気なんかしてないって」

 私もそう思った。翔太は浮気するような男ではない。私が言うのも変だが...

「しばらく会うのはやめよう」

「あー会いたくないの?」

「いやそうじゃないけど」

 

 八月の最初の土曜日、いつもの場所でいつものように英美と密会。

2週間ぶりの二匹の淫獣はいきなり貪るように求めあった。

すでに充分すぎるほどグチャグチャになって息づく蜜壺を一気に貫いた。

お互いに早かった💦.。o○.。o○💦

「あ~竜崎さん、飢えてたのね」

「うん、溜まってた」

「嬉しい、私も...」

腕枕の中で英美が私の下腹部をゆっくり撫で、時々触れてくる。

「ねぇ、気持ちいい?私って」

「うん、凄くいいよ、エロチックだし」

「エロなの、私って」

「ねぇ、聞いていい?」

「なぁに」

「出産前と後じゃぁ、違うの?感じ方とか...」

 つまらない事を聞いてしまった。

「もう、相手が違うから、違うみたい」(笑)

 英美はそう言いながら、すっかり回復して硬くなった暴れ馬を捏ねり、上下に...

「禁欲してたから、いっぱいしようね」

 この日はいつもより2時間ほど長く一緒にいた。

「今月は翔太と1回もしてないわ」

「それはダメだよ、ちゃんと翔太ともしなきゃ」

変な会話である。

「うん、でも翔太が前みたいにしたがらないのよ...」

「別れちゃだめだよ。絶対にダメ!」

「別れないわ。でも今月は竜崎さんとしかしてない」

「今夜、帰ったら、するんだよ」

「うん、分かったわ。だからもう1回お願い」

 英美は俯せになると、形のいいお尻を少し浮かせ、私を促した。

「あ~~ん」

 夏が過ぎ秋がきて、英美との密会は続いていた。

そろそろ、終わりにしないと、これ以上英美を抱いたら、

情が湧いて...別れ難くなったら不味い。

遊びなら1回か、多くて2~3回、それ以上は危険地帯に突入してしまう。

互いに独身で、ちゃんと付き合うならいいんだが...

英美とはもう危険地帯にどっぷり浸かるほどの関係、

他の相手を探す時期かもしれない。

 

 秋深し、この季節が一番好きかもしれない。

昼も夜も、裸でいても大丈夫、男と女、肌と肌の触れ合いも最高にいい季節。

 

 英美から電話がきた。

「大事な話があるんだけど」

「何?」

「電話じゃどうかな?どうしよう」

「いいよ、言ってごらん」

「いいの、じゃぁ言うね。私、妊娠しちゃった」

「・・・・!?!?」

声にならない。

「驚いた。ごめんなさい。」

「それで、もしかして...」

「うん、大丈夫よ」

「・・・・・」

 と、英美の声が受話器から遠ざかり、また近づいて...

英美との行為の瞬間がフラッシュバックで甦る。

「すごくいっぱい出たね。嬉しい」

英美はいつもそんなことを言っていた、ような...

「中に出して、ああ~ん、ねぇ出して💦」

その言葉、何回聞いたことか...

ちゃんと避妊したのは2~3回、それも途中で外すこともあったし、

それ以外は、中か外か口に放出していた。う~ん、困った...

「どうしたの?何か言って」

「あぁ、どうするかちゃんと考えよう。ところで翔太は知ってるの?」

「もちろん、知ってるわ」

「どっちの子?かな...」

「竜崎さんに決まってるでしょ」

「あーーー、うん、やっぱり、そうかいっぱいしたもんね、体は大丈夫?」

「あ~良かった。否定しない、優しいのね」

「いやぁ、その...」

「ごめん、嘘、翔太の子よ、私には分かるわ」

 頭の中が真っ白になって、次の言葉が出てこない。

そうだ、翔太は毎日毎夜、一緒に生活している旦那に違いない。

内心、翔太の子で良かった、と思った。翔太ともちゃんと”して”たということ。

さすがに、ホッとした。罪の意識が随分と軽減されたような思いだった。

 それから2ケ月、英美と密会することはなかった。

英美と翔太は、これからの事をじっくりと考えたらしい。

まだ20~21歳の若夫婦、子供が二人になる。

駆落ちして東京に来て、あっと言う間の日常。現実は嫌でも突き付けられている。

翔太は両親に正直に現状を話し、許しを願ったらしい。

そして二人は、秋田に帰ることにした。

 翔太はいいヤツだと思った。英美との浮気は墓場まで持っていけばいい。

「竜崎さん、今度の週末に帰りまーす」

「うん、良かったね。元気な赤ちゃん産んでね」

「また、名前付けてくれる」

「いや、今度は二人で決めて、それがいいよ」

「そうだね、竜崎さんに決めてもらうとまた会いたくなったら困るもんね」(笑)

「英美ちゃん、秋田に帰ったら、翔太一筋だぞ」

と、偉そうなことを言ってしまった。

「わかったわ、ところで竜崎さんは何型?血液型」

「あぁ、O型だよ」

「私たち、二人ともAB型、だからO型の子は絶対生まれないのよ」

「おいおい、まさか」

「もし、O型の子が生まれたら、東京に来るわ、その時はお嫁さんにしてね」(笑)

「えーーーーーー!?」

 

 英美の電話はそこで切れた。

 

あれから1年、そしてまた1年、英美が上京することはなかった。

 

(了)