男と女 出会いと別れ...
一夜限りの場合もあれば、2回3回と続いたり、
でも気が付けば自然消滅なんて当たり前。
本当に好きになってずっと一緒にいたいと思えば、
毎日でも会いたい、もう夢中になって、
すぐに一緒に暮らしたいと思ってしまう。
茉莉矢(マリヤ)は通り名、本名は景子、
「苗字は?」
と聞いたら、
「恥ずかしいから、言えない」(笑)
神戸出身で24歳、平日の昼職は週に3回、輸入雑貨店に勤務、
本人からの情報はそれだけだっアt。
何処に住んでるとか、既婚か未婚か?彼氏は要るのか?
など一切何も聞かなかったし、必要は無かった。
週に3~4回ほど老舗のナイトクラブで働いているから、マリヤは源氏名ということ。
初めてマリヤに出会ったのは、吉祥寺で悪友が経営しているパブ「カポネ」。
マリヤはお店が跳ねると、アフターで客と「カポネ」に何度かやってきた。
2~3回ほど、面識があったが、目で挨拶するだけ、話したことは無い。
夏の終わり、8月末のある夜、
いつものように馴染み客とマリヤがカボネにやって来た。
1時間程飲んで、マリヤは馴染み客と一度「カボネ」を出て、
直ぐに1人だけで戻って来た。
私が飲んでいたカウンター席の隣にマリヤは座った。
「いいかしら?」
と、いきなり声を掛けてきた。
相変わらず露出が多めの服装で、ボディラインもよく分かる。
店内の常連の酔客や店のスタッフもそれは知っていて、マリヤを目で追っている。
二人で薄めのブランデーの水割りを飲んだ。
最初にマリヤを見た時から、性的な好奇心が湧き、その対象になる女だと思っていた。
見た目より親しみやすく、何でもフランクに話せた。
「今夜はあまり時間ないのよ」
と、マリヤ、
「じゃぁ、少しだけだね」
カウンタ―の高い椅子に腰かけたマリヤの細くて形のいい脚が悩ましく、
デニムのミニスカートからこれでもかと挑発してくるようだった。
話は早かった。
「連絡先だよ」
「カポネ」のマッチ箱の中箱の裏に自宅の電話番号を書いて渡した。
携帯なんかない時代、ほとんどこの方法で連絡は取れていた。
「自宅?」
「そう、いつでも電話していいよ」
「いつでも?うん、分かった」
そう言うと、マリヤは帰って行った。
初めて話をした夜から2日後の深夜2時、自宅のベッドで眠り始めていたころ、
電話が鳴った。
「マリヤ、わかる?」
電話は思ったより早かった。
タクシーで高円寺まで来て、駅前の公衆電話からだった。
駅から3~4分のところに、私の部屋があった。
道順は簡単、直ぐにドアチャイムが鳴った。
この夜からマリヤとの関係が始まった。
マリヤとは約6ヶ月、180日間の交際だった。月に8~10回位会った。多分50数回。
ちゃんとした彼女として付き合ったわけではない。
何故なら、その間、お茶を飲んだり、食事をしたことも、映画を観たり、旅行をしたり、
街を一緒に歩いたことも全く無い。
要するにただの一度も普通にデートしたことが無かった。
マリヤと会うのはいつもベッドの上、ラブホテルか私の部屋のベッドの上だけ...
当然、一緒に過ごす時間はお互い全裸、
そんな関係を単にセックスフレンドと言うのか?
それも少し違うような気がしていた。
会うときの連絡はマリヤの方から、こちらから連絡したことは一度も無かった。
その連絡は絶妙だった。
「今夜いい?」
それだけ聞いてくる。
「いいよ」
断ったことは無かった。週に2回多くて3回、例えば月曜と木曜か金曜日、
連続になることは無かった。
会わないとき、お互いにどこで何をしているなど、野暮なことは一切聞かない。
ただ、会ったときは只管(ひたすら)SEXに没頭して、
それ以外のことはまったく必要なかった。
かなり激しい行為が延々と続く、マリヤとのSEXに溺れたのは間違いなかった。
スレンダー、しかし柔らかい躰と滑らかな肌、洋梨のような乳房はたわわに熟して、
よく練れていて、それなりの男性経験を窺わせていた。
ヘアは薬指一本分だけ、まるで薄墨の一筆...花唇の周りはツルンツルン、
体毛はほぼ処理してあった。
それよりマリヤの凄かったのは、アソコの構造と機能とでもいえばいいのか...
当時20代後半の私はそれなりに恵まれていた方で、女性経験もわりと豊富だった。
そんな中でもマリヤみたいな女は初めてだった。
例えば狭い入口に中指を入れようと第一関節が入ったくらいで、
どんどん中に吸い込まれる。
「お~~!」
すっぽりと中指が入り込んだ。
当然のようにいきり立った鬼勃の刃を入口からねじ込むようにすると、
膨らんだ亀の頭が入ったところで、中へ中へと吸い込まれてゆく...
分かりやすく言えば”すっぽん”のような吸引力のイメージ、
だからイッた後、萎えても暫くはそのまま中に、
久し振りで溜まっているときなど入口でカリが引っかかった状態で、
徐々に”ムクムク”と膨らんで勃ちあがる時もあった。
やがて全部入ると入口で根元が締め付けられる...それからゆっくりと動き出す。
そして佳境に入れば、マリヤの中で快感を貪りながら縦横無尽に暴れまくる。
その行為はいたってノーマル、
前戯は普通だが、マリヤの手技は巧みでそれだけで発射しそうになったこともしばしば、
でもそこで終わるわけにはいかない。
マリヤとの行為は回数より時間が大事で、
最低2時間は繋がったまま...長い時は更にもう1時間...
形は、正常位が7割、伸直(長)位、屈曲位、零れ松葉がそれぞれ1割...
フィニッシュは全て中.。o○出し💦避妊は一度もしなかった。
マリヤは特に何も言わなかった。
喘ぎ声以外、マリヤがベッドで発する言葉は...
「いい」「ダメ」「まだ」「好き」「いく」...これだけだった。
そして終わった後は死んだように眠りに落ちた。
いつも目覚めると、ベッドにマリヤの姿は無かった。
ラブホテルでも私の部屋でも。
私にとっては実に都合が良かった。
マリヤとの待ち合わせで一番多かった場所は、ホテルの入口に近い電柱の影、
マリヤはそこで私が来るのを待っている。
その姿を見ただけで不覚にも欲情して勃👺した。
ラブホは”吉祥寺ホテル”だけ、今は”アラン・ド”に名前が変わっている。
だから部屋に入った時点で私の興奮は抑えがたく、服を脱ぐのももどかしく、
ドアを閉めるや否や、壁に向かってマリヤを後ろ向きに立たせたまま、
短いスカートをまくり上げ、
紐のような細い下着を膝まで下して片足だけ脱がして、スタンディングバック💘、
強く深く突きあげるとマリヤのヒールを履いた細い脚がブルブルと震えていた。
マリヤと会っていないとき、他の女を抱いたりすることもあった。
一番大変なのは、他の女をたっぷり抱いた翌日、マリヤから誘いがきたとき、
その夜はマリヤとの行為は更に長くなる。なかなか終わらない。液量も少ない(笑)
そんな私に対してマリヤは何も言わない。いつものように私との行為に没頭している。
勿論、液量が少なくても何も言わない。
それはさておき、一度だけマリヤが真剣に会話らしい言葉を発した事があった。
マリヤと同じ店で働くスミレという女と一夜を共にしたことがバレた。
スミレは私とマリヤの関係を薄々知っていたようで、
お店の更衣室でマリヤを含めた数人で着替えをしていた時、
スミレは私と寝たことを得意げに話したらしい。それも具体的に...
「あの人、凄いの、タフで夜通し抱いてくれたのよ」
と、さらに誇張して詳細に体位やピロートークまで...
そんなことをマリヤから聞かされた。
マリヤをいつものように抱いて、その躰を堪能しているとき、
ふいに、
「ねぇ、もうスミレとはしないで、あの女はおしゃべりだから...」
「えっ!?あぁごめん、バレちゃった」(;^_^A アセアセ・・・
と、今までで一番長いマリヤの言葉で、心もつながったようなきがした。
マリヤとはそんな関係のまま、
そうSEXだけの関係のまま、歳が暮れ、新しい年を迎えた。
冬でも薄着で露出が多い服装、ミニスカートやサブリナ...
その上からハーフコートを羽織っていた。
フェロモンが凄く、冬のマリヤはますます熟し、私を刺激し欲情させ続けていた。
相性とは別に、とにかく抱き心地がいい女だった。
それでも何故かマリヤを彼女にしたり、ちゃんと付き合って同棲したり、
それは思わなかった。
しかし、たまたま一週間ほどマリヤから連絡がない時、私は勝手に妄想した。
今頃、マリヤは誰かと温泉旅行でもしながら、その男とSEX三昧、
あるいは旦那がいたり、または好きな彼氏と毎日毎晩、
あの”すっぽん”を存分に食べさせたり...
そう思うだけで嫉妬に苛まれ、悶々とすることもあった。
そして久しぶりにマリヤを抱くとき、ジェラシーエレクトは強烈だった。
恥ずかしいほど反り返って🍄嘶いてしまう。
いつもより少し乱暴に、嫉妬心をぶつけながら過激に責め続けたり、
耳元で、
「誰かと”した”の?」
囁くと、マリヤは首を振りながら否定するが...
更に、奥深く貫きながら、
「マリヤの”ココ”いいってみんな言うだろ」
強く腰を律動させながら、マリヤに問い続ける...
最初は首を振りながら、
「ない、ないわ」
と、かろうじて言うが、
「具合いいって言うだろ!」
更に何度か言うと、今度は、
「う~ん、あ~~、言われる」
とうとう、そう言った。
「誰と、誰だよ」
「知らない、知らない人」
その言葉を聞きながら、二人は狂ったように貪り合い、昇天する.。o○.。o○
それでも別れはやってくる。
最後の夜は終わってみれば今までで一番長い時間を過ごした。
マリヤはいつも通り、いつもの形で、いつものように...
いや、いつもと違っていたことがある。
いつものように全裸で抱きあって、互いを弄りながらベッドイン...
それがその夜は、マリヤが自分から躰を反転し、上になって怒👺張を咥えてきた。
『二つ巴(ふたつどもえ)』なんて言うよりは、69のほうが分かりやすい。
マリヤはすべてを舐めつくすようにして楽しんでいた。もちろん私も...
その夜は、最初からそれだから、言うまでもなく互いに貪るように食べ尽くし、
枯れ果てるまで狂喜乱舞した。
「こんなに長く一緒にいたの初めてね」
と、マリヤがこれからの事と、少しだけ過去のことを離してくれた。
それは、マリヤの実家は神戸の有馬温泉で旅館を営んでいて、次女のマリヤは既婚。
1年半前に実家を出て、高校時代の彼氏と駆け落ち、そして上京。
「でも彼、2ヶ月もしないうちに失踪しちゃったの」
「なんと!!」
男はマリヤが現金で持っていた200万と共にある日突然いなくなった。
それからの苦労は言わずとしれたこと。
今の昼の勤務先の社長(50代後半)にお世話になったり、
ナイトクラブで知り合って、一時期面倒を見てもらってた太客。
古希を過ぎた医者とのこと。
「もういいよ、何も言わなくて」
マリヤは神戸に実家に帰ることを決めていた。
私と出会って3ヶ月過ぎたころ、医者とは切れ、一人になっていた。
「竜崎さん、とうとう私を彼女にしてくれなかった」
「・・・」
「プロポーズしてくれたら、OKするつもりだったのに」
と、マリヤは腕枕の中で、笑いながらそう言った。
「あぁ。ごめん」💦
「冗談よ」(笑)
旅館の女将である母親が病に伏せ、それで呼び戻されることになったらしい。
「旦那さんは?」
「あの人真面目なの、ちゃんと待っているのよ、なんか可哀そうになっちゃった」
「そうか、じゃぁ今度こそしっかり若女将になって、旦那さんとやり直さなきゃね」
「でも、旦那より、竜崎さんといっぱいしちゃったから、自信ないわ」(うふふ)
マリヤの旦那は33歳、結婚して半年足らずで駆け落ちしたらしい。
「ありがとう、凄く楽しかったよ」
「私も楽しかったわ、こんな付き合い方したの初めて、でもいい人で良かった」
「いい人じゃないよ、SEXだけの男だし...」
マリヤの躰がピッタリと密着してきた。
「ねぇ、最後にもう1回抱いて...」
東京駅に見送りに行った時、初めて構内の喫茶店でお茶をした。
そのひと時が、なんかとても新鮮に感じた。
「ちゃんとスーツ着て、昼間の顔してたら、想像つかないわね」
「何?想像って」
「ベッドでの竜崎さんよ」
「なんだ、お互い様だよ」(笑)
「やぁね」
「あっ!そうだ、苗字教えてよ、何?景子なの?」
「しかま、しかまけいこ」
「しかま??」
「色摩と書くのよ」
「し・き・ま」
「ちょっと言いにくいでしょ」(笑)
「そうか、でも今はもう恥ずかしくないよね、だって...」
「言わないで」
色摩姓の由来は、由緒正しき武家の出らしい。
「これ、旅館の電話番号よ、有馬に来たら泊まって」
「あははは、うん、泊めてくれるの?」
「勿論、お客様としてね」
「そうか、行く機会あるかもしれないし...」
「新婚旅行でもいいわよ」(笑)
「関西に行ったら連絡するよ」
「もう来ることはないけど、もし東京に来たら電話していい?」
「いいとも」(笑)
新幹線を見送った。
これが最後、24歳の色摩恵子との顛末。
あれから数十年。
再び逢うことはなかった。
(了)