山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』、CHEMISTRYの『You Go Your Way 』、三代目J soul brothersの『最後のサクラ』など。 世のなかには、たくさんの失恋ソングがあります。 

 

自分が失恋を経験したときに、失恋ソングを聴くというひともいるのではないでしょうか。ですが、ふとおもいませんか。 失恋したときに、悲しい失恋ソングを聴くと、さらに落ち込むのではないかと。 

 

この疑問に対する一つの仮説として考えられるのは、失恋ソングという悲しい音楽を聴くと、じつはポジティブ(前向き)な感情を抱くことができるようになるのではないかということです。

 

この仮説に答える研究を、理化学研究所と東京藝術大学の研究チームがおこなっています。 ひとはどうして、失恋ソングを聴いてしまうのか。その理由を「Frontiers in Psychology」に掲載された研究「Sad music induces pleasant emotion」から、紹介します。  

失恋ソングの悲しみ

研究では、悲しい音楽とされる短調で構成された30秒程度の曲を用意。 それを、18歳~46歳の44人(男性19人、女性25人)のひとに聞いてもらい、鑑賞後に「一般的に多くの人は、この音楽を聞いてどう感じると思いますか?」「あなたは、この音楽を聴いてどう感じましたか?」と質問しました。 つまり歌詞はなく、あくまで悲しいとされるメロディーに注目して調査がおこなわれました。 

 

その結果、聴いた音楽が悲しいものと判断していても、自分自身が悲しみを感じることはなく、むしろロマンチックな感情が生まれていることがわかったんです。 

 

なるほど。 失恋したときに、ついつい失恋ソングを聴いてしまうのは、歌詞に対する共感もあるでしょうが、メロディーそのものに関していえば、ロマンティックな感情が生み出されるため、むしろ癒しを感じているのかもしれないのです。  

まとめ

悲しいときにこそ、悲しい曲を聴くっていうのは、必要なことだったんですね。