彼からの電話があったのは。
私の考え出した『死神』というキャラクターとリングネームでリングに登場してから、すでに二十年を超えた。
それは、《レッスル夢ファクトリー》の歴史でもある。
今日から、数回に亘って篠真一について書かせてもらうつもりだが、始めに断っておきたい事がある。
一般の夢ファクトリーファンの方についてとやかく言うつもりは、もちろん無い。
辞めて久しい《レッスル夢ファクトリー》の代表の立場に返って、この場だけものを言う事を許して貰いたい。
私と共に、あの日の熊谷市民体育館から見果てぬ夢を求めて、その頂を目指した男達に最後の思いで伝えたいと思う。
12月8日に夢戦士の一人、篠真一が永眠した。
その連絡のための『死神』からの電話だった。
御遺族の強い希望で、葬儀は既に家族葬で執り行われたと聞いている。
年の瀬という事もあり、御遺族の方々の身辺も慌ただしく、悲しみも薄らぐには時間も足りない事と思う。
御遺族の心中を察し、我々は静かにそれぞれの思いの中で、哀悼の意を捧げ、回向していきたいと思う。
さらに、焼香についても、それぞれの都合のいいタイミングで伺っては、これもまた迷惑になってしまう。
御遺族が家族葬を選んだ心情をよくよく理解したい。
くれぐれも、取ってつけたような追悼興行などは厳に慎みたい。
年が改まり、百箇日も過ぎた頃、彼への真摯な追悼の思いがそれぞれの心にあるのなら、その時点で御遺族の了解が得られたならば、創立時のメンバー達で協議してもらいたい。
重ねて言うが、御遺族の了解が得られたの話だという事を忘れないでもらいたい。
彼は、私のすぐ傍にいた。
次回も、彼のことを書くつもりだ。
湿っぽい話に終始するつもりはない。

