緊急な告知かな? | 高田龍の《夢の途中》

高田龍の《夢の途中》

気がついたら、72歳に成ってました。
今までずいぶんたくさんのことを書いて来ました。
あと何年生きられるのか判りませんが、書き続ける事が生存確認でも有りますし生存証明でもあります。
宜しくお願い致します。

{DF8F946D-954A-459C-AB95-ADA1283C0384}

私は今、『《佳作座》の消えた街』という小説を同じアメブロで連載している。
読んで頂いている方もいると思いますが、現在13話を書いている最中です。

まだ、読んで頂いてない方や、そんなの知らんという方にも、知って頂きたくて、その第1話を掲載してみます。
読んでみて下さい。


〜《佳作座》の消えた街〜

【主要登場人物】

   小田  尊    (おだ たける)
   酒井  千夏(さかい ちなつ
   大田黒 晃 (おおたぐろ あきら)


prologue



〜日曜日に佳作座に行かない?〜

その一言が、尊の口から言葉となって出て来るまでに嫌というほどの時間がかかった。

少し後ろを俯きかげんに歩いている酒井千夏のセーラー服姿が、振り返った尊には眩しかった。

遥かに遠い過去の出来事。

小田尊は、ここ数ヶ月この日の情景が脳裏をよぎる事が多く、自分でもそれが何故なのか不思議だった。

彼が、千夏の存在を知ったのは、中学校入学後、1ヶ月が過ぎた頃だ。

街は新緑の息吹に満ちていた。

同じ中学校に通いながら、千夏を知るまでに時間がかかったのは、尊が学区域外の小学校から進学したためだ。
区立市谷第三中学校には、周辺の三校から、それぞれの小学校を卒業した生徒達が集まっていて、新入生は皆、三分の一は顔見知りということになる。

《三中》の在る新宿区の小学校ではなく港区の小学校を卒業した尊には、当然、顔見知りの生徒はひとりもいなかった。

尊のクラスはE組だった。

このクラスの担任は、大田黒という理科が専門の教師だったが、その風貌から生徒達は、彼に《熊さん》というあだ名をつけた。
《え〜新宿区には、中学校が15校在る。そして各校に1学年のクラスが5つ。併せて75クラス。え〜その中で、75番目のクラスが、お前達のE組であ〜る。》*学校数、クラス数は、当時のもの

大田黒は、新学期早々の朝礼で、生徒を前に外連味たっぷりにこう言った。

大きな身体に、ボサボサの頭髪は逆立ち、いつ洗ったのだろうと思ってしまうシミだらけの黄ばんだ白衣にはあちこちに鉤裂きがあった。

この、映画や小説の世界でしか出会えないような教師は、たちまちのうちに新しい環境に慣れないでいる生徒達の心を掴んだ。

小学校の時と違って、ほとんどの教科を担任が教える事がないために、理科の授業がない日は、朝礼と終礼、その後の掃除の時にしか会うことは出来ない。

生徒達は、そんな大田黒との時間を楽しみにしていた。

尊も級友達と溶け込み、中学生生活は順調に進んで行った。

そして、尊の心の中に千夏の存在が棲みついた。

春思う頃だった。


こんな感じです
興味が湧いた方は、続きをこちらからどうぞ。
じゃなくて、ぜひご覧下さい。