結論:感情より先に、紙で確認する
離婚にともなう不動産の売却は、話し合いより先にやることがあります。
それは「事実の棚卸し」です。
名義は誰のものか。ローンはいくら残っているか。
保証人は誰か。この3つを、紙(書類)で確認します。
感情的な話し合いは、この事実が揃ってからで十分です。
むしろ、事実を先に固めておかないと、後で「言った・言わない」のトラブルになります。
なぜ最初に書類を確認するのか
理由は簡単です。不動産の名義とローンの責任は、離婚届を出しても自動的には変わらないからです。
「夫婦のものだから半分ずつ」と思い込んでいても、法律上はそう単純ではありません。
思い込みで進めると、あとから「そんなはずでは」という事態になります。
だからこそ、最初に事実を確認します。
確認すべき書類は3つ
① 登記事項証明書(家の「戸籍謄本」のようなもの)
法務局で誰でも取得できる、その不動産の公式な記録です。
ここで次の3点を確認します。
● 名義:夫の単独名義か、夫婦の共有名義か
● 持分:共有の場合、誰がどれだけの割合を持っているか
● 抵当権:ローンを借りている金融機関の権利が付いているか
ここで重要な注意点があります。
共有名義の不動産は、売却に共有者全員の同意が必要です(民法251条)。
たとえば夫婦で半分ずつの共有名義になっている場合、妻一人の判断では売却できません。
夫の同意がなければ、話は前に進まないということです。
もう一つ、覚えておいていただきたい言葉があります。
「特有財産(とくゆうざいさん)」です。
結婚前から夫(または妻)が持っていた家や、親から譲り受けた土地などは、原則として「特有財産」とされ、財産分与の対象にはなりません(民法768条)。
「結婚してから買った家だから当然分ける」と思っていても、実は結婚前からの名義だった、というケースもあります。
だからこそ、まず登記事項証明書で確認するのです。
② ローンの残高証明書・返済予定表
次に確認するのが、住宅ローンです。
借入先の金融機関に連絡すれば、残高証明書と返済予定表を取得できます。
ここで見るのは「今、いくら残っているか」です。
売却価格がローン残高を下回る場合(いわゆる「オーバーローン」)は、売却の進め方そのものが変わってきますので、早めに把握しておく必要があります。
③ 誰が「保証人」になっているか
ここが、離婚の場面で最も見落とされやすいポイントです。
住宅ローンには、以下のような立場の人がいます。
● 主債務者:ローンを借りている本人
● 連帯債務者:主債務者と同じ責任を負う人(夫婦ペアローンなどでよくある形)
● 連帯保証人:主債務者が返せないときに代わりに返す責任を負う人
重要なのは、連帯保証人になっているかどうかは、登記簿謄本を見てもわかりません。
確認できるのは、銀行と交わした「金銭消費貸借契約書」だけです。
「離婚して家を出たから、もう関係ない」と思っていても、連帯保証人からは自動的には外れません。
ここを曖昧にしたまま進めると、離婚後に思わぬ請求が来ることがあります。
まとめ:まず「いくらで売れるか」から、無料で始めませんか
離婚にともなう不動産の話は、精神的にも負担が大きいものです。
だからこそ、最初にやるべきことをシンプルにお伝えします。
1. 登記事項証明書で名義・持分・抵当権を確認する
2. ローンの残高証明書・返済予定表を取得する
3. 金銭消費貸借契約書で保証人の立場を確認する
この3点が揃えば、その後の話し合いが具体的になります。
住宅流通合同会社(千葉県知事(2)第17629号)は、西白井を拠点に、不動産業務40年の経験で、こうした「事実の棚卸し」のお手伝いをしています。査定は無料です。
名義や財産分与の最終的な判断、税務については、提携の弁護士・司法書士・税理士にご確認いただく領域になります。
まずは「いくらで売れるか」というシンプルな問いから、私にご相談ください。
出典:民法251条(共有物の処分・変更には共有者全員の同意が必要)、民法768条(財産分与)